発売日: 2012年4月25日
ジャンル: ハードロック / ブルースロック
Bag of Bonesは、ヨーロッパがキャリアの成熟期にリリースした9作目のスタジオアルバムである。このアルバムでは、クラシックなハードロックにブルースの要素を取り入れたサウンドが特徴で、バンドの新たな進化を示している。プロデュースを手掛けたのはケヴィン・シャーリー（エアロスミス、ブラック・クロウズなどで知られる）で、彼のプロデュースによって生々しくエネルギッシュなサウンドが実現されている。
アルバム全体を通じて、ジョン・ノーラムのギターが圧倒的な存在感を放ち、ジョーイ・テンペストのボーカルが深みと感情を持って曲に命を吹き込んでいる。また、バンドは1980年代のグラムメタル的な要素を排し、70年代のハードロックやブルースロックにルーツを戻したような音楽性を披露している。
各曲解説
1 Riches to Rags
力強いギターリフとエネルギッシュなドラムが特徴の楽曲で、アルバムの幕開けにふさわしい一曲。歌詞は物質的な豊かさと真の価値を対比しており、ジョーイ・テンペストのボーカルがそのメッセージをしっかりと伝えている。
2 Not Supposed to Sing the Blues
ブルースロックへのオマージュとも言える一曲。ミッドテンポのリズムとソウルフルなメロディが印象的で、バンドの新しい方向性を象徴する楽曲だ。ノーラムのギターソロは、楽曲全体を一段と引き立てる。
3 Firebox
重厚でスモーキーな雰囲気を持つ楽曲。ダークなトーンの歌詞と、力強いギターワークが融合しており、アルバムの中でも特に骨太な仕上がりとなっている。サビのメロディは耳に残り、リスナーを引き込む。
4 Bag of Bones
アルバムのタイトル曲で、ブルースの要素が濃厚に感じられる一曲。アコースティックギターとエレキギターが巧みに交錯し、テンペストのボーカルが楽曲に深みを与えている。ジョー・ボナマッサがゲストギターで参加しており、そのプレイが曲に特別な輝きを添えている。
5 Requiem
短いインストゥルメンタル曲で、アルバムの中間に配置されたブリッジ的な役割を果たしている。ピアノを主体とした旋律が美しく、深い余韻を残す。
6 My Woman My Friend
情熱的で力強いバラード。歌詞は愛と絆をテーマにしており、ジョーイ・テンペストの感情的なボーカルが印象的だ。ノーラムのギターソロは、叙情的で楽曲の感動をさらに引き立てている。
7 Demon Head
ブルージーで荒々しいギターリフが特徴の楽曲。70年代のロックへの敬意が感じられるサウンドで、バンドのダイナミズムが炸裂している。サビのキャッチーなメロディが印象に残る。
8 Drink and a Smile
アコースティックギターが主体の楽曲で、アルバムの中で特にリラックスした雰囲気を持つ一曲。歌詞は人生を楽しむことへの賛歌で、カジュアルで親しみやすいムードが漂う。
9 Doghouse
スリリングな展開が特徴の楽曲で、攻撃的なギターリフとテンポの変化がリスナーを飽きさせない。ノーラムのギターが特に印象的で、ブルースの要素を取り入れつつもハードロックらしさを失わない一曲だ。
10 Mercy You Mercy Me
スケール感のあるサウンドが特徴的で、ジョーイ・テンペストのボーカルが力強いメッセージを伝える楽曲。ギターとリズムセクションが楽曲を支え、壮大な雰囲気を作り出している。
11 Bring It All Home
アルバムのラストを飾る感動的なバラード。歌詞は帰郷と内省をテーマにしており、ジョーイの歌声がリスナーの心に深く響く。アコースティックギターとボーカルが楽曲の中心となり、アルバムを穏やかに締めくくる。
アルバム総評
Bag of Bonesは、ヨーロッパが自身の音楽的ルーツを見つめ直し、クラシックなロックサウンドに新たな命を吹き込んだ作品だ。ブルースロックの要素を取り入れた重厚でリアルなサウンドが特徴で、バンドの成熟した演奏力と楽曲作りの深さを感じさせる。ジョン・ノーラムのギターはアルバム全体を通じて圧倒的な存在感を放ち、ジョーイ・テンペストのボーカルは感情豊かで表現力に溢れている。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Black Country Communion by Black Country Communion
同じくブルースロックとハードロックを融合させたアルバムで、ケヴィン・シャーリーのプロデュースによるサウンドが共通している。
Dirt by Alice in Chains
ブルージーでダークな要素を取り入れたグランジの名盤。本作の持つ重厚感と共通する部分がある。
L.A. Woman by The Doors
ブルースの影響を受けたクラシックロックの名作で、レイドバックした雰囲気が本作と重なる。
Ballbreaker by AC/DC
ブルージーで生々しいロックサウンドが楽しめるアルバムで、エネルギッシュなギタープレイが魅力的。
Led Zeppelin IV by Led Zeppelin
クラシックロックの象徴的なアルバムで、ブルースロックの要素とダイナミズムが本作と通じる。
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