アルバムレビュー:Damned Damned Damned by The Damned

※本記事は生成AIを活用して作成されています。

発売日:1977年2月18日 / ジャンル:パンク・ロック、ガレージ・ロック、プロト・パンク、パワー・ポップ

概要

The Damnedのデビュー・アルバム『Damned Damned Damned』は、英国パンク史における最重要作のひとつであり、イギリスのパンク・バンドによる最初期のフル・アルバムとして歴史的な意味を持つ作品である。1977年という年は、Sex Pistols、The Clash、Buzzcocks、The Stranglers、Generation Xなどが次々と表舞台に現れ、英国パンクが大衆文化の中で爆発した時期だった。その中でThe Damnedは、政治的な宣言やファッション上の衝撃だけでなく、圧倒的なスピード、荒々しい演奏、ユーモア、ホラー趣味、ロックンロールへの原始的な愛情によって、独自の存在感を示した。

The Damnedは、ヴォーカルのDave Vanian、ギターのBrian James、ベースのCaptain Sensible、ドラムのRat Scabiesを中心に結成された。彼らの音楽は、Sex Pistolsのような社会的挑発や、The Clashのような政治意識よりも、もっと本能的で、騒がしく、破壊的なロックンロールに近い。『Damned Damned Damned』には、60年代ガレージ・ロック、The Stooges、MC5、New York Dolls、The Who、The Kinks、初期ロックンロールの粗野なエネルギーが詰め込まれている。しかし、それらは懐古的に再現されるのではなく、1977年のロンドンの焦燥と速度によって一気に加速されている。

本作の最大の特徴は、スピードと勢いである。収録曲の多くは短く、演奏は前のめりで、音は荒い。ギターは鋭く歪み、ドラムは暴走寸前の勢いで叩かれ、Dave Vanianのヴォーカルは芝居がかった不気味さとパンク的な叫びを行き来する。The Damnedは、技巧的に整ったバンドではない。しかし、そこにこそ本作の魅力がある。彼らの音楽は、完璧な演奏を聴かせるためのものではなく、ロックンロールを爆発させるためのものだからである。

プロデューサーはNick Loweで、彼の仕事も本作の性格を大きく決定づけている。Nick Loweは、パブ・ロック、ニューウェイヴ、パワー・ポップの文脈でも重要な人物であり、過度に音を磨くのではなく、バンドの勢いをそのまま録音することに長けていた。『Damned Damned Damned』のサウンドは生々しく、音の分離や重厚さよりも、瞬間のエネルギーが重視されている。これはパンク・アルバムとして非常に理想的なあり方である。

アルバム・タイトル『Damned Damned Damned』は、バンド名を三度反復するだけの単純なものだが、その単純さがパンク的である。複雑な理念や長い説明ではなく、自分たちの名前を何度も叩きつける。その姿勢は本作全体にも通じる。The Damnedは、理論ではなく音で自分たちを提示する。速く、うるさく、短く、馬鹿馬鹿しく、しかし圧倒的に痛快である。

歌詞の面では、恋愛、退屈、暴力、不安、都市の混乱、死、欲望、ユーモアが混ざっている。The Damnedの歌詞は、The Clashのように社会構造を分析するものではなく、Sex Pistolsのように国家や王室へ直接的な挑発を投げるものでもない。むしろ、もっとB級映画的で、ホラー漫画的で、いたずらっぽい。Dave Vanianの吸血鬼的なヴィジュアルと声の雰囲気もあり、The Damnedはパンクの中にゴシック的な演劇性やダークなユーモアを早い段階で持ち込んだバンドでもある。後に彼らがゴシック・ロックへ接近していくことを考えると、本作にもその萌芽はすでに見える。

キャリア上、『Damned Damned Damned』はThe Damnedの最も原初的な作品である。後の『Machine Gun Etiquette』ではより多彩なパンク/ニューウェイヴ/サイケデリアが展開され、『The Black Album』以降にはゴシック的な美学も強まっていく。しかし本作は、それ以前の衝動をそのまま閉じ込めたアルバムである。バンドがまだ洗練される前、速度と騒音と悪ふざけだけで世界を突破しようとしていた時期の記録である。

英国パンク史において本作が重要なのは、パンクを単なる思想やファッションではなく、アルバムとしての形で最初期に提示した点にある。The Damnedは、英国パンクの中で最初にシングルを出し、最初にアルバムを出し、アメリカ・ツアーを行ったバンドとしても知られる。つまり彼らは、パンクの歴史を語るうえで決して脇役ではない。『Damned Damned Damned』は、その証拠となる作品である。

全曲レビュー

1. Neat Neat Neat

オープニング曲「Neat Neat Neat」は、『Damned Damned Damned』の爆発的な始まりを告げる代表曲である。ベースのリフが不穏に走り出し、そこへギターとドラムが一気に加わる瞬間、本作の方向性は即座に決まる。これは整ったロックではない。荒く、速く、危険で、音そのものが前へ突進してくる。

タイトルの「Neat」は「きちんとした」「素敵な」「鮮やかな」といった意味を持つが、曲の中ではむしろ反復される音の響きそのものが重要である。「Neat Neat Neat」という言葉は、意味よりもリズム、掛け声、呪文のように機能している。The Damnedのパンクにおいて、歌詞は必ずしも説明的である必要はない。声もまた、ギターやドラムと同じ攻撃的な楽器である。

サウンド面では、Rat Scabiesのドラムが非常に重要である。彼の演奏は荒いが、単調ではない。暴走感を保ちながら、曲に独特の跳ね方を与えている。Brian Jamesのギターは、ブルースやガレージ・ロックの伝統を感じさせながらも、余計な装飾を削ぎ落とし、鋭いパンクの刃にしている。

Dave Vanianのヴォーカルは、他のパンク・シンガーとは少し異なる。彼は叫ぶだけではなく、どこか芝居がかった低さや不気味さを持っている。この声が、曲に単なる暴走以上のキャラクターを与えている。「Neat Neat Neat」は、The Damnedがスピードと不気味なユーモアを同時に持つバンドであることを最初に示す完璧な曲である。

2. Fan Club

「Fan Club」は、ロック・スターとファンの関係を皮肉っぽく扱う楽曲である。パンクはしばしばロック・スター神話への反発として語られるが、The Damnedはその反発を説教ではなく、悪ふざけに近い形で提示する。タイトルは「ファン・クラブ」を意味し、ポップ・スターの周囲に作られる崇拝や消費の仕組みを連想させる。

サウンドは、速く、軽快で、非常にキャッチーである。The Damnedの魅力は、荒いだけではなく、メロディのフックも持っている点にある。「Fan Club」にはパワー・ポップ的な明るさもあり、ただの騒音では終わらない。ギターは荒々しいが、曲の構造は意外に明快で、耳に残る。

歌詞では、ファンとの関係や人気への皮肉が感じられる。パンクは反商業的な姿勢を掲げることが多かったが、実際にはメディアやファンの注目を避けることはできない。The Damnedは、その矛盾を深刻に悩むというより、笑い飛ばしているように聞こえる。自分たちがスターになることの馬鹿馬鹿しさを、楽しみながら演じている。

「Fan Club」は、The Damnedのユーモアとポップ感覚を示す曲である。パンクの荒さの中に、軽い皮肉とキャッチーなメロディがあり、彼らが単なる破壊的なバンドではないことを示している。

3. I Fall

「I Fall」は、タイトル通り「落ちる」「倒れる」感覚を持つ楽曲である。The Damnedの曲には、速度とユーモアの裏に、不安定さや破滅のイメージがしばしば現れる。この曲でも、勢いよく走るサウンドの中に、制御不能な落下感がある。

演奏は非常に前のめりで、ドラムとギターが曲を一気に押し進める。パンクの魅力は、しばしば演奏の精密さではなく、崩れそうで崩れないバランスにある。「I Fall」もまさにそのタイプの曲である。バンド全体が走りすぎているように聞こえるが、それが曲の緊張感を作っている。

歌詞では、自己の不安定さ、何かに引きずられて落ちていく感覚が表れる。恋愛、欲望、都市生活、精神的な混乱。どのように読んでも、そこには自分を保てない状態がある。だが、The Damnedはそれを深刻な告白としてではなく、パンクの高速な衝動に変換する。

「I Fall」は、本作の中では比較的短く荒い曲だが、The Damnedの初期衝動をよく示している。転落する感覚を、恐怖ではなくスピードとして鳴らす。そこにパンクらしい快感がある。

4. Born to Kill

「Born to Kill」は、タイトルからして非常に攻撃的で、B級映画や犯罪映画のような雰囲気を持つ楽曲である。「殺すために生まれた」という言葉は、現実の暴力というより、パンク的な過剰なキャラクター演出として機能している。The Damnedのダークなユーモアと演劇性がよく表れている曲である。

サウンドは速く、鋭く、ギターのリフが非常に攻撃的である。Brian Jamesの作るリフは、シンプルだが強い。複雑なコードや技巧的なソロではなく、短いフレーズを激しく繰り返すことで曲を前へ押し出す。これはパンクの基本であり、The Damnedはそれを非常に効果的に使っている。

歌詞では、殺人者的なキャラクターが誇張されている。Dave Vanianの声は、このような不気味なテーマによく合う。彼は単に怒鳴るだけではなく、ホラー映画の登場人物のように歌う。そのため、曲は単なる暴力的なパンクではなく、少し芝居がかった暗さを持つ。

「Born to Kill」は、The Damnedが後にゴシック的なイメージを強めていく前段階としても興味深い。暴力、死、不気味なキャラクターを、短く速いパンク・ソングに詰め込む。その感覚は、後のゴシック・パンク的な美学にもつながっている。

5. Stab Yor Back

「Stab Yor Back」は、タイトルのスペルからして荒っぽく、パンクらしい粗暴さを持つ楽曲である。「背中を刺す」という意味は、裏切り、陰湿な攻撃、対人関係の不信を連想させる。パンクの世界では、友情や連帯だけでなく、裏切りや敵意も重要なテーマになる。この曲は、その暗い側面を短い衝動として表現している。

サウンドは非常に短く、速く、ほとんど一瞬で駆け抜ける。こうした短さは、本作の重要な魅力である。The Damnedは、言いたいことを長く説明しない。短い時間でリフを叩きつけ、叫び、終わる。その潔さがパンクである。

歌詞では、誰かに背中を刺される、あるいは刺すというイメージが提示される。そこには信頼関係の崩壊や、都市的な敵意がある。だが、曲はそれを心理的に掘り下げるのではなく、直接的な攻撃性として処理する。怒りや不信が、分析ではなく速度になる。

「Stab Yor Back」は、本作の中でも特に原始的なパンクの形を示す曲である。短く、雑で、暴力的で、しかし非常に鮮烈である。The Damnedの初期衝動を凝縮した小爆発のような楽曲である。

6. Feel the Pain

「Feel the Pain」は、タイトル通り痛みを感じることをテーマにした楽曲である。パンクにおける痛みは、しばしば社会への怒りや身体的な衝撃として表現されるが、The Damnedの場合、それはホラー的なイメージや悪趣味なユーモアとも結びつく。この曲にも、痛みをただ嘆くのではなく、むしろ楽しんでいるような危うさがある。

サウンドは、他の曲に比べるとやや重く、不穏な雰囲気を持つ。テンポの速さだけで押し切るのではなく、ギターのリフとヴォーカルの表情によって、曲に暗い色が加わっている。Dave Vanianの声は、ここでも不気味な存在感を発揮する。

歌詞では、痛みが直接的な身体感覚として扱われる。これは恋愛の痛みかもしれないし、暴力の痛みかもしれないし、精神的な苦痛かもしれない。The Damnedはそれを一つに限定せず、むしろ痛みという言葉の生々しさをそのまま使う。聴き手は意味を深く解釈する前に、曲の荒い音に打たれる。

「Feel the Pain」は、The Damnedの暗いユーモアとパンクの身体性が交差する曲である。痛みを表現しながら、それを過剰に劇化し、ロックンロールの快感へ変えている。

7. New Rose

「New Rose」は、The Damnedの最重要曲のひとつであり、英国パンク史においても非常に大きな意味を持つ楽曲である。1976年にシングルとして発表され、英国パンクの最初期シングルのひとつとして位置づけられる。アルバムの中でも、この曲は圧倒的にキャッチーで、The Damnedの勢いとポップ感覚が完璧に結びついている。

曲は、Dave Vanianの「Is she really going out with him?」という有名な台詞から始まる。この引用的な導入は、ロックンロールの過去への軽い目配せであると同時に、パンク的な遊び心でもある。その直後にバンドが爆発するように入ることで、曲は一気に走り出す。

サウンドは、速く、明るく、攻撃的でありながら、メロディが非常に強い。Brian Jamesのギター・リフは簡潔で、曲全体を強力に引っ張る。Rat Scabiesのドラムは勢いに満ち、Captain Sensibleのベースも曲を太く支える。演奏は荒いが、曲としての完成度は非常に高い。

歌詞では、新しい恋、新しい刺激、新しい対象への興奮が歌われる。タイトルの「New Rose」は、新しい女性とも、新しい音楽とも、新しい時代とも読める。英国パンクの始まりを告げる曲として、このタイトルは非常に象徴的である。新しい薔薇。それは美しいが、棘もある。The Damnedのパンクそのもののような言葉である。

「New Rose」は、本作の中心曲であり、パンクが単なる破壊ではなく、ポップな興奮でもあったことを示す名曲である。

8. Fish

「Fish」は、タイトルの奇妙さがThe Damnedらしい楽曲である。魚という言葉は、パンク・ソングの題材としては一見すると軽く、滑稽で、ナンセンスに思える。しかしThe Damnedは、そうした馬鹿馬鹿しさを恐れない。むしろ、深刻ぶらないことが彼らの魅力の一つである。

サウンドは、荒々しく、短く、勢いを重視している。曲は大きな構築性よりも、瞬間の勢いで進む。The Damnedの初期作品では、こうしたナンセンスに近い曲も重要である。パンクは怒りだけではなく、馬鹿げた笑い、悪趣味、勢い任せの冗談でもあった。

歌詞の意味は明確に整理されているわけではないが、タイトルのイメージによって、曲にはどこかグロテスクでコミカルな雰囲気がある。魚は水の中の生き物であり、人間とは異なる存在である。その異物感が、The Damnedのひねくれた感覚に合っている。

「Fish」は、代表曲として語られることは少ないが、アルバム全体のバランスにおいて重要である。The Damnedがシリアスな反抗だけでなく、くだらなさや奇妙さを音楽に持ち込んでいたことを示している。

9. See Her Tonite

「See Her Tonite」は、タイトルからもわかるように、今夜彼女に会いたいという欲望を歌うロックンロール的な楽曲である。パンクのスピードを持ちながらも、テーマは非常に古典的なロックンロールに近い。恋人に会う、夜に出かける、衝動に従う。その単純さが曲の魅力である。

サウンドは軽快で、比較的ポップな印象を持つ。The Damnedは、荒々しいパンク・バンドであると同時に、ロックンロールやパワー・ポップのメロディ感覚も持っていた。この曲には、その側面がよく表れている。短く、速く、キャッチーで、非常に聴きやすい。

歌詞では、今夜会いたいという単純な欲望が中心になる。ここには深い心理描写はない。しかし、それで十分である。パンクの魅力のひとつは、複雑な感情を説明する前に、衝動そのものを音にしてしまう点にある。「See Her Tonite」は、その衝動を短く鮮やかに鳴らしている。

この曲は、The Damnedが単に暗く暴力的なバンドではなく、ポップなロックンロール・バンドでもあったことを示す。初期パンクと60年代ガレージ・ロックの接続がよくわかる一曲である。

10. 1 of the 2

「1 of the 2」は、タイトルからして少し不穏な数字の感覚を持つ楽曲である。「二人のうちの一人」あるいは「二つのうちの一つ」という言葉は、選択、分裂、対立、関係の不均衡を連想させる。The Damnedの楽曲の中では、やや不安定で、ひねりのある印象を持つ曲である。

サウンドは、速さを保ちながらも、ギターのリフや曲の展開に少し奇妙な緊張がある。The Damnedは、単純な3コード・パンクだけを演奏していたわけではなく、ガレージ・ロックやサイケデリックな感覚、ホラー趣味を取り入れる素地を持っていた。この曲にも、その後の展開につながるようなひねくれた雰囲気がある。

歌詞では、誰かとの関係、選ばれること、排除されること、あるいは二項対立の中に置かれる感覚が漂う。詳細な物語としては語られないが、タイトルの不穏さが曲全体に影を落としている。The Damnedは、このような意味の曖昧さを、勢いのあるサウンドの中に紛れ込ませることができる。

「1 of the 2」は、アルバム後半において、単なるスピードだけではないThe Damnedの個性を示す曲である。短く荒いが、どこか奇妙な余韻を残す。

11. So Messed Up

「So Messed Up」は、タイトル通り、めちゃくちゃになった状態、混乱、酔い、精神的な不安定さを歌う楽曲である。パンクにおいて「messed up」という感覚は非常に重要である。社会が壊れている、自分も壊れている、周囲も壊れている。だが、それを嘆くだけでなく、その混乱の中で音を鳴らすことがパンクの力である。

サウンドは、荒く、速く、ほとんど崩壊寸前の勢いを持つ。曲そのものが「messed up」な状態を体現している。演奏は整いすぎておらず、むしろその雑さがタイトルと合っている。The Damnedは、混乱をきれいに整理せず、そのまま突き出す。

歌詞では、自己の混乱や周囲の混乱が直接的に示される。ここには複雑な説明はない。ただ、めちゃくちゃであるという感覚だけがある。その単純さが、逆にパンクとして強い。何が原因か、どう解決するかではなく、今この瞬間に壊れていることを音にする。

「So Messed Up」は、本作の後半でアルバムの荒々しさをさらに強める曲である。The Damnedの音楽が、秩序よりも混乱の快感を重視していることをよく示している。

12. I Feel Alright

ラストを飾る「I Feel Alright」は、The Stoogesの「1970」を下敷きにしたカバー的な楽曲であり、アルバムの締めくくりとして非常に象徴的である。The Stoogesは、パンク以前にパンク的な暴力性、反復、原始的なロックンロールの衝動を提示した重要バンドであり、The Damnedにとっても大きな影響源である。この曲を最後に置くことで、The Damnedは自分たちのルーツを明確に示している。

サウンドは、アルバムの最後にふさわしく、荒々しく、勢いに満ちている。The Stoogesの原始的な反復感を、The Damned流の高速パンクとして再解釈している。ここには、ロックンロールが持つ根源的な快感がある。難しい理屈ではなく、ギター、ドラム、声が一体となって暴れるだけで成立する音楽である。

タイトルの「I Feel Alright」は、「気分は大丈夫」という意味だが、曲の荒々しさを考えると、その言葉は普通の安心とは違う。むしろ、めちゃくちゃな状態の中で、それでも気分がいいという感覚である。パンクの快楽はここにある。壊れているからこそ気持ちいい。秩序から外れているからこそ生きている感覚がある。

「I Feel Alright」は、アルバム全体をロックンロールの原点へ結びつける終曲である。The Damnedのパンクは、過去のロックを否定するだけではなく、その最も粗野な部分を継承し、さらに加速させたものだった。この曲は、その事実を明確に示している。

総評

『Damned Damned Damned』は、英国パンクの原初的な爆発を記録した歴史的アルバムである。完成度の高いコンセプト・アルバムではない。緻密な政治的声明でもない。だが、そこには1977年のパンクが持っていた速度、荒さ、笑い、混乱、反抗、ロックンロールの快楽が、ほとんどそのまま保存されている。The Damnedはこの作品で、パンクとは何かを難しく説明するのではなく、音で叩きつけた。

本作の最大の魅力は、圧倒的な勢いである。曲は短く、演奏は荒く、音は生々しい。「Neat Neat Neat」「New Rose」「Born to Kill」「So Messed Up」などは、今聴いても非常に直接的な衝撃を持つ。パンクの本質が、過剰な技巧ではなく、いかに短時間で聴き手の身体を動かし、神経を刺激するかにあることを、本作は明確に示している。

The Damnedが他の英国パンク・バンドと異なるのは、ユーモアとホラー的な演劇性を持っていた点である。Sex Pistolsは社会的なスキャンダルの象徴であり、The Clashは政治性と音楽的拡張を担った。Buzzcocksは恋愛と神経症をポップなパンクへ変換した。一方、The Damnedは、B級ホラー、悪ふざけ、ガレージ・ロック、ロックンロールの原始的な騒々しさをパンクの中に持ち込んだ。Dave Vanianの吸血鬼的な声とヴィジュアルは、その後のゴシック・ロックへの道を予感させる。

音楽的には、本作は60年代ガレージ・ロックやプロト・パンクの影響が非常に強い。The Stooges、MC5、New York Dolls、The Who、The Kinksなどの荒々しいエネルギーが、1977年のロンドンで高速化されている。つまりThe Damnedのパンクは、過去のロックを完全に切断するものではなく、その原始的な衝動を再発見し、余計な装飾を剥ぎ取ったものだった。終曲「I Feel Alright」がThe Stoogesへの明確な接続を示していることも、この点で重要である。

Nick Loweのプロダクションも、本作の歴史的価値を支えている。音は整いすぎておらず、むしろ録音された瞬間の勢いを優先している。後年のパンク・アルバムには、より重く、より鋭く、より整った音を持つ作品が多く存在する。しかし『Damned Damned Damned』の魅力は、整っていないことにある。演奏が崩れそうで、音が飛び出しそうで、バンドが曲を制御しきれていないように聞こえる。その危うさが、パンクの生々しさである。

歌詞面では、深い物語や政治的分析よりも、瞬間的な衝動が重要である。殺意、痛み、恋愛、混乱、裏切り、名声への皮肉、今夜会いたいという欲望。これらはすべて短い言葉で投げ出される。The Damnedは、感情や状況を説明する前に、音で爆発させる。そこにパンクの即効性がある。

一方で、本作は後のThe Damnedの多様性と比べると、かなり単純で荒い。『Machine Gun Etiquette』のような音楽的広がりや、『The Black Album』以降のゴシック的な深みはまだない。だが、それは欠点ではなく、本作の性格である。『Damned Damned Damned』は、洗練される前のThe Damned、パンクがまだ完全に形式化される前のThe Damnedを記録している。その初期衝動こそが、このアルバムの価値である。

日本のリスナーにとって本作は、英国パンクを理解するうえで避けて通れない一枚である。Sex Pistolsの『Never Mind the Bollocks』がパンクの社会的衝撃を象徴し、The Clashのデビュー作が政治性とストリート感覚を示すなら、『Damned Damned Damned』はパンクのロックンロールとしての快楽を最も直接的に示す。速く、うるさく、馬鹿馬鹿しく、しかし圧倒的に楽しい。そこにThe Damnedの強さがある。

『Damned Damned Damned』は、パンクがまだ危険で、未整理で、笑えるほど単純で、だからこそ強烈だった時代の記録である。The Damnedはこの作品で、自分たちが地獄から来た騒々しいロックンロール・バンドであることを宣言した。三度繰り返される「Damned」という言葉の通り、本作は呪われたように速く、荒く、しつこく、今なお鮮烈に鳴り続けている。

おすすめアルバム

1. The Damned – Machine Gun Etiquette

The Damnedの音楽的成長を示す重要作。初期パンクの勢いを保ちながら、サイケデリア、メロディ、ニューウェイヴ的な多様性が加わっている。『Damned Damned Damned』の荒々しさから、より完成度の高いバンドへ進化した姿を確認できる。

2. Sex Pistols – Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols

英国パンクの象徴的アルバム。The Damnedよりも社会的挑発とスキャンダル性が強く、Johnny RottenのヴォーカルとSteve Jonesのギターが強烈な存在感を放つ。1977年の英国パンクを理解するうえで、『Damned Damned Damned』と並んで重要な作品である。

3. The Clash – The Clash

The Clashのデビュー作。荒々しいパンクの勢いに加え、政治的な歌詞、レゲエへの関心、労働者階級的な視点が強く表れている。The Damnedの悪ふざけ的なパンクとは異なる、社会意識の強い英国パンクを知るために重要である。

4. The Stooges – Fun House

The Damnedの原始的なロックンロール衝動の背景を理解するうえで欠かせないプロト・パンクの名盤。反復するリフ、暴力的なサックス、Iggy Popの狂気的なヴォーカルが、後のパンクに大きな影響を与えた。『Damned Damned Damned』の終曲「I Feel Alright」の源流もここにある。

5. Buzzcocks – Another Music in a Different Kitchen

The Damnedと同時代の英国パンクでありながら、よりメロディアスで神経質なポップ・パンクの方向を示した作品。恋愛、不安、短く鋭い曲構成が特徴で、The Damnedの荒々しいロックンロール型パンクとは異なる魅力を持つ。英国パンクの幅を理解するうえで重要である。

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