The Feelies: ポストパンクの陰と陽、アートとエネルギーの融合

※本記事は生成AIを活用して作成されています。
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The Feelies(ザ・フィーリーズ)は、1970年代後半にアメリカ・ニュージャージー州で結成されたロック・バンドである。パンクが広がっていた時代に登場したが、荒々しく叫ぶタイプのバンドとは少し違っていた。細かく刻むギター、せわしなく動くリズム、抑えたボーカルを組み合わせ、静かなのに妙に緊張した音を作った。

1980年のデビュー作Crazy Rhythmsは、その個性が最もはっきり表れた作品である。その後はアコースティック・ギターの響きを増やし、より穏やかな方向へ進んだが、演奏の内側には常に強い推進力が残っていた。

大きな商業的成功を収めたバンドではない。しかし、R.E.M.をはじめとする1980年代以降のアメリカン・インディー・ロックを考えるうえで重要な存在である。The Feeliesの魅力は、知的で細かな音作りと、ロックンロールの単純な興奮が同じ曲の中にあることだ。

The Feeliesの背景と歴史

The Feeliesの中心人物は、ギターとボーカルを担当するGlenn MercerとBill Millionである。ニュージャージー州Haledonを拠点に活動し、1976年頃からThe Feeliesとしての形を作っていった。

ニューヨークからそれほど遠くない場所で活動していたため、CBGBやMax’s Kansas Cityといったニューヨークのクラブにも出演した。当時はパンクからニューウェーブ、ポストパンクへと音楽が変化していた時期である。

The Feeliesもこの流れと重なるが、典型的なパンク・バンドではなかった。速い演奏は使うものの、単純なコードを勢いだけで鳴らすのではない。複数のギターと打楽器を細かく組み合わせ、同じフレーズを反復しながら少しずつ緊張を高めていった。

1979年にはシングル「Fa Cé-La」を発表。翌1980年にはデビュー・アルバムCrazy Rhythmsをリリースした。売上的には大きな成功を収めなかったが、その独特なギターとリズムは後に高く評価されるようになる。

しかし、バンドはそのまま勢いよく活動を続けたわけではない。デビュー作の後はThe Feeliesとしての活動が止まり、メンバーはThe Trypesなどの別プロジェクトでも演奏するようになった。

1980年代半ばになると、MercerとMillionを中心にThe Feeliesが再始動する。ここでBrenda Sauter、Stan Demeskiらが加わり、後の中心となる編成が整った。

1986年には6年ぶりのアルバムThe Good Earthを発表する。共同プロデュースには、The Feeliesから影響を受けたR.E.M.のPeter Buckも参加した。デビュー作の張りつめた音とは違い、アコースティック・ギターを多く使った柔らかな作品となった。

その後はOnly Life、Time for a Witnessを発表するが、1990年代初頭に活動を停止する。再び本格的に活動するようになったのは2008年である。2011年には約20年ぶりのスタジオ・アルバムHere Beforeを発表し、2017年にはIn Betweenをリリースした。

The Feeliesの音楽スタイルと特徴

The Feeliesの音で最初に注目したいのは、2本のギターの使い方である。大きなコードを鳴らして曲を埋めるより、短いフレーズや細かなストロークを重ねる。それぞれは単純でも、同時に鳴ることで複雑な動きが生まれる。

特に初期は、ギターがリズム楽器のように聞こえることが多い。ドラムに合わせて細かく音を刻み、同じパターンを何度も反復する。その上に別のギターが鋭い音を加えるため、曲全体が落ち着かず、常に前へ進もうとしているように聞こえる。

リズムも重要だ。普通のロックのようにスネアドラムとシンバルを強く鳴らすだけではなく、さまざまな打楽器を使って細かな音を加える。Crazy Rhythmsでは、ドラムとパーカッションがギターと絡み合い、曲全体を動かしている。

それに対してボーカルは意外なほど控えめである。Glenn Mercerは感情を大げさに表現するタイプではなく、少し距離を置いたような声で歌う。この冷静な声と、今にも走り出しそうな演奏とのずれが独特の緊張感を作っている。

もう一つ面白いのは、静けさと爆発力の両方を持っていることだ。穏やかなギターの反復が何分も続いた後、演奏が少しずつ大きくなり、最後には激しいロックンロールへ変わることがある。The Feeliesにとって「静か」と「激しい」は別々のスタイルではなく、同じ曲の中でつながっている。

The Feeliesの代表曲

「Fa Cé-La」

初期The Feeliesの特徴を短い時間で理解できる曲である。ギターは鋭く細かく刻まれ、ドラムとパーカッションもせわしなく動く。それに対してボーカルは力を抜いたように聞こえる。

この「演奏は焦っているのに歌は冷静」という組み合わせが面白い。パンクの速さを持ちながら、そのエネルギーを叫び声ではなく、リズムとギターの反復へ向けたThe Feeliesらしい一曲だ。

「Raised Eyebrows」

Crazy Rhythmsの中でも、バンドの変わったリズム感覚がよく分かる曲である。曲の最初から勢いよく進むのではなく、音の少ない状態から少しずつ楽器が重なっていく。

特にドラムとギターの役割が一般的なロックとは違って聞こえる。ギターが一定のリズムを保つ一方、打楽器が細かな変化を作る。単純な反復が積み重なることで、次第に大きな運動へ変わっていくThe Feeliesの作曲方法がよく表れている。

「Crazy Rhythms」

タイトル通り、リズムへのこだわりを前面に出した曲である。同じフレーズを長く繰り返しながら、ギターや打楽器の音を少しずつ変えていく。

大きなサビが突然登場するような一般的なロックとは感覚が違う。小さな変化を積み重ねて緊張を作り、反復そのものを気持ちよく感じさせる。後のインディー・ロックにもつながるThe Feeliesの発想を理解しやすい曲である。

「Slipping (Into Something)」

The Good Earthを代表する曲の一つで、初期とは違うThe Feeliesが分かる。前半ではアコースティックな響きが目立ち、演奏には大きな余白がある。

ところが曲が進むにつれて、同じリズムが徐々に力を増していく。最初から全力で演奏するのではなく、静かな状態を長く保つことで、後半の盛り上がりをより強く感じさせる。再始動後のバンドが身につけた「静かな緊張」の代表例だ。

「Away」

1988年のOnly Lifeに収録された曲である。この時期になると、初期の神経質なポストパンクとThe Good Earthの柔らかさが自然に混ざり合っている。

特に印象的なのは後半だ。反復するギターの上に別の音が次々と加わり、演奏の熱が少しずつ上昇する。The Feeliesが得意とする、静かな状態から大きな高揚へ向かう流れを分かりやすく味わえる。

アルバムごとに見るThe Feeliesの進化

Crazy Rhythms(1980年)

The Feeliesの出発点であり、最も有名なアルバムである。細かく刻まれるギター、不規則に感じられる打楽器、突然現れる空白などを使い、当時のロックとしてもかなり変わった音を作っている。

パンクの速さはあるが、荒々しく押し切る作品ではない。一つ一つの音が細かく配置されており、非常に計算された演奏である。それなのに完成した音楽には、制御できないほどの焦りも感じられる。

The Velvet Undergroundの反復、The Stoogesの勢い、Brian Eno周辺のアート・ロックなどにつながる要素を持ちながら、どれとも同じではない。この「頭で組み立てられた音楽なのに、身体も動く」という特徴が、The Feeliesの基本になった。

The Good Earth(1986年)

6年の間を置いて発表されたセカンド・アルバムである。Crazy Rhythmsと続けて聴くと、同じバンドとは思えないほど穏やかになっている。

アコースティック・ギターの比重が増え、音の角が取れている。テンポも以前ほどせわしなくなく、広い場所で演奏しているような自然な響きがある。

しかし、The Feeliesらしい反復は残っている。「Slipping (Into Something)」のように、静かに始まった演奏が少しずつ熱を帯びていく曲もある。初期のエネルギーを消したのではなく、より長い時間をかけて解放するようになった作品だ。

Only Life(1988年)

The Good Earthで見せた柔らかな音を保ちながら、エレクトリック・ギターの力強さを再び増やしたアルバムである。

「It’s Only Life」のような短く親しみやすい曲もあれば、「Away」のように反復から大きな高揚を作る曲もある。初期ほど奇妙な音作りを前面には出さず、曲そのものがより分かりやすくなった。

アルバムの最後ではThe Velvet Undergroundの「What Goes On」をカバーしている。単なる選曲以上に、反復するギターと一定のリズムから興奮を作るというThe Feelies自身のルーツがよく見える録音である。

Time for a Witness(1991年)

1991年のTime for a Witnessでは、前作よりギターの荒々しさが目立つ。長く活動してきたバンドらしい安定した演奏と、初期から持っていたロックンロールの衝動が接近している。

The Stoogesの「Real Cool Time」を取り上げていることも、この作品の性格を分かりやすくしている。The Feeliesは知的で繊細なバンドと思われやすいが、その土台には単純で激しいロックンロールへの愛情がある。

この作品の後、バンドは長い活動休止へ入った。

Here Before(2011年)

再結成後、約20年ぶりに発表されたスタジオ・アルバムである。長い空白があったにもかかわらず、無理に現代的な音へ変化していない。

細かなギター、控えめな歌、一定のテンポを保ちながら少しずつ高揚する演奏など、The Feeliesらしい特徴がそのまま残っている。一方で若い頃の神経質な速さは少し落ち着き、演奏には余裕が生まれた。

過去のスタイルをそのまま再現するというより、同じ方法を年齢に合った速度で続けている作品といえる。

In Between(2017年)

In Betweenでは、The Feeliesの静かな側面がさらに強く出ている。アコースティック・ギターを中心にした曲が多く、一見すると非常に穏やかな作品である。

しかし、細かなストロークやベース、パーカッションが組み合わさることで、静かな曲にも一定の推進力がある。タイトル曲は特に象徴的で、アルバム冒頭では控えめに演奏されるが、最後には長く激しい演奏として再び登場する。

静けさの中からエネルギーを生み出すという、The Feeliesが長年続けてきた方法を一枚の中で分かりやすく示した作品である。

The Feeliesが影響を受けた音楽

The Feeliesを理解するうえで最も重要な存在の一つがThe Velvet Undergroundである。特に、単純なコードを何度も反復しながら、演奏全体の熱を高めていく方法には明確なつながりがある。

The Stoogesから受け継いだロックンロールの荒々しさも重要だ。ただしThe Feeliesは、そのエネルギーを大音量だけで表現しない。細かなギターと速いリズムへ置き換えている。

The Beatlesの1960年代後半の作品やBrian Enoのポップ寄りの作品、David Bowie周辺のアート・ロックなども彼らの音楽を考える手がかりになる。スタジオを使って音の配置や響きを細かく作り込む感覚は、単純なライブ・バンドとは異なるものだった。

こうした音楽を混ぜながら、The Feeliesは「アート的なロック」と「身体的なロックンロール」を分けなかった。そこが彼らの個性である。

The Feeliesが後の音楽に与えた影響

The Feeliesの影響を語るとき、特に重要なのがR.E.M.である。Peter BuckはThe Feeliesのファンであり、The Good Earthの共同プロデュースにも参加した。細かく鳴るギターを中心にしながら、パンクとは違う形でスピード感を作る方法には両者のつながりが感じられる。

Yo La Tengoとの関係も深い。Yo La TengoのIra KaplanはThe Feeliesのライブで音響を担当していた時期があり、両バンドには穏やかなギター・ポップと長いノイズ演奏を同じ活動の中で扱うという共通点がある。

さらに後のアメリカン・インディーでは、Real EstateのようなバンドにもThe Feeliesにつながる感覚が見られる。明るく澄んだギターを重ね、派手なボーカルに頼らず、バンド全体の反復で曲を前へ進めるスタイルである。

The Feeliesが残したのは特定のギター音だけではない。パンクの精神を保ちながら、必ずしも叫んだり音を歪ませたりする必要はないことを示した点が大きい。その考え方は、1980年代のカレッジ・ロックから後のインディー・ロックへ続いていった。

まとめ

The Feeliesは、ポストパンクの緊張感とロックンロールの高揚を、独特の方法で結びつけたバンドである。細かく反復する2本のギターと複数のリズムが演奏を前へ押し進める一方、ボーカルは驚くほど静かだ。この温度差が彼らの音を特別なものにしている。

Crazy Rhythmsでは神経質な速さを追求し、The Good Earthではアコースティックな静けさへ進んだ。その後は両方を自然に組み合わせ、静かな演奏から大きな高揚を生み出すスタイルを深めていった。

派手な成功とは距離のあるバンドだったが、そのギターとリズムの考え方はR.E.M.をはじめ、後のアメリカン・インディーへつながっている。アートとして細かく作られた音と、ロックンロールとして身体を動かす力。その二つを無理なく同居させたことが、The Feeliesの音楽史における大きな特徴である。

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