発売日: 2020年11月27日
ジャンル: ロック、ポップ・ロック、ニューウェーブ
Plastic Heartsは、マイリー・サイラスが80年代のロックやニューウェーブに影響を受けたサウンドで、彼女のアーティストとしての新たな一面を見せたアルバムである。ディスコ調やエレクトロ・ポップが流行する現代のポップシーンにあって、マイリーはこの作品で敢えてロック・テイストを押し出し、彼女のパワフルなボーカルが主役となるダイナミックな楽曲を展開している。プロデューサーにはアンドリュー・ワットやマーク・ロンソンといった名プロデューサーが参加し、エッジの効いたロックサウンドとモダンなアレンジが絶妙に融合している。
アルバムには、ビリー・アイドルやジョーン・ジェットといったロック界のレジェンドがフィーチャリングされ、彼女の音楽的影響と共にそのルーツが色濃く反映されている。また、シングル「Midnight Sky」はアルバムを象徴する楽曲であり、彼女の自由と自己肯定をテーマにしたリリックが印象的である。Plastic Heartsは、マイリーの進化と変わらぬカリスマ性を示すアルバムであり、ロックへのオマージュと現代的なエッセンスが見事に調和した一枚だ。
トラックごとの解説
1. WTF Do I Know
アルバムのオープニングを飾る激しいロックナンバーで、自由奔放な生き方と自己表現への決意が感じられる。力強いギターリフとマイリーのエネルギッシュなボーカルがアルバムの幕開けを飾るにふさわしい。
2. Plastic Hearts
タイトル曲で、80年代の影響が感じられるエレクトロ・ロック調のナンバー。愛と偽り、自己成長のテーマが歌われ、彼女の歌詞が鋭く、エモーショナルに響く一曲である。
3. Angels Like You
美しいバラードで、切ない恋の思いが描かれている。マイリーの繊細なボーカルが際立ち、心に深く染み渡るメロディが印象的。アルバム全体における感情的なハイライトの一つ。
4. Prisoner (feat. Dua Lipa)
デュア・リパとのエネルギッシュなコラボレーションで、ダンス・ロック調のビートが特徴。愛と葛藤のテーマが表現され、二人の強烈な個性がぶつかり合うユニークな一曲で、クラブでも盛り上がる一曲に仕上がっている。
5. Gimme What I Want
ダークでエッジの効いたトラックで、欲望と自由をテーマにした挑発的なナンバー。インダストリアルなビートとマイリーのエモーショナルなボーカルが融合し、強烈なインパクトを残す。
6. Night Crawling (feat. Billy Idol)
ビリー・アイドルとのコラボレーションで、ニューウェーブの影響が色濃く感じられるダークなロックナンバー。マイリーとビリーのデュエットが絶妙で、80年代ロックへのオマージュと現代的な感覚が同居している。
7. Midnight Sky
シングルとして発表された大ヒット曲で、自由と自己肯定をテーマにしたアンセム。シンセサイザーとギターが調和するディスコ・ロックのサウンドが心地よく、マイリーの堂々としたボーカルが輝いている。
8. High
メロウでエモーショナルなバラードで、恋愛の痛みを歌った一曲。スローテンポのメロディとマイリーの表現力豊かな歌声が心に響き、アルバムの中でも特に感動的なナンバー。
9. Hate Me
皮肉とユーモアが込められたポップ・ロック曲で、彼女の大胆な一面が表現されている。鋭い歌詞と軽快なビートが合わさり、リスナーに強烈な印象を与える。
10. Bad Karma (feat. Joan Jett)
ジョーン・ジェットとのコラボによるパンク風のトラックで、反抗的な精神が全編にわたって感じられる。シンプルなギターリフとドラムビートが、マイリーとジョーンの個性を引き立てている。
11. Never Be Me
内省的なバラードで、自分の欠点や不安定さを受け入れるメッセージが込められている。マイリーの感情がストレートに表現され、彼女のリアルな一面が垣間見える。
12. Golden G String
アルバムの最後を飾るトラックで、自己反省や自己評価について深く掘り下げた一曲。シンプルなアレンジが歌詞の内容を際立たせ、マイリーの成熟と成長が感じられるエンディングとなっている。
アルバム総評
Plastic Heartsは、マイリー・サイラスがロックのアイデンティティを強調し、自身のアーティストとしての新たなフェーズに挑戦したアルバムである。80年代のニューウェーブやパンク、クラシックロックにオマージュを捧げつつも、現代的なアプローチで新しいサウンドに仕上がっている。「Night Crawling」や「Bad Karma」といったコラボ曲は、彼女がロック界のレジェンドたちから影響を受けつつ、自らの個性を発揮する場となっている。マイリーのボーカルが全編でエネルギッシュに響き、彼女の強さと脆さが巧みに表現されたPlastic Heartsは、マイリー・サイラスの音楽的な幅広さと進化を示す傑作である。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
The Fame Monster by Lady Gaga
80年代のポップとエレクトロニック要素が融合したアルバムで、マイリーのPlastic Heartsと同様にエネルギッシュで独自性が感じられる。
Future Nostalgia by Dua Lipa
ディスコとポップが融合した現代的なアルバムで、マイリーとのコラボ曲を楽しんだリスナーにおすすめ。
ANTI by Rihanna
ポップとR&Bにロックやエレクトロの要素を加えた独特のサウンドが魅力。マイリーの大胆なスタイルを好むファンにはぴったり。
The Pinkprint by Nicki Minaj
個性的で挑発的なサウンドが詰まったアルバムで、マイリーの反骨精神と強烈な個性に共感するリスナーにおすすめ。
Rebel Heart by Madonna
ポップとロックが融合し、個性が爆発する一枚。ロックとエレクトロをミックスした音楽性が、Plastic Heartsのファンに響く。
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