Original Sin by INXS(1983)楽曲解説

※本記事は生成AIを活用して作成されています。

楽曲の概要

「Original Sin」は、オーストラリアのロックバンドINXSが1983年にシングルとして発表し、翌1984年の4作目のアルバム『The Swing』の冒頭に収録した楽曲である。作詞・作曲はMichael HutchenceとAndrew Farriss、プロデュースはChicのNile Rodgersが担当した。さらにHall & OatesのDaryl Hallがバックボーカルで参加している。INXSにとって初のオーストラリア1位を記録したシングルであり、バンドが国内の人気グループから国際的な存在へ進んでいく重要な転換点になった。

音楽的には、それまでのINXSが持っていたニューウェイヴやポストパンクの感覚と、Rodgersが得意とするファンク/ダンス・ミュージックの精密なリズムが結びついている。鋭く刻まれるギター、太いベース、一定の推進力を保つドラム、シンセサイザーを組み合わせながら、ロックバンドの演奏をダンスフロアでも機能するグルーヴへ変換した。この方向性は後の「What You Need」や「Need You Tonight」へつながり、最終的には『Kick』期のINXSを特徴づけるファンクとロックの融合へ発展していく。

歌詞の概要

「Original Sin」というタイトルはキリスト教における「原罪」を連想させるが、歌詞は宗教的な教義そのものを説明しているわけではない。中心にあるのは、人が成長する過程で社会から与えられる価値観と、それによって制限される愛や欲望である。Hutchenceはこの曲について、子どもと社会的な条件づけ、つまり成長するうちに他人の考えを受け入れるのか、それとも自分自身の考えを持つのかという問題に関係するものだと説明している。

特に重要なのが、人種の異なる男女を組み合わせるサビである。人を人種によって分ける社会では、個人的な愛情でさえ周囲から許されるものと許されないものに分類されてしまう。そこで歌詞は、恋愛そのものを細かく描写するのではなく、若者が抱く夢や欲望と、それを押しつぶす既成の価値観を対立させる。目覚めたときには夢が消えているというイメージも、理想が現実社会の偏見によって失われていくことを思わせる。

ただし、この曲を人種間恋愛だけについての歌と限定する必要はない。ギタリストのKirk Pengillyは、曲の大きなテーマを人々が一つになることや、人間の欲望、そして夢が翌朝には失われてしまうこととして説明している。人種はそのテーマを最も具体的に見せる要素の一つであり、タイトルの「Original Sin」は、愛することよりも、愛を禁じたり分類したりする社会の側にこそ根深い問題がある、という逆説的な読み方を可能にしている。

制作背景・時代背景

INXSは1982年の『Shabooh Shoobah』によってオーストラリア国外でも注目を集め始めていたが、「Original Sin」は次の段階へ進むための重要な録音になった。北米ツアー中にINXSのライブを見たNile Rodgersがバンドに接触し、彼らは「Original Sin」のデモをRodgersに渡した。その後、1983年9月にニューヨークのPower Stationで録音が行われた。INXSにとって国外で本格的に録音するのは初めての経験だった。

当初、この曲には「Brand New Day」という仮題が付けられていた。Rodgersが音楽面だけでなく歌詞にも大きく関与したことが完成版を特徴づけている。もともとサビでは白人の少年と白人の少女が組み合わされていたが、異人種の家庭に育ったRodgersが、そこに黒人と白人の組み合わせを持ち込むことを提案した。本人によれば、そのほうが心理的に強いメッセージになると考えたためだった。1984年当時のアメリカではこの変更が十分に挑発的な意味を持ち、一部で論争を招いた。

Rodgersはさらに友人のDaryl Hallをスタジオに呼び、コーラスへ参加させた。Hall自身は後に、INXSには十分に歌えるメンバーがいるのになぜ自分が必要なのか分からなかったと振り返っている。『The Swing』の残りの楽曲は主にNick Launayがプロデュースしているため、「Original Sin」だけがRodgersの直接的なプロデュースを受けた特殊な位置にある。それでも、このセッションで得たファンクやダンス・ミュージックへの感覚はアルバム全体に波及し、INXSのその後の方向性を決める大きなきっかけになった。

歌詞の抜粋と和訳

この曲では具体的な長い歌詞を引用するより、サビに登場する「白人の少年/黒人の少女」、そして後に入れ替わる「黒人の少年/白人の少女」という組み合わせが重要である。特定のカップルの物語ではなく、人種の境界を越えて人が結びつく可能性を並列的に示しているからだ。

さらに「夢を見ること」と「目覚めること」が対になっている。夢の中では人種や社会規範を越えられても、現実へ戻るとその可能性が失われている。この構造によって「Original Sin」は単純な理想主義に終わらず、理想と現実の距離を意識した曲になっている。同時に、何を「罪」と呼ぶのかというタイトルの意味も反転する。社会が禁じようとする愛が罪なのか、それとも人間を分類して愛を妨げる偏見こそが罪なのか、という問いが残る。

サウンドと歌詞の考察

「Original Sin」を特徴づける最大の要素は、ロックバンドの演奏をファンクの考え方で整理したリズムである。ギターは大きなコードを鳴らし続けるのではなく、短く切った音をリズムの隙間へ差し込む。ベースとドラムもそれぞれが好きなだけ音を増やすのではなく、互いの位置を意識しながら一定のパターンを作る。そのため演奏には余白があり、一つ一つの音がはっきり聞こえる。RodgersがChicで磨いてきた、複数の楽器を歯車のように噛み合わせるファンクの方法が、INXSのニューウェイヴ的な鋭さと自然に結びついている。

特にギターの扱いは、後のINXSを考えるうえでも重要である。歪ませたギターで壁を作るのではなく、高音域の硬く乾いた音を刻むことでリズムを作っている。そこへシンセサイザーの色彩が加わり、1980年代前半らしい冷たい質感と、ファンクの身体的なグルーヴが同時に生まれる。オーストラリア国立映像音声アーカイブも『The Swing』40周年の記事で、この曲の鋭いファンク・ギターとギター同士の対位的な動きを特徴として挙げている。アルバム版では5分を超える長さがあるため、後半になるほどこの反復そのものを楽しむダンス・トラックとしての性格が強くなる。

Michael Hutchenceの歌唱は、その規則正しい演奏とは違って滑らかである。リズムを細かく刻む楽器の上を、低く抑えた声から伸びやかな高音まで移動し、言葉を完全に拍へ固定しない。そのため機械的になり得るアレンジに人間的な揺れが生まれる。さらにサビではDaryl Hallのバックボーカルが加わり、一人の語りだったものが複数の声へ広がる。人種や社会的境界を越えることを示唆する歌詞に対して、異なる音楽的背景を持つ歌手の声が重なることも、結果として曲の開放感を強めている。

サビの作り方には、歌詞とサウンドの興味深い逆方向の動きがある。言葉の内容は、夢が現実によって失われるという苦味を含んでいる。しかし音楽は沈まず、むしろコーラスの反復によって大きく開いていく。悲観的な内容を暗いバラードとして処理するのではなく、踊れるビートの上に置くことで、失望と希望を同時に残しているのである。社会的な偏見を扱う歌が説教調にならないのも、この身体的なグルーヴがあるからだ。

また、「Original Sin」では反復が単なるキャッチーさ以上の意味を持っている。人種を示す言葉の組み合わせを入れ替えながら同じサビを繰り返すことで、最初は特定の組み合わせとして聞こえたものが、次第により普遍的な構図へ変わっていく。音楽でも同じリズムが何度も循環し、その上で声やギターの細部が変化する。固定されたカテゴリーを歌詞で並べながら、音楽はそれらを一つのグルーヴの中へ取り込んでいくのである。

この曲がINXSのキャリアで重要なのは、ファンクを装飾として借りたのではなく、バンドそのものの演奏方法へ取り込んだ点にある。1980年代後半の「Need You Tonight」では、さらに音数を削ったギターとビートだけで強烈なグルーヴを作ることになるが、その発想の重要な前段階が「Original Sin」にある。ニューウェイヴの硬質さ、ロックバンドの勢い、黒人音楽から受け継いだファンクのリズム、Hutchenceの官能的な歌唱を一つのポップソングへまとめることで、INXSは後の世界的成功につながる自分たちの音を具体化し始めた。

この曲が好きな人におすすめの曲 5曲

「I Send a Message」 by INXS

同じ『The Swing』に収録されたシングルで、Nick Launayのプロデュース。ファンク的なリズムとニューウェイヴの鋭い音色を組み合わせながら、「Original Sin」より軽快でカラフルな方向へ展開している。

「What You Need」 by INXS

1985年の『Listen Like Thieves』を代表する曲。「Original Sin」で明確になったファンクとロックの融合をさらに力強くした作品で、リズムの隙間を生かしながら巨大なポップ・フックを作る方法が完成に近づいている。

「Need You Tonight」 by INXS

「Original Sin」のファンク志向を極端なまでに削ぎ落としたような1987年の代表曲。最小限のギター・リフ、ドラム、ベースとHutchenceの声だけで緊張感を作り、バンドのダンス感覚を世界的なポップへ押し広げた。

「Let’s Dance」 by David Bowie

Nile Rodgersがプロデュースした1983年の大ヒット曲で、「Original Sin」直前の彼の仕事を理解するうえで重要である。ロックの歌とギターを、精密で広がりのあるダンス・グルーヴへ変換する発想が共通している。

「Notorious」 by Duran Duran

こちらもNile Rodgersがプロデュースした1986年の曲。ニューウェイヴから出発したロックバンドがファンクのリズムを本格的に取り込み、ギターの音数を抑えることでダンス・ミュージックへ接近する点で比較しやすい。

まとめ

「Original Sin」は、INXSが初期のニューウェイヴ/ポストパンク的なバンドから、ファンクとロックを自在に横断する国際的なポップバンドへ変化する重要な地点にある。Nile Rodgersのプロデュースによってギター、ベース、ドラムの隙間が整理され、鋭いロックの演奏が踊れるグルーヴへ変換された。その上で歌詞は、人種を含む社会的な区分によって人の愛や夢が制限される問題を扱っている。理想が消えていく苦味を歌いながら、音楽そのものは開放的で身体的であるという逆説が曲の強さであり、後の『Kick』で完成するINXS独自のダンス・ロックを先取りした作品でもある。

参照元

  • INXS公式サイト『The Swing』
  • National Film and Sound Archive of Australia「INXS: The Swing 40th Anniversary」
  • Rhino「Single Stories: INXS, “Original Sin”」
  • ABC Double J「Nile Rodgers」
  • Shazam「Original Sin」クレジット情報
  • Classic Pop「INXS – the albums, the singles」

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