White Liesは、イギリス・ロンドン西部イーリング出身のロック・バンドである。メンバーは、ボーカル/ギターのHarry McVeigh、ベース/作詞のCharles Cave、ドラムのJack Lawrence-Brown。もともとはFear of Flyingという名前で活動していたが、音楽性を大きく変え、2007年ごろにWhite Liesとして再出発した。
彼らの音楽を一言で表すなら、“ポストパンクの冷たい陰影を、アリーナ・ロックの大きなサビへ拡張した音楽”である。Joy DivisionやInterpol、Editorsに通じる暗いベースラインと低い声。そこに、U2やEcho & the Bunnymen、The Killersのような巨大なメロディとシンセの広がりが重なる。White Liesの曲は、暗い。だが、閉じていない。むしろ、死、孤独、不安、都市の夜を、フェスの大ステージで鳴るような大きなロックへ変えてしまう。
最大の代表作は、2009年のデビューアルバムTo Lose My Life…である。このアルバムはUKアルバムチャート1位を獲得し、“Death”、“To Lose My Life”、“Farewell to the Fairground”などの楽曲で、White Liesは一気に英国ロックの新世代として注目された。以降、Ritual、Big TV、Friends、Five、そして2022年のAs I Try Not To Fall Apartまで、彼らは暗いロックの美学を保ちながら、よりシンセポップ、ニューウェーブ、スタジアム・ロック的な方向へ広げてきた。
近年も活動は続いている。公式サイトには2026年6月のオランダ、イタリア、チェコなどのライブ予定が掲載されており、Songkickも2026年に複数国で公演予定があると案内している。さらに2025年には新曲“Nothing On Me”を発表し、これは2022年のAs I Try Not To Fall Apart以来の新曲として紹介されている。White
アーティストの背景と歴史:Fear of FlyingからWhite Liesへ
White Liesの前身は、Fear of Flyingというバンドである。Fear of Flying時代は、より軽快でギターポップ寄りのサウンドだった。しかし、メンバーはその方向に限界を感じ、より暗く、重く、劇的な音楽へと舵を切る。そこで生まれたのがWhite Liesである。
この変化は非常に重要だ。White Liesは最初から“暗いバンド”として自然発生したわけではなく、ある意味で自分たちの美学を意識的に作り直したバンドである。バンド名のWhite Lies、つまり「罪のない嘘」「小さな嘘」という言葉にも、彼ららしい曖昧さがある。白いのに嘘。清潔なのに不穏。美しいのに不吉。White Liesの音楽は、まさにこの矛盾の上にある。
2008年、“Unfinished Business”や“Death”が注目され、英国の音楽メディアは彼らを大きく取り上げた。そして2009年1月、デビューアルバムTo Lose My Life…を発表。暗い歌詞、大きなサビ、冷たいシンセ、Harry McVeighの低く響く声によって、彼らは一気にポストパンク・リバイバル後の英国ロックの重要バンドになった。
以後、White Liesは単にデビュー作の暗さを繰り返すのではなく、作品ごとに少しずつ音を変えていく。2011年のRitualではより重厚で宗教的な雰囲気へ、2013年のBig TVではコンセプチュアルでシネマティックな広がりへ、2016年のFriendsではよりポップでシンセ色の強い音へ、2019年のFiveではキャリアの総合的なロック感へ、2022年のAs I Try Not To Fall Apartでは不安と成熟を歌う方向へ進んだ。
音楽スタイルと影響:Joy Divisionの影、U2の大きさ、80年代ニューウェーブの光
White Liesの音楽には、いくつもの系譜が重なっている。
まず、ポストパンクである。低く動くベースライン、冷たいギター、閉塞感のあるリズム、死や不安を扱う歌詞。Joy DivisionやEcho & the Bunnymen、The Chameleons、The Cureの影響は明らかだ。特に初期White Liesは、InterpolやEditorsと同じく、2000年代以降にポストパンクの暗さを現代的なロックへ再構築したバンドとして語ることができる。
次に、アリーナ・ロックの感覚がある。彼らの曲は内向的なテーマを扱うが、音は小さくない。むしろ、サビは広く、シンセは大きく、ドラムは力強い。U2やSimple Minds、The Killersのような、暗さを大きな会場で共有できる形へ変える力がある。
さらに、80年代シンセポップ/ニューウェーブの影響も大きい。後期になるほど、White Liesはシンセのきらめきやダンス的なリズムを取り入れていく。“There Goes Our Love Again”、“Take It Out on Me”、“Tokyo”、“As I Try Not To Fall Apart”などには、80年代ポップの明るさと、White Lies特有の死生観が同居している。
彼らの特徴は、暗い歌詞を暗いまま閉じ込めないことだ。White Liesは、絶望を歌う。だが、その絶望に巨大なサビを与える。だから、彼らの音楽は沈むための音楽ではなく、沈みながら前へ進むための音楽である。
代表曲の楽曲解説
“Death”:死への恐怖を、空へ開くアンセムにした初期代表曲
“Death”は、White Liesの代表曲であり、デビュー期の美学を最もよく示す楽曲である。タイトルはあまりにも直接的だ。「死」。だが、曲はただ暗いだけではない。むしろ、サビでは空が開けるような広がりがある。
歌詞では、死への恐怖、別れ、不安が歌われる。Harry McVeighの低い声は、まるで自分の内側に響く不安のようだ。しかし、バンドがサビに入ると、その恐怖は個人的なものから集団で歌えるものに変わる。
White Liesの魅力はここにある。死をテーマにしながら、フェスで大合唱できる曲を作る。この矛盾が、彼らのロックを特別なものにしている。
“To Lose My Life”:愛と死を同じスケールで歌う、デビュー作の核
“To Lose My Life”は、デビューアルバムのタイトル曲であり、White Liesの初期イメージを決定づけた曲である。タイトルには「命を失う」という重い言葉があるが、曲は非常にキャッチーで、リズムも力強い。
この曲では、愛と死がほとんど同じ重さで扱われる。恋愛の終わりが、まるで生と死の問題のように響く。これは若さゆえの過剰さでもあるが、White Liesにとっては重要な美学だ。小さな感情を、巨大なドラマにする。だから彼らの曲は、日常の不安を映画のクライマックスのように聴かせる。
“Farewell to the Fairground”:終わる場所から走り出すロックソング
“Farewell to the Fairground”は、White Lies初期の中でも特に疾走感のある曲である。タイトルは「遊園地への別れ」。楽しさの場所を去る歌だ。だが、曲調は前向きに走る。
この曲には、青春の終わりのような感覚がある。楽しかった場所、かつて輝いていた場所を離れなければならない。White Liesはその寂しさを、泣きのバラードではなく、走るロックソングにする。
ポストパンク的な低さよりも、ここではThe KillersやU2的なスケール感が強く出ている。ライブでも映える、初期White Liesの重要曲である。
“Bigger Than Us”は、2011年のRitualを代表する曲である。タイトル通り、「私たちより大きなもの」を歌っている。個人的な関係を、個人の手に負えない大きな力として描くのがWhite Liesらしい。
Ritual期のWhite Liesは、デビュー作よりも音が重厚で、シンセもさらに深い。“Bigger Than Us”では、そのスケール感がよく出ている。恋愛、信仰、運命、喪失。そうしたものが一つの大きな波になって押し寄せる。
“Streetlights”:都市の夜に浮かぶ孤独
“Streetlights”は、White Liesの都市的な孤独がよく表れた曲である。タイトルは「街灯」。夜の道を照らす小さな光だが、その光は人を完全に救うわけではない。
White Liesの曲には、夜の街がよく似合う。誰かを待つ駅、車のライト、雨の道路、眠らないビル。“Streetlights”は、そうした都市の孤独を静かに大きなロックへ変える曲である。
“There Goes Our Love Again”:80年代ニューウェーブの明るさを取り込んだ名曲
“There Goes Our Love Again”は、2013年のBig TVを代表する曲である。White Liesの中でもかなりポップで、リズムも明るい。だが、タイトルは「また愛が去っていく」という切ないものだ。
この曲の面白さは、サウンドが明るいほど、歌詞の寂しさが際立つところにある。80年代ニューウェーブ的な輝きと、White Liesらしい喪失感がうまく混ざっている。
Big TVは、アメリカへ向かう若いカップルの物語のようなコンセプトを持つ作品として聴けるが、この曲はその中でもポップな入口になっている。
“Take It Out on Me”は、2016年のFriendsを代表する曲である。この時期のWhite Liesは、よりシンセポップ的で、明るく、洗練された音へ近づいた。
タイトルは「僕にぶつけてくれ」と読める。誰かの怒りや不満を受け止めるような言葉だ。White Liesの楽曲には、愛が救いであると同時に負担でもある、という感覚がよく出てくる。
サウンドは初期より軽やかだが、歌詞の奥には相変わらず不安がある。これが後期White Liesの魅力だ。
“Is My Love Enough?”:愛の量を問い続ける不安
“Is My Love Enough?”は、Friendsの中でも印象的な曲である。タイトルは「僕の愛は十分なのか?」。これは非常にWhite Liesらしい問いだ。彼らは愛を歌うが、その愛は安定していない。常に足りないかもしれない、届かないかもしれないという不安を含んでいる。
この曲では、シンセとギターがうまく混ざり、メロディは大きい。ダークなロックから、より洗練された80年代風ポップへ進んだWhite Liesの姿が見える。
“Time to Give”は、Five期の重要曲である。長尺で、ゆっくりと展開し、White Liesのスケール感を存分に味わえる曲だ。
この曲では、焦らず、広がる。初期White Liesが短く強いサビで衝撃を与えたのに対し、後期の彼らは曲の中に大きな空間を作るようになった。“Time to Give”は、その成熟を示す楽曲である。
“As I Try Not To Fall Apart”:崩れそうな自分をポップに支える2022年の代表曲
“As I Try Not To Fall Apart”は、2022年の同名アルバムのタイトル曲である。アルバムは2022年2月18日にPIASからリリースされ、White Liesの6作目にあたる。先行シングルとして、タイトル曲、“I Don’t Want to Go to Mars”、“Am I Really Going to Die”、“Blue Drift”などが発表された。
タイトルは「崩れ落ちないようにしながら」と読める。非常に現代的な言葉だ。精神的な不安、社会的な不安、年齢を重ねることへの不安。それをWhite Liesは、暗く沈めるのではなく、シンセの輝きと大きなメロディで支える。
この曲は、初期の死や喪失のドラマから、より成熟した不安へ進んだWhite Liesを象徴している。
“Nothing On Me”:2025年、新しい章の始まり
“Nothing On Me”は、2025年に発表された新曲で、2022年のAs I Try Not To Fall Apart以来の新曲として紹介されている。TicketmasterやDorkは、この曲が2026年のUK/ヨーロッパ・ツアー発表と合わせて公開されたことを伝えている。Ticketmaster
この曲は、White Liesが2020年代後半にもまだ活動を続け、新しいフェーズへ向かっていることを示す。長いキャリアを持つバンドにとって、新曲を出すことは単なる更新ではない。自分たちの美学を今の時代で鳴らせるかどうかの確認でもある。
アルバムごとの進化
To Lose My Life…:死を歌いながらUKチャート1位になった衝撃のデビュー作
2009年のTo Lose My Life…は、White Liesのデビューアルバムであり、最大の代表作である。“Death”、“To Lose My Life”、“Farewell to the Fairground”、“Unfinished Business”などを収録している。
このアルバムの最大の特徴は、若さと死の近さである。20代前半のバンドが、これほど大きなスケールで死や喪失を歌う。その過剰さが、当時の英国ロックに強く響いた。
音楽的には、Joy DivisionやInterpol、Editorsに通じる暗いポストパンクを、よりアリーナ向けに拡張した作品である。低い声、重いベース、冷たいシンセ、巨大なサビ。White Liesの美学はこの時点でほぼ完成していた。
Ritual:重厚さと宗教的な空気を深めたセカンド
2011年のRitualは、デビュー作の暗さをさらに重厚にした作品である。“Bigger Than Us”、“Streetlights”などを収録し、サウンドにはより深いシンセと荘厳なムードが加わった。
タイトルのRitualは「儀式」を意味する。White Liesの音楽には、もともと葬儀や祈りに近い空気があったが、このアルバムではそれがより明確になる。愛や死が、個人の感情ではなく、儀式のような大きな出来事として扱われる。
Big TV:映画的な物語性とポップな広がり
2013年のBig TVは、White Liesの中でも特にコンセプト性が強い作品である。大きなテレビ、アメリカ、都市、若いカップル、夢と失望。そうしたイメージがアルバム全体に広がる。
“There Goes Our Love Again”や“Getting Even”では、80年代ニューウェーブ的な明るさが強まり、White Liesのメロディがより開かれた。デビュー作の黒いコートのような雰囲気から、少し色彩が増した作品である。
Friends:シンセポップと友情、関係性への接近
2016年のFriendsは、より明るく、シンセポップ的なWhite Liesを聴かせるアルバムである。“Take It Out on Me”、“Is My Love Enough?”、“Hold Back Your Love”などを収録している。
タイトルがFriendsであることも興味深い。初期のWhite Liesは死や喪失、恋愛のドラマを大きく扱っていたが、この時期には人間関係そのもの、友情や距離感、愛の不確かさへ視線が向かう。
サウンドも柔らかくなり、80年代ポップへの接近がさらに強まった。暗さを保ちながらも、より色のあるアルバムである。
Five:キャリアの総合とスケールの拡張
2019年のFiveは、タイトル通り5作目のアルバムである。“Tokyo”、“Time to Give”、“Believe It”などを収録し、White Liesのロック、シンセ、ニューウェーブ、アリーナ感がバランスよくまとまっている。
この作品では、バンドとしての自信が感じられる。初期の暗い衝撃だけに頼らず、長尺曲も、ポップな曲も、重い曲も鳴らせる。White Liesが単なる2009年の新人バンドではなく、継続的なキャリアを持つバンドになったことを示した作品である。
As I Try Not To Fall Apart:崩れそうな時代の成熟作
2022年のAs I Try Not To Fall Apartは、White Liesの6作目である。2022年2月18日にPIASからリリースされ、10曲入りの作品として配信されている。
このアルバムでは、タイトルが示す通り、崩壊を避けようとする感覚が中心にある。初期のように死を大きく歌うのではなく、もっと日常的で、精神的な不安がある。現代社会のプレッシャー、年齢を重ねること、バンドとして続くこと。そのすべてが、White Liesらしい大きなメロディに乗る。
“Am I Really Going to Die”という曲名は、初期White Liesの死生観を思わせる。しかし、そこにあるのは若者のゴシックなロマンではなく、大人になった人間がふと感じる現実的な恐怖である。
Harry McVeighの声:低く、広く、暗い空を開くボーカル
White Liesの音を決定づけているのは、Harry McVeighの声である。低く、太く、少し冷たい。彼の声は、ポストパンクの伝統を感じさせるが、Ian Curtisのような壊れそうな切迫感とは違う。もっと整っていて、アリーナで響くような大きさがある。
McVeighの声は、暗い歌詞を必要以上に演劇的にしすぎない。むしろ、低い声で淡々と歌うからこそ、曲のドラマが大きく見える。White Liesの歌詞は死や不安を扱うが、彼の声があることで、それが過剰なゴシック趣味ではなく、現代的なロックとして響く。
Charles Caveの歌詞:死、愛、都市、そして崩壊への恐怖
White Liesの歌詞の多くは、ベーシストのCharles Caveが担っている。彼の言葉には、死、愛、別れ、都市、恐怖、関係の終わりが繰り返し出てくる。
Caveの歌詞の特徴は、日常的な感情を非常に大きな言葉で描くことだ。恋人との別れが、死の問題のように聞こえる。小さな不安が、世界の終わりのように響く。これは若さゆえの過剰さとして始まったが、後期になるほど、より成熟した不安へ変わっていく。
As I Try Not To Fall Apartのタイトルは、その変化をよく示している。死をロマンチックに歌う段階から、崩れそうな自分を何とか保つ段階へ。White Liesの歌詞は、彼ら自身の年齢とともに変化している。
Jack Lawrence-Brownのドラム:暗い音楽を前へ進ませる推進力
White Liesの音楽は、暗いテーマを扱うが、重く停滞しない。その理由の一つが、Jack Lawrence-Brownのドラムである。彼のドラムは、ポストパンク的な硬さと、アリーナ・ロック的な大きさを持っている。
“Farewell to the Fairground”や“There Goes Our Love Again”のような曲では、ドラムが曲を前へ押し出す。暗い歌詞でも、身体は動く。White Liesがライブで強い理由も、このリズムの推進力にある。
影響を受けたアーティストと音楽
White Liesの音楽には、Joy Division、Echo & the Bunnymen、The Cure、The Chameleons、Interpol、Editors、U2、Simple Minds、Depeche Mode、New Order、The Killers、Tears for Fearsなどの影響が感じられる。
特に初期は、Joy DivisionやInterpolとの比較が多かった。しかし、White Liesはよりサビが大きく、アリーナ・ロック志向が強い。彼らはポストパンクの暗さを、閉じた部屋ではなく、大きな会場へ持ち出したバンドである。
White LiesはInterpolと比較されることが多い。どちらもポストパンク的な低い声と暗いギターを持つ。しかしInterpolはもっと都会的で、冷たく、セクシーで、ニューヨーク的だ。White Liesはもっと大きく、英国的で、感情を開く。
Editorsと比べると、非常に近い部分がある。どちらもJoy Division以降の暗い英国ロックを現代化したバンドだ。ただしEditorsのほうがより実験的に変化し、エレクトロやアートロック方向へ進んだ。White Liesはより一貫して、大きなメロディとロック・アンセムを保っている。
The Killersと比べると、どちらも80年代ニューウェーブとアリーナ・ロックを結びつける。ただしThe Killersがラスベガス的な華やかさとアメリカン・ロックの物語性を持つのに対し、White Liesはもっと暗く、ゴシックで、英国的な冷たさがある。
近年の活動:2026年ツアーと新曲で続く現在形
White Liesは現在も活動中である。公式サイトには2026年6月のGroningen、Pinkpop、Veronaなどの公演予定が掲載されており、Songkickも2026年に8か国で13公演を予定していると案内している。White
また、2025年には新曲“Nothing On Me”を発表し、これは2022年のアルバムAs I Try Not To Fall Apart以来の新曲として紹介されている。2026年のUK/ヨーロッパ公演の発表とも結びついており、White Liesが単なる2000年代懐古バンドではなく、現在も新しいフェーズへ進んでいることが分かる。Ticketmaster
文化的意義:White Liesは暗さを共有可能なロックにした
White Liesの文化的意義は、暗い感情を大きなメロディで共有できるものにしたことにある。
死を歌う。
不安を歌う。
愛の終わりを歌う。
崩れそうな自分を歌う。
だが、その音は小さくない。彼らは、孤独を個人の部屋に閉じ込めず、大きな会場で一緒に歌えるものにした。これは、2000年代以降の英国ロックにおいて大きな意味を持つ。
White Liesの曲を聴くと、暗さは必ずしも沈黙ではないと分かる。暗さにもリズムがあり、サビがあり、光がある。彼らは、その光を冷たいシンセと重いベースの中に見つけたバンドである。
まとめ:White Liesは、死と不安を巨大なメロディに変えた英国ロックの継承者である
White Liesは、ロンドン西部イーリングから登場した英国のロック・バンドである。Harry McVeighの低い声、Charles Caveの死生観を帯びた歌詞、Jack Lawrence-Brownの力強いドラムによって、彼らはポストパンクの暗さをアリーナ級のロックへ拡張した。
To Lose My Life…は、“Death”、**“To Lose My Life”を含む衝撃のデビュー作である。
Ritualは、より重厚で宗教的なムードを深めたセカンドである。
Big TVは、映画的な物語性と80年代ニューウェーブの明るさを取り入れた作品である。
Friendsは、シンセポップ色を強め、人間関係の距離を歌ったアルバムである。
Fiveは、キャリアの総合として大きなロックとシンセの美学をまとめた作品である。
As I Try Not To Fall Apartは、崩れそうな時代と自分を支える成熟作である。
そして“Nothing On Me”**は、2020年代後半のWhite Liesがまだ前へ進んでいることを示す新しい一歩である。
White Liesの音楽は、暗い。
だが、閉じていない。
死を歌いながら、空へ開く。
不安を歌いながら、身体を動かす。
崩れそうな自分を歌いながら、巨大なサビで支える。
White Liesとは、ポストパンクの影とアリーナ・ロックの光を結びつけ、21世紀の英国ロックに“暗くて大きい”美学を刻んだバンドである。
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