発売日: 1972年3月25日
ジャンル: ハードロック、ヘヴィメタル
アルバム全体の印象
「Machine Head」は、Deep Purpleがリリースした6枚目のスタジオアルバムであり、彼らの最高傑作のひとつとして広く認識されている。このアルバムは、ハードロックの金字塔としての地位を築き、後のロックシーンに多大な影響を与えた。
レコーディングはスイスのモントルーで行われ、アルバム制作中に起きた「カジノ火災」の事件が、伝説的な楽曲「Smoke on the Water」を生むきっかけとなった。リッチー・ブラックモアの鋭いギターリフ、ジョン・ロードの重厚なオルガン、ロジャー・グローヴァーのベースライン、イアン・ペイスの卓越したドラミング、そしてイアン・ギランのパワフルなボーカルが、バンドの絶頂期を象徴している。
アルバム全体を通して、バンドのテクニックとソングライティングの才能が発揮されており、「Highway Star」や「Lazy」のような楽曲では、即興的なジャムセッションの要素も取り入れられている。「Machine Head」は、ハードロックのスタンダードを定義した作品であり、現在でもその魅力は色褪せていない。
各曲解説
1. Highway Star
アルバムのオープニングを飾る高速ナンバーで、疾走感あふれるリフとギランのシャウトが圧巻。ジョン・ロードのクラシカルなオルガンソロとリッチー・ブラックモアのギターソロが楽曲のクライマックスを形成している。
2. Maybe I’m a Leo
ファンキーなベースラインが特徴のミドルテンポの楽曲。シンプルでグルーヴィーな構成ながらも、ブラックモアのギターがアクセントを加えている。
3. Pictures of Home
イントロのドラムソロから始まり、リッチーのギターとジョン・ロードのオルガンが調和するダイナミックな楽曲。歌詞は孤独感をテーマにしており、メロディアスな要素が印象的。
4. Never Before
シングルカットされたキャッチーな楽曲で、明るいメロディとリズムが特徴。アルバムの中ではポップな印象を与える一曲。
5. Smoke on the Water
ロック史上最も有名なギターリフを持つ楽曲で、バンドが体験したカジノ火災をテーマにしている。シンプルながらも力強い構成が、世代を超えて愛され続ける理由である。
6. Lazy
オルガンのイントロから始まる8分にわたる長尺のトラック。ブルースロックの影響が強い楽曲で、ブラックモアとロードのソロバトルが最大の聴きどころ。
7. Space Truckin’
アルバムを締めくくるパワフルな楽曲。宇宙をテーマにした歌詞と、エネルギッシュな演奏が一体となり、ライブでの定番曲としても知られている。
アルバム総評
「Machine Head」は、Deep Purpleのハードロックサウンドが成熟した最高の形で表現されたアルバムである。ギターリフのカッコ良さ、オルガンの重厚さ、リズムセクションの力強さ、そしてギランのボーカルパフォーマンスが完璧に融合し、バンドの絶頂期を象徴する作品となっている。
「Smoke on the Water」や「Highway Star」のようなロックアンセムから、「Lazy」のようなジャムセッション的な楽曲まで、どのトラックも完成度が高く、アルバム全体を通じて聴き応えがある。ハードロックファンにとって必聴の一枚だ。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
「Deep Purple in Rock」 by Deep Purple
バンドのハードロック路線の確立を示したアルバム。攻撃的なサウンドが魅力。
「Paranoid」 by Black Sabbath
同時期のヘヴィメタルの金字塔で、重厚なサウンドが共通する。
「Led Zeppelin IV」 by Led Zeppelin
リフ主体の楽曲とバンドの多様性が際立つ名盤。ハードロックのファンにおすすめ。
「Who’s Next」 by The Who
力強いロックサウンドと叙情的なメロディが特徴。ロックの名盤として「Machine Head」と並ぶ。
「Sad Wings of Destiny」 by Judas Priest
ヘヴィメタルとハードロックの融合を示した作品で、リッチー・ブラックモアのギタースタイルに影響を受けた要素が見られる。
コメント