
発売日:2007年10月9日
ジャンル:パワー・ポップ、ロック、ガレージ・ロック、クリスマス・ロック、ルーツ・ロック
概要
The Smithereensの『Christmas with The Smithereens』は、2007年に発表されたクリスマス・アルバムであり、彼らの音楽的な個性である60年代ロックへの深い愛情、パワー・ポップの明快なメロディ、ガレージ・ロック的なギターのざらつき、そして少し陰のあるアメリカン・ロックの感覚を、クリスマス・ソングという形式に移し替えた作品である。The Smithereensは、1980年代半ばからアメリカのカレッジ・ロック/パワー・ポップ・シーンで重要な存在となり、『Especially for You』『Green Thoughts』『11』などを通じて、The Beatles、The Who、The Kinks、The Byrds、Buddy Holly、British Invasion、ガレージ・ロックの影響を、80年代以降のギター・ロックとして再構成してきたバンドである。
The Smithereensの音楽は、明快なメロディと厚いギター・サウンドの組み合わせに特徴がある。Pat DiNizioの低く少し影のあるヴォーカル、Jim Babjakの力強くもメロディアスなギター、Mike Mesarosの堅実なベース、Dennis Dikenの躍動的なドラムが、過度に派手ではないが非常に骨太なロックンロールを生み出していた。彼らの曲は、ポップでありながらどこか憂いを含み、ロックの楽しさと失恋の痛みを同時に鳴らす。そうしたバンドがクリスマス・アルバムを作ることには、単なる企画盤以上の意味がある。
クリスマス・アルバムは、ポップ・ミュージックの中でも特殊な形式である。宗教的な賛歌、家族的な温かさ、冬のノスタルジア、商業的な季節感、古いスタンダード曲への敬意、そして時に冗談めいたロックンロールの祝祭が一つに混ざる。多くのアーティストにとってクリスマス作品は、キャリアの本流から少し外れた軽い企画として扱われることも多い。しかしThe Smithereensの場合、60年代ポップやロックンロールの伝統への愛がもともとバンドの核にあったため、クリスマス・ソングのカヴァーや季節的な楽曲も、彼らの音楽性と自然に結びついている。
『Christmas with The Smithereens』では、伝統的なクリスマス・ソング、ロックンロール系のクリスマス楽曲、そしてバンドらしいギター・ポップのアレンジが組み合わされている。ここで重要なのは、彼らがクリスマス音楽を過度に豪華なオーケストラや甘いバラードへ変えるのではなく、自分たちのバンド・サウンドで鳴らしている点である。つまり、これは「The Smithereensがクリスマスを演奏したアルバム」であり、クリスマス音楽にバンドが従属しているわけではない。
サウンドの中心には、やはりギターがある。ジングルベルやストリングスで過剰に飾るのではなく、ロック・バンドとしての演奏力、シンプルなリズム、力強いコード、コーラスの楽しさによって、季節感を作っている。The Smithereensは、クリスマスの温かさを、暖炉の前の静かな家庭的情景だけでなく、ガレージでアンプを鳴らすようなロックンロールの楽しさとして表現している。
歌詞の面では、当然ながら本作は通常のオリジナル・アルバムほど個人的な内省や失恋物語を中心にしているわけではない。しかし、Pat DiNizioの声が入ることで、明るいクリスマス・ソングにも少し大人びた陰影が加わる。彼の声は、甘く軽やかなクリスマス・ポップよりも、冬の夜、少し寂しい街角、古いラジオから流れてくるロックンロールに似合う。だからこそ本作は、単に陽気な季節アルバムではなく、ノスタルジックで少し渋い魅力を持っている。
The Smithereensは、過去のロック史を研究し、愛し、それを自分たちの音として鳴らすことに長けたバンドだった。彼らはThe Beatlesのトリビュート作品『Meet The Smithereens!』や、The Whoへの敬意を示すような録音でも知られるが、『Christmas with The Smithereens』もその延長線上にある。1950年代から60年代のロックンロール、ブリティッシュ・インヴェイジョン、アメリカン・ポップ、季節音楽の伝統を、21世紀のパワー・ポップ・バンドとして再演している。
本作は、The Smithereensの代表作として最初に挙げられるアルバムではない。彼らの本質を知るなら、『Especially for You』や『Green Thoughts』、『11』の方が適している。しかし、バンドのルーツ音楽への愛情、ロックンロールを楽しむ姿勢、そしてクリスマス音楽を自分たちらしいギター・ポップに変える職人性を味わうには非常に魅力的な作品である。季節盤でありながら、The Smithereensらしさがしっかり刻まれたアルバムである。
全曲レビュー
1. Waking Up on Christmas Morning
「Waking Up on Christmas Morning」は、アルバム冒頭にふさわしい、クリスマスの朝の高揚感を描いた楽曲である。タイトルが示す通り、子どもの頃に感じたクリスマスの朝の期待、眠りから覚めた時の特別な空気、家の中に漂う祝祭感が中心にある。しかしThe Smithereensが演奏すると、その感情は過度に甘いものではなく、ロックンロールのリズムを持つ。
サウンドは明るく、ギター・ポップとして非常に聴きやすい。バンドはクリスマスらしいムードを出しながらも、演奏の核にはいつものThe Smithereensらしい力強いビートとギターがある。Pat DiNizioの声は、子どもっぽい無邪気さだけではなく、大人が過去のクリスマスを思い出すようなノスタルジーも帯びている。
歌詞では、クリスマスの朝に目覚める瞬間の喜びが描かれる。だが、バンドの音によって、それは単なる家族向けのほのぼのした情景ではなく、ロック・バンドが祝祭を鳴らす瞬間として響く。「Waking Up on Christmas Morning」は、本作がクリスマス・アルバムでありながら、まずThe Smithereensのロック・アルバムであることを示すオープニングである。
2. Santa Bring My Baby Back to Me
「Santa Bring My Baby Back to Me」は、Elvis Presleyのクリスマス・レパートリーとしても知られる楽曲であり、ロックンロールとクリスマス音楽が自然に結びついた代表的な曲である。The Smithereensがこの曲を取り上げることは非常に理にかなっている。彼らの音楽には、Elvis以後のロックンロール、60年代ギター・ポップ、アメリカン・ポップの伝統が深く流れているからである。
サウンドは軽快で、バンドは原曲のロックンロール的な楽しさを保ちながら、自分たちらしい厚みのあるギター・サウンドへ変換している。リズムは跳ね、ヴォーカルは親しみやすい。クリスマスの願いを歌う曲でありながら、内容は「プレゼント」ではなく「恋人を返してほしい」という失恋の歌でもある。
歌詞では、サンタクロースに対して、物ではなく愛する人を連れ戻してほしいと願う。これはクリスマス・ソングの中でも非常にポップ・ソング的な発想である。楽しい祝祭の中に、恋人不在の寂しさがある。「Santa Bring My Baby Back to Me」は、The Smithereensの失恋感覚とも自然に重なるクリスマス・ロックンロールである。
3. Merry Christmas, Baby
「Merry Christmas, Baby」は、ブルース/R&Bの伝統に根差したクリスマス・スタンダードであり、多くのアーティストに歌われてきた楽曲である。The Smithereensのヴァージョンでは、ブルースの粘りを残しながら、彼ららしいロック・バンドとしての締まりが加わる。
サウンドは比較的ゆったりとしており、クリスマスの夜の大人びたムードを持つ。甘いファミリー向けクリスマスではなく、酒場や深夜のラジオに合うような雰囲気がある。Pat DiNizioの低い声は、この曲の少しブルージーな空気によく合っている。
歌詞では、クリスマスに恋人と過ごす幸福が歌われるが、そこにはR&Bらしい身体的な温度もある。聖なる祝祭というより、大人のロマンティックな夜としてのクリスマスである。「Merry Christmas, Baby」は、本作の中でブルース/R&B的な伝統を担う重要な楽曲である。
4. Rockin’ Around the Christmas Tree
「Rockin’ Around the Christmas Tree」は、Brenda Leeの名唱で知られるクリスマス・ロックンロールの定番である。1950年代末から60年代初頭のポップ・ロック的な祝祭感を持つこの曲は、The Smithereensのような60年代ポップ愛の強いバンドに非常によく合う。
The Smithereensの演奏では、原曲の軽快な楽しさを保ちながら、ギター・バンドとしての厚みが加わっている。リズムは弾み、ギターはクリスマス・パーティーの華やかさをロック的に支える。バンドはこの曲を過度に現代化するのではなく、古典的な楽しさを尊重している。
歌詞では、クリスマス・ツリーの周りで踊り、音楽を楽しむ情景が描かれる。これはクリスマス音楽の中でも、特に世俗的でポップな祝祭を表す曲である。「Rockin’ Around the Christmas Tree」は、The Smithereensがクリスマスをロックンロールの身体性として捉えていることを示す楽曲である。
5. Christmas
「Christmas」は、The Whoのロック・オペラ『Tommy』に収録された楽曲として知られる。The SmithereensがThe Whoから強い影響を受けていることを考えると、この選曲は非常に重要である。単なるクリスマス・スタンダードではなく、ロック史の中のクリスマス曲を取り上げることで、バンドのルーツへの敬意が明確になる。
サウンドは、The Who的な力強さを意識しつつ、The Smithereensらしいコンパクトなギター・ロックとしてまとめられている。原曲のドラマティックな文脈をそのまま再現するのではなく、楽曲としての力を抽出している。ギターのコード感、ドラムの推進力、ヴォーカルの勢いが、この曲を本作の中でもロック色の強い一曲にしている。
歌詞は、『Tommy』の物語的文脈では宗教、救済、子どもの精神世界と関わるが、本作ではクリスマスという言葉が持つ儀式性とロックのエネルギーが前面に出る。「Christmas」は、The Smithereensがクリスマス・アルバムを単なる季節企画ではなく、ロック史へのトリビュートとしても構成していることを示す楽曲である。
6. ’Twas the Night Before Christmas
「’Twas the Night Before Christmas」は、古典的なクリスマス詩「A Visit from St. Nicholas」をもとにした楽曲であり、アメリカにおけるサンタクロース像やクリスマスの家庭的イメージに深く結びついている。The Smithereensがこの題材を扱うことで、ロック・アルバムの中に伝統的なクリスマス物語の要素が加わる。
サウンドは物語性を重視しており、演奏には少し演劇的な雰囲気がある。The Smithereensは、子ども向けに過度に可愛らしくするのではなく、古いクリスマス・レコードのような味わいをロック・バンドの感覚で再構成している。Pat DiNizioの声は、語り手としての温かさと少しの渋さを持つ。
歌詞では、クリスマス・イヴの夜、家の中の静けさ、サンタクロースの到来が描かれる。これはクリスマス文化の中心的な物語であり、本作に伝統的な季節感を与えている。「’Twas the Night Before Christmas」は、The Smithereensのロックンロール的な面だけでなく、クラシックなクリスマスの物語性も示す楽曲である。
7. Run Rudolph Run
「Run Rudolph Run」は、Chuck Berryのクリスマス・ロックンロールとして有名な楽曲であり、ロック・バンドがクリスマス作品を作る際には非常に相性のよい定番である。The Smithereensにとって、Chuck Berry的なギター・ロックの語彙は重要なルーツであり、この曲の選曲は自然である。
演奏は非常にストレートで、ロックンロールの基本的な楽しさを前面に出している。ギターは小気味よく、リズムは推進力があり、曲全体が勢いよく走る。ルドルフが走るという歌詞の内容と、ロックンロールの疾走感がぴったり重なる。
歌詞では、サンタのそりを引くルドルフが急いで走る様子が描かれる。内容は楽しく単純だが、Chuck Berry型のロックンロールに乗ることで、クリスマスの物語がドライブ感のある音楽へ変わる。「Run Rudolph Run」は、本作の中で最も純粋なロックンロールの快感を持つ楽曲のひとつである。
8. Merry Christmas Baby
一部の表記や曲順では「Merry Christmas Baby」が再び重要な位置を占めるが、本作におけるこのタイプのR&Bクリスマス曲は、The Smithereensの音楽的な幅を示している。彼らはパワー・ポップのバンドとして語られることが多いが、その基盤にはロックンロール、R&B、ブリティッシュ・インヴェイジョン以前のアメリカン・ポップがある。
クリスマス・アルバムでは、こうした古いR&B曲をどう解釈するかが、バンドの趣味をよく表す。The Smithereensは、原曲のブルージーな余裕を完全には失わず、しかし自分たちらしいギター・ロックの骨格で演奏している。その結果、懐古的でありながら古臭くなりすぎないバランスが生まれている。
9. Auld Lang Syne
「Auld Lang Syne」は、日本では「蛍の光」として広く知られる旋律であり、英語圏では年末や別れ、旧友への思いを象徴する曲である。クリスマス・アルバムに収録されることで、クリスマスだけでなく年末全体の感情、過ぎ去る一年への回想が加わる。
The Smithereensの演奏では、この曲が過度に荘厳になりすぎず、バンドらしい素朴な温かさを持って響く。Pat DiNizioの声が入ることで、友人や過去への思いが少し大人びたノスタルジーとして表れる。単なる祝祭ではなく、別れと記憶の曲として機能している。
歌詞では、旧友や過去の日々を忘れないという感情が中心になる。The Smithereensの音楽はもともと、過去のロックへの愛と個人的な喪失感を持つため、この曲との相性は良い。「Auld Lang Syne」は、本作の終盤に年末の静かな余韻を与える楽曲である。
10. Christmas Time All Over the World
「Christmas Time All Over the World」は、世界中にクリスマスの時間が訪れるという広がりを持つ楽曲である。クリスマスは家庭的で個人的な祝祭であると同時に、世界中で共有される季節的な記号でもある。この曲は、その普遍的な祝祭感を扱っている。
サウンドは明るく、ポップな広がりがある。The Smithereensの演奏は、過度に壮大な世界平和ソングにはせず、あくまでギター・ポップとして軽快にまとめている。コーラスやメロディには、クリスマス・ソングらしい親しみやすさがある。
歌詞では、世界中の人々がクリスマスを迎えるという情景が描かれる。地域や文化の違いを超えて、同じ季節感を共有するという発想は、クリスマス音楽の典型的なテーマである。「Christmas Time All Over the World」は、本作に明るく開かれた祝祭感を与える楽曲である。
11. Christmas Is the Time to Say I Love You
「Christmas Is the Time to Say I Love You」は、Billy Squierのクリスマス・ロックとして知られる楽曲であり、1980年代以降のロック・クリスマス曲の中でも親しみやすい存在である。The Smithereensがこの曲を取り上げることで、古典的な50年代/60年代のクリスマス曲だけでなく、より近い時代のロック・クリスマスも視野に入れていることが分かる。
サウンドは明るく、ギター・ポップ的な魅力が強い。タイトル通り、クリスマスを愛を伝える機会として捉える楽曲であり、本作の中でも特にストレートなメッセージを持つ。The Smithereensの演奏は、曲のシンプルな幸福感を素直に鳴らしている。
歌詞では、クリスマスは愛を伝える時であるという明快なテーマが歌われる。これはクリスマス音楽の王道であり、The Smithereensの少し影のある通常作品とはやや異なる明るさを持つ。「Christmas Is the Time to Say I Love You」は、本作の中で最も直接的に祝祭と愛を結びつける楽曲である。
総評
『Christmas with The Smithereens』は、The Smithereensの本流アルバムとは少し異なる季節作品でありながら、バンドの音楽的な核がよく表れた一枚である。彼らはクリスマス・ソングを豪華な装飾や甘いムードで包むのではなく、自分たちのロック・バンドとしての語法で鳴らしている。ギター、リズム、コーラス、Pat DiNizioの声。そのすべてが、クリスマス音楽をThe Smithereensらしいパワー・ポップ/ロックンロールへ変えている。
本作の魅力は、選曲の幅にある。Elvis Presley、Chuck Berry、Brenda Lee、The Who、Billy Squier、伝統的なクリスマス詩や年末のスタンダードなど、ロック史と季節音楽のさまざまな層が並んでいる。The Smithereensは、それらを単にカヴァーするだけでなく、自分たちのルーツ音楽への愛を通して再構成している。そのため、本作はクリスマス・アルバムであると同時に、ロックンロール史への小さなトリビュートでもある。
Pat DiNizioのヴォーカルは、本作に独特の味わいを与えている。クリスマス音楽では、明るく甘い声や清潔なコーラスが好まれることも多い。しかしDiNizioの声は、少し低く、影があり、ブルージーな質感を持つ。そのため、楽しい曲にも大人びたノスタルジーが加わる。特に「Santa Bring My Baby Back to Me」や「Merry Christmas, Baby」では、クリスマスの華やかさの裏にある恋人不在の寂しさが自然に浮かび上がる。
The Smithereensらしいギター・サウンドも重要である。彼らはクリスマスだからといって、バンドの骨格を崩さない。Jim Babjakのギターは力強く、しかしメロディを邪魔しない。リズム隊はシンプルで堅実に曲を支え、演奏全体にはガレージ・ロック的な生気がある。このバンド感によって、本作は単なる企画盤ではなく、実際に演奏されているロック・アルバムとして聴ける。
クリスマス・アルバムには、時に過剰な甘さや定型的な幸福感がつきまとう。しかし『Christmas with The Smithereens』は、その甘さを適度に抑えている。もちろん祝祭感はあるが、The Smithereensの持つ少し影のあるロック感覚によって、アルバム全体は過度にべたつかない。クリスマスの楽しさ、ノスタルジー、恋人を思う切なさ、年末の回想が、ギター・ポップの形で自然に並んでいる。
一方で、本作はあくまでクリスマス作品であり、通常のオリジナル・アルバムのような深いコンセプトや個人的な作家性を求めるものではない。The Smithereensの歌詞世界やオリジナル曲の魅力を知るには、やはり『Especially for You』や『Green Thoughts』の方が重要である。しかし、本作には彼らの音楽的趣味、ロックンロールへの敬意、演奏の楽しさが凝縮されている。バンドの人柄と音楽愛がよく伝わる作品である。
日本のリスナーにとって本作は、クリスマス・アルバムとしてだけでなく、パワー・ポップや60年代ロックに根差した季節ロック作品として楽しめる。The Beatles、The Who、The Kinks、Cheap Trick、Marshall Crenshaw、Nick Lowe、NRBQ、Big Star、The Raspberries、Elvis Presleyのクリスマス録音、Chuck Berryのロックンロールなどを好むリスナーには、非常に親しみやすい作品である。
『Christmas with The Smithereens』は、冬の季節感を持ちながら、過度に甘くならず、ロックンロールの楽しさを失わないクリスマス・アルバムである。クリスマスの朝、恋人を待つ夜、ツリーの周りで踊る時間、ルドルフの疾走、旧友を思う年末。そのすべてが、The Smithereensらしいギターと声で鳴っている。季節盤でありながら、バンドのルーツと個性がしっかり刻まれた、温かくも骨太な一枚である。
おすすめアルバム
1. Especially for You by The Smithereens
1986年発表のデビュー・アルバム。「Blood and Roses」「Behind the Wall of Sleep」などを収録し、The Smithereensのパワー・ポップ、ガレージ・ロック、60年代ロックへの敬意が最も鮮明に表れた代表作である。『Christmas with The Smithereens』のバンド・サウンドの原点を知るために重要である。
2. Green Thoughts by The Smithereens
1988年発表のセカンド・アルバム。前作のギター・ロック感覚を保ちながら、よりメロディアスで洗練された楽曲が並ぶ。The Smithereensのポップな側面を理解するうえで重要であり、クリスマス作品におけるメロディの良さともつながる。
3. 11 by The Smithereens
1989年発表のアルバム。「A Girl Like You」を収録し、バンドの商業的成功を広げた作品である。より太いギター・サウンドとキャッチーなメロディが特徴で、The Smithereensのロック・バンドとしての力強さを味わえる。
4. A Christmas Gift for You from Phil Spector by Various Artists
1963年発表のクリスマス・ポップ名盤。The Ronettes、Darlene Love、The Crystalsらによるウォール・オブ・サウンドのクリスマス曲集であり、ロック/ポップ系クリスマス・アルバムの古典である。The Smithereensが愛した60年代ポップの季節音楽的背景を理解するうえで重要である。
5. Christmas Christmas by Cheap Trick
Cheap Trickによるクリスマス・アルバム。パワー・ポップ/ハード・ロックのバンドが季節音楽を自分たちのスタイルで演奏するという点で、『Christmas with The Smithereens』と近い発想を持つ。甘すぎないロック系クリスマス作品として比較しやすい一枚である。

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