I Feel It All by Feist(2007)楽曲解説

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1. 歌詞の概要

I Feel It All” は、カナダのシンガーソングライター Feistファイスト が2007年にリリースしたアルバム『The Reminder』に収録された楽曲であり、感情を抑え込まずにすべてを受け入れることの大切さを歌ったアップテンポなナンバー である。

この曲は、恋愛や人生における感情の高まりや、その全てを受け止める覚悟 をテーマにしており、「I feel it all(私はすべてを感じる)」というフレーズが何度も繰り返されることで、心を開いてすべてを受け入れることの美しさ が強調されている。

ポジティブで軽快なギターリフとFeistの特徴的な歌声が絶妙に融合し、楽曲全体にエネルギッシュで解放感のある雰囲気をもたらしている。

2. 歌詞のバックグラウンド

Feistは、カナダのインディーフォーク/オルタナティブシーンで活躍するアーティストであり、ソロ活動に加え、Broken Social Scene のメンバーとしても知られている。『The Reminder』は彼女のキャリアを代表するアルバムの一つであり、「1234」と並び、「I Feel It All」はその中でも特にキャッチーでポジティブな楽曲となっている。

この曲は、人生の喜びや悲しみ、すべての感情を受け止めることの大切さ を表現しており、リスナーに対して**「ありのままの自分を受け入れること」**を促すメッセージが込められている。

また、Feistはこの楽曲について、「この曲は感情をコントロールしようとするのではなく、それを受け入れることの大切さについて歌っている」と語っており、彼女のソングライティングの核心的なテーマが表れている楽曲である。

3. 歌詞の抜粋と和訳

以下に、この曲の印象的な歌詞の一部を抜粋し、日本語訳を添える。

I feel it all, I feel it all
The wings are wide, the wings are wide

私はすべてを感じる、私はすべてを感じる
翼は大きく広がっている、翼は大きく広がっている

Whispered in my ear
The things you wanna feel

耳元で囁かれる
あなたが感じたいものたち

I’ll be the one who’ll break my heart
I’ll be the one to hold the gun

私が自分の心を壊す存在になる
そして、私が銃を握る存在にもなる

この歌詞は、自分の人生の選択や感情の責任を自分で引き受ける覚悟 を示している。「I’ll be the one who’ll break my heart(私が自分の心を壊す存在になる)」というフレーズは、他人に傷つけられるのではなく、自分の意志で人生を生きるというメッセージ としても解釈できる。

※ 歌詞の引用元: Genius

4. 歌詞の考察

「I Feel It All」は、人生の中で避けられない感情の波を、そのまま受け入れることの重要性 を歌っている。多くの人は、悲しみや痛みを避けようとするが、この曲では「それらの感情をすべて感じることこそが、自分を強くし、成長させる」というメッセージが込められている。

また、「The wings are wide(翼は大きく広がっている)」というラインは、自由と解放感を象徴しており、新しい可能性に向かって飛び立つ準備ができている ことを表している。

一方で、「I’ll be the one who’ll break my heart(私が自分の心を壊す存在になる)」というラインには、自己破壊的な要素も感じられる。これは、「どんなに傷ついても、それはすべて自分の選択の結果であり、それを受け入れることが重要である」というメッセージとも解釈できる。

この曲の最大の魅力は、アップビートでエネルギッシュなメロディにのせて、感情の複雑さをシンプルな言葉で表現していること にある。

5. この曲が好きな人におすすめの曲

  • “1234” by Feist
    キャッチーなメロディとポジティブな歌詞が共通する楽曲。

  • My Moon My Man” by Feist
    恋愛の複雑な感情をテーマにした、リズミカルな楽曲。
  • “Young Folks” by Peter Bjorn and John
    明るくリズミカルなビートと、恋愛の駆け引きを描いた楽曲。

  • Dog Days Are Over” by Florence + The Machine
    人生の変化をテーマにしたエネルギッシュなナンバー。

  • You’ve Got the Love” by Florence + The Machine
    愛と感情の力を前向きに表現した楽曲。

6. “I Feel It All” の影響と評価

I Feel It All」は、Feistの代表曲のひとつであり、リリース当時から多くのリスナーに影響を与えた楽曲 である。特に、その前向きなメッセージと、シンプルながらも力強いリリックは、多くの人々に共感を呼んだ。

また、この曲のミュージックビデオでは、Feist夜の森の中で花火を使いながら歌うシンプルな演出 となっており、楽曲の持つエネルギーや解放感を視覚的に表現している。

The Reminder』は、2008年のグラミー賞で「最優秀ポップ・ボーカル・アルバム」にノミネートされ、アルバムの成功とともに、「I Feel It All」も多くの映画やCMで使用されるなど、大きな影響を与えた。


I Feel It All” は、人生の感情をすべて受け入れ、ポジティブに生きることの大切さをシンプルに歌い上げた楽曲 であり、Feistのキャリアを象徴する名曲の一つである。心の解放と自己受容をテーマにしたこの曲は、聴く人に勇気を与え、感情を揺さぶる力を持つ素晴らしい作品である。

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