アルバムレビュー:Night Sports by 3OH!3

※本記事は生成AIを活用して作成されています。

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発売日: 2016年5月13日
ジャンル: エレクトロポップ、トラップ・ポップ、クラブ・ヒップホップ


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概要

『Night Sports』は、3OH!3が2016年に発表した通算5作目のスタジオ・アルバムであり、前作『Omens』での内省的でダークな方向性から一転、初期のエネルギッシュなパーティー感覚を現代的にアップデートした“復活宣言”とも呼ぶべき作品である。

2008年『Want』、2010年『Streets of Gold』で一世を風靡した彼らは、ポップと下品さ、アイロニーと本気の快楽をないまぜにしたユニットとしてティーン文化の象徴的存在となった。

しかし2013年の『Omens』では、テンションを落とし内向的なテーマにシフト。その“間奏”を経てリリースされた本作では、3OH!3本来の持ち味である“バカ騒ぎ×センスの良い悪ふざけ”が全編にわたり復活している。

クラブミュージックの進化(トラップ、チルウェーブ、フェス系ポップ)を巧みに取り入れつつ、彼ららしい皮肉、エネルギー、そして予測不能な展開が詰まったアルバム。
かつてのファンにとっては懐かしくも新しい、そして新しい世代にも刺さる“ナイト・スポーツ”という名の疾走劇だ。


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全曲レビュー

1. My Dick
インパクト抜群のタイトル通り、冒頭から全力のバカ騒ぎ。
下ネタ全開だが、トラックはハイパー・キャッチーで、ユーモアと音楽性のギリギリの線を突く。
まさに3OH!3らしいオープニング。

2. Hear Me Now
ダークで重たいシンセと、鋭いラップが交差するミドルテンポのトラック。
「お前ら、俺たちを忘れてないか?」というメッセージが込められており、セルフ・リブートの意思表明ともいえる。

3. Mad at You
シングル曲としても注目された、R&B色の強いラブソング。
「君に怒ってるわけじゃないけど、もう限界」というリアルな恋愛感情を、落ち着いたビートで描く。

4. BAZOOKA
トラップとEDMを融合させた、爆発的なダンスチューン。
サビでのドロップが印象的で、ライブで盛り上がること間違いなし。

5. My Girl
チルな雰囲気を持つミッドテンポのポップ。
軽妙なリリックで、恋人の魅力を自慢するというテーマをユーモラスに描く。

6. Freak Your Mind
幻想的なシンセとダウナーなムードが支配するエレクトロR&B。
タイトル通り“相手の心をかき乱す”ような、耽美的な楽曲。

7. FIRE IN THE HOLE
爆発寸前の情熱を描いた、疾走感溢れるパーティー・トラック。
ポップ・パンク的なテンションとデジタル・ビートの融合が新鮮。

8. SAD SONG
タイトルとは裏腹に、明るめのメロディとキャッチーなフックが特徴。
「悲しい曲しか書けない」と嘆きながらも、笑えるほど元気な構成が皮肉をきかせている。

9. Inside Voice
内なる声に耳を傾けるというテーマで、感情をさらけ出したエモーショナルな一曲。
R&Bとトラップの中間をいくアレンジが絶妙。

10. Freak Your Mind (Part 2)
6曲目の続編的な楽曲。さらに幻想性が増し、ボーカルも囁くように展開される。
アルバムの終盤で異色の美しさを見せる。

11. NIGHT SPORTS
タイトル曲であり、アルバムの集約的トラック。
夜の都市、秘密、スピード、誘惑――すべてが詰め込まれた、疾走感あるサウンドと強烈なフック。
“夜の運動会”というテーマがそのままアルバム全体を象徴している。


総評

『Night Sports』は、3OH!3にとって“自己再発明”の試みでありながら、同時に過去の成功体験をどう現在に持ち込むかという問いへの一つの回答でもある。

ここには、2008年頃の3OH!3のような爆発的エネルギーがある。だが、それは単なるノスタルジーではなく、EDM以降のリズム感、トラップ以降のサウンドデザインを取り込んだ、アップデートされた“21世紀型パーティー・ポップ”である。

印象的なのは、単にテンション高くふざけるだけではなく、「Hear Me Now」や「Inside Voice」のように、彼らなりの葛藤や変化もにじませている点。

つまり『Night Sports』とは、ただのバカ騒ぎではなく、“夜の衝動と孤独”を抱えながらも踊り続ける人間の姿を描いた、意外と深いアルバムなのだ。

3OH!3は、決して一発屋ではない。
それを証明するような、鮮やかなカムバックである。


おすすめアルバム(5枚)

  1. The Chainsmokers『Memories…Do Not Open』
    ポップとEDMの融合という点で非常に近い。『Night Sports』の延長線上にある作品。

  2. Blackbear『Digital Druglord』
    トラップとエモの中間を行く現代的なスタイル。3OH!3の内省的な面と親和性が高い。

  3. Breathe Carolina『Savages
    クラブ・ポップの進化系。3OH!3と同じくエモ〜エレクトロをブレンドした音像。

  4. The Ready Set『I Will Be Nothing Without Your Love』
    軽快なポップとEDMの境界線を歩むアルバム。キャッチーさが共通点。

  5. K.Flay『Every Where Is Some Where』
    ジャンルレスなポップ感覚と、内省と攻撃性のバランス。3OH!3の後期作に似た温度感を持つ。

ビジュアルとアートワーク

『Night Sports』のアートワークは、ネオン・グラフィックとスポーツモチーフを掛け合わせたユニークなビジュアルで構成されている。

これは、かつてのティーンポップ的な露悪趣味からの脱却と、より“ビジュアル・コンセプトを伴うアーティスト性”への移行を象徴しているとも取れる。

同時に、夜の都市、運動、遊び、リスク――そういったキーワードが視覚的に示唆されており、音楽とビジュアルが一体化した、フェス時代における新たな3OH!3像の提示でもある。

軽薄に見せて、実はすごく考え抜かれている。
この「バカっぽさの中の戦略性」こそが、3OH!3というユニットの本質なのかもしれない。

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