発売日: 2018年8月16日
ジャンル: インディーロック、エモ、オルタナティブ
Yep, Definitelyは、ノースカロライナ出身のバンドWednesdayが放つセカンドアルバムで、彼らの特徴であるエモーショナルな歌詞と独特なインディーロックサウンドが凝縮された一枚である。本作は、オルタナティブの土台を持ちながらも、エモやシューゲイザー、ローファイといった要素を取り入れて、感情的で少し懐かしさを感じさせるムードが漂っている。アルバム全体を通して、等身大のリリックとローファイでオープンなサウンドが、リスナーに親しみやすさを与える。
Yep, Definitelyは、バンドが自分たちのサウンドを探りつつも、個性と独創性を発揮しているアルバムであり、ドリーミーでメランコリックなトーンの中に青春の葛藤や不安、成長が描かれている。自分たちの「今」を表現することに徹底し、シンプルでありながらも力強いサウンドでリスナーを惹きつける一枚となっている。
トラックごとの解説
1. Drove Down
ノスタルジックでメランコリックなオープニングトラック。ふんわりとしたギターと控えめなボーカルが、青春の淡い記憶を呼び起こすような雰囲気を醸し出している。
2. Coyote
ゆったりとしたテンポで進むこの曲は、繊細で感傷的なメロディが心に残る。歌詞は孤独感や疎外感について触れており、シンプルなアレンジがそのテーマを引き立てている。
3. Underneath
ダークで少し重たい雰囲気が漂うトラックで、内面的な葛藤が描かれている。ギターのフィードバックと歪みが、聴く者に緊張感を与える一曲。
4. Endless Sun
アルバムの中でも明るい印象を与える楽曲で、ポップでキャッチーなメロディが耳に残る。リズミカルなビートと爽やかなボーカルが印象的。
5. Carsick
緩やかなテンポのミディアムバラードで、少し不安定で脆い感情が表現されている。繊細なボーカルが印象的で、どこか懐かしさを感じさせるメロディが魅力。
6. Bleachers
明るいビートとキャッチーなギターリフが特徴のアップテンポな楽曲。青春の輝きとともに、少しの切なさを感じさせるメロディが心地よい。
7. In the Middle
穏やかで控えめなトラックで、シンプルなギターとボーカルが引き立つ。自分自身との対話を描いた歌詞が繊細で、リスナーの心に静かに響く。
8. Yep, Definitely
アルバムのタイトル曲で、力強いギターとリズムが特徴的な一曲。個人的な成長や変化について歌われ、エモーショナルなボーカルが際立っている。
9. Rings
ゆったりとしたビートと温かみのあるメロディが特徴的な楽曲。ノスタルジックなムードが全体を包み込み、優しさと切なさが共存する。
10. Beg
アルバムのフィナーレを飾る楽曲で、静かなギターと切ないボーカルが聴く者に余韻を残す。自己反省や未来への希望がテーマとなっている。
アルバム総評
Yep, Definitelyは、Wednesdayが自身の音楽スタイルを見つけ出そうとする過程で作り上げた、率直でピュアなアルバムである。ローファイなプロダクションと控えめなボーカルスタイルが、青春の不安や成長に対する素直な感情を表現しており、リスナーに寄り添うような親しみやすさがある。エモやシューゲイザーの影響が随所に感じられるが、オリジナリティも忘れない。Yep, Definitelyは、Wednesdayのアーティストとしての成長を予感させる一枚であり、等身大のサウンドと感情がリスナーの共感を呼ぶ作品となっている。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
American Football by American Football
エモとインディーロックの要素が強く、Wednesdayの繊細でノスタルジックなサウンドに共通点がある一枚。
Turnover by Peripheral Vision
ドリーミーなサウンドとメランコリックなムードが特徴で、Yep, Definitelyと同様のローファイな魅力がある。
Songs for a Blue Guitar by Red House Painters
内省的で感情的なリリックと穏やかなメロディが魅力で、Wednesdayのエモーショナルな側面に通じる。
I Could Live in Hope by Low
ミニマルで静かなサウンドが印象的なアルバムで、Wednesdayの控えめでエモーショナルなスタイルに共鳴する。
On Avery Island by Neutral Milk Hotel
インディーロックの代表作で、ローファイなプロダクションと感情的な歌詞が、Wednesdayのアルバムと共通するポイント。
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