アルバムレビュー:In the Beginning by The Slits

※本記事は生成AIを活用して作成されています。


発売日:1997年

ジャンル:パンク / ポストパンク / レゲエ・パンク / ダブ / ニュー・ウェイヴ / ライヴ・アーカイヴ / コンピレーション

概要

In the Beginningは、The Slitsの初期ライヴ音源や未発表/発掘音源を中心にまとめたアーカイヴ的作品である。通常のスタジオ・アルバムではなく、1970年代後半から1980年代初頭にかけてのThe Slitsの変化を記録したライヴ/編集盤として位置づけられる。The Slitsは、Ari Up、Viv Albertine、Tessa Pollitt、Palmolive、のちにBudgieなどを中心に活動した英国の女性パンク/ポストパンク・バンドであり、1970年代後半のロンドン・パンク・シーンにおいて最も革新的な存在の一つだった。

The Slitsは、Sex PistolsやThe Clashと同時代に登場したが、単にパンクの女性版と呼べるバンドではなかった。彼女たちはパンクの破壊性を出発点にしながら、レゲエ、ダブ、ファンク、アフリカ的リズム、フリーキーなヴォーカル、即興的な演奏、反商業的な態度を組み合わせ、ポストパンク以降の音楽に大きな影響を与えた。1979年のデビュー・アルバムCutは、パンクの荒々しさとレゲエ/ダブの空間感覚を融合した重要作であり、女性の身体、欲望、怒り、社会的役割を独自の言葉で表現した名盤として評価されている。

In the Beginningの意義は、完成されたCutのThe Slitsではなく、その前段階にある生々しい姿を聴ける点にある。ここでのThe Slitsは、演奏技術が洗練されているというより、まだ形になりきらない衝動をそのまま音にしている。音程は不安定で、リズムはしばしば荒れ、録音状態も完璧ではない。しかし、その不完全さこそが本作の価値である。The Slitsの音楽が、既存のロック文法を拒否し、自分たちの身体と言葉とリズムから新しい音楽を作ろうとしていたことが、この粗い音源から強く伝わる。

The Slitsの初期において重要なのは、彼女たちが「上手く演奏する」ことよりも、「既存の音楽的・社会的ルールを壊す」ことを優先していた点である。1970年代のロック・シーンは男性中心であり、女性はしばしば歌姫、恋人、観客、装飾的存在として扱われていた。The Slitsはその役割を拒否し、叫び、笑い、挑発し、身体性をむき出しにして、女性がバンドの中心で音を作ることの意味を変えた。

また、The Slitsは白人英国パンクとジャマイカン・レゲエ/ダブの接点にいたバンドでもある。The ClashやPublic Image Ltd.と同様に、彼女たちはレゲエのベース、リズム、空間処理から強い影響を受けた。ただし、The Slitsの場合、その影響は単なる引用ではなく、身体の動き方そのものを変えるものだった。直線的なパンク・ビートから、より跳ね、ずれ、揺れるリズムへ。叫ぶロックから、空間の中で声が飛び回る音楽へ。In the Beginningには、その変化の途中にある原始的なエネルギーが刻まれている。

本作は、The Slitsを初めて聴くための最も整った入口ではない。入門としては、やはりCutやReturn of the Giant Slitsの方が理解しやすい。しかし、The Slitsというバンドがどのようにして既成のパンクを超え、ポストパンクの実験へ進んでいったのかを知るには、In the Beginningは非常に重要である。ここには、完成度よりも発火点がある。音楽がまだ制度化される前の、危険で未整理な瞬間がある。

全曲レビュー

※In the Beginningはアーカイヴ/ライヴ音源集であり、盤や版によって曲順・収録内容に差異が見られる場合がある。以下では、本作に収められるThe Slits初期の代表的レパートリーを軸にレビューする。

1. Vindictive

「Vindictive」は、初期The Slitsの攻撃性を象徴する楽曲である。タイトルは「執念深い」「復讐心に満ちた」という意味を持ち、パンク初期の怒りと対抗意識が強く表れている。スタジオで整えられた音というより、ライヴの現場で観客に向かって投げつけられるような曲であり、Ari Upのヴォーカルは歌というより叫び、嘲笑、挑発に近い。

音楽的には、直線的なパンクの勢いを持ちながら、すでにリズムのずれや声の奇妙な揺れが聴こえる。The Slitsは、初期から単なる3コード・パンクに収まらない違和感を持っていた。演奏は荒いが、その荒さは未熟さだけではない。整ったロックの形式を拒否し、自分たちの身体の動きに合わせて音を鳴らす感覚がある。

歌詞のテーマは、怒り、反発、他者への不信、そして女性が「従順であるべき」という社会的期待への拒絶として読める。The Slitsの怒りは、男性パンクの暴力的な反抗とは違い、日常の中で女性に押しつけられる役割への苛立ちと結びついている。「Vindictive」は、その苛立ちを飾らずに表出した初期の重要曲である。

2. Newtown

「Newtown」は、The Slitsの初期レパートリーの中でも、都市的な閉塞感を強く感じさせる曲である。タイトルの「Newtown」は、新しい街、新興住宅地、都市開発の無機質さを連想させる。パンクがしばしば都市の退屈、失業、疎外を歌ったように、この曲にも若者が置かれた閉じた環境への反発がある。

音楽的には、硬いギターと突き刺すようなヴォーカルが中心で、パンク的な勢いが前面に出る。ただし、The Slitsらしく、演奏は完全に直線的ではない。リズムは時に不安定で、声はメロディよりも感情の動きを優先する。この不安定さが、都市生活の居心地の悪さをそのまま音にしている。

歌詞では、新しい街が必ずしも希望の場所ではなく、むしろ無味乾燥で抑圧的な空間として描かれる。The Slitsにとって、街は自由を与える場所であると同時に、身体を管理し、欲望を抑え込む場所でもある。「Newtown」は、その二面性を初期パンクの鋭さで表現している。

3. Love and Romance

「Love and Romance」は、The Slitsの代表的なテーマである恋愛神話への批判を扱う曲である。タイトルは一見すると一般的なラヴソングのようだが、実際には恋愛やロマンスが女性に押しつける役割を皮肉るような内容になっている。

The Slitsは、恋愛を単純に美しいものとして描かない。恋愛は、しばしば女性を従属的な立場へ押し込める社会的装置でもある。ロマンスという言葉の裏側には、期待、所有、嫉妬、演技、自己犠牲が潜んでいる。この曲では、そうしたロマンスの人工性が暴かれる。

音楽的には、初期パンクらしい荒々しさを持ちながら、後のThe Slitsに通じるひねりもある。Ari Upの声は、可愛らしい恋愛を歌う声ではなく、恋愛という制度をからかうように跳ね回る。声の使い方そのものが、既存の女性ポップ・ヴォーカルへの反抗になっている。

この曲は、The Slitsがフェミニズム的な視点を、理論的なスローガンではなく、パンクの身体性とユーモアによって表現したことを示す重要曲である。

4. Shoplifting

「Shoplifting」は、The Slitsの最も有名な初期曲の一つであり、彼女たちの反社会的ユーモアとパンク的な日常感覚を象徴する楽曲である。万引きという行為を題材にしながら、単なる犯罪賛美ではなく、消費社会、貧しさ、欲望、若者の退屈、女性の逸脱をコミカルに描いている。

音楽的には、荒く、速く、非常に生々しい。リズムは突っ走り、ギターは鋭く、ヴォーカルはほとんど叫びに近い。歌詞のフレーズはキャッチーで、ライヴでのコール&レスポンス的な効果も強い。The Slitsの演奏は整っていないが、その分、曲の中にある衝動が直接伝わる。

歌詞では、ショッピングという日常的な消費行為が、万引きという逸脱行為へ変わる。女性は消費者として振る舞うことを期待されるが、ここではそのルールを逆手に取る。商品を買うのではなく盗る。従順な買い物客ではなく、制度をからかう存在になる。この反転が、曲のパンク的な力である。

「Shoplifting」は、The Slitsが日常の小さな行為から政治性を引き出すことに長けていたことを示している。大きな革命の歌ではなく、店内で起こる小さな逸脱が、社会秩序への挑発になる。

5. Number One Enemy

「Number One Enemy」は、タイトル通り「最大の敵」を主題にした攻撃的な楽曲である。初期The Slitsのライヴにおける緊張感を象徴する曲であり、彼女たちが観客、メディア、男性中心のパンク・シーン、そして社会的規範に対して身構えていたことが伝わる。

音楽的には、鋭いギターと性急なリズムが中心で、ほとんど戦闘的なエネルギーを持つ。Ari Upのヴォーカルは、挑発的で、制御されていないように聞こえるが、その自由さこそが曲の核である。彼女は美しく歌うことを拒否し、声を武器として使っている。

歌詞の「敵」は、特定の一人に限定されない。社会、男たち、メディア、警察、観客、自分たちを消費しようとするすべての視線が敵になりうる。The Slitsは、女性バンドとして常に見られ、評価され、疑われる立場にいた。その緊張が、この曲の攻撃性に反映されている。

「Number One Enemy」は、The Slitsが単なる楽しいパンク・バンドではなく、自分たちを取り巻く敵意と闘う存在だったことを示す。怒りは演出ではなく、彼女たちの状況から生まれた必然である。

6. New Town

「New Town」は、「Newtown」と同じく都市的なテーマを持つ楽曲として捉えられる。表記やヴァージョンの違いによって同系統の曲として扱われる場合もあるが、The Slits初期のライヴ音源では、都市の退屈や無機質さが繰り返し重要な主題になっている。

音楽的には、パンクの荒々しいビートと、Ari Upの奇妙な節回しが印象的である。声はメロディに従うというより、言葉の感触に合わせて跳ねる。これにより、曲は単純なロックンロールではなく、身体の違和感を伴ったポストパンク的な表現へ向かっている。

歌詞では、都市の新しさが希望ではなく、むしろ空虚さとして描かれる。新しい街、新しい建物、新しい消費空間。しかしそこに住む人間の退屈や孤独は変わらない。The Slitsの視点は、きれいに整備された都市空間の裏にある精神的な閉塞を見抜いている。

この曲は、The Slitsが後にレゲエやダブを取り込む以前から、すでにパンクの単純な直線性に違和感を持ち、都市の空間や身体感覚を音楽化しようとしていたことを示す。

7. Difficult Fun

「Difficult Fun」は、タイトルそのものがThe Slitsの音楽をよく表している。「難しい楽しさ」または「厄介な楽しさ」という言葉は、彼女たちの音楽の核心に近い。The Slitsの曲は、聴きやすいポップでも、単純に攻撃的なパンクでもない。楽しいが、落ち着かない。踊れるが、どこか歪んでいる。その感覚がこのタイトルに凝縮されている。

音楽的には、リズムの不安定さや声の自由な動きが目立つ。The Slitsは、演奏の正確さよりも、音が身体にどう作用するかを重視している。パンクの速度だけではなく、リズムのずれや間が、曲に独特の遊びを生んでいる。

歌詞では、楽しさが単純な快楽ではなく、抵抗や不快感を含むものとして描かれる。女性が楽しむこと、身体を自由に使うこと、声を上げることは、社会的にはしばしば「難しい」ものになる。The Slitsは、その難しさを隠さず、むしろ楽しさの一部として音楽に取り込む。

「Difficult Fun」は、The Slitsの美学を理解する上で重要である。彼女たちは、楽しい音楽を作っていた。しかしそれは、既存の楽しさのルールをなぞるものではなく、聴き手にも考えること、身体を別の形で動かすことを求める楽しさだった。

8. Instant Hit

「Instant Hit」は、後のCutにも収録されるThe Slitsの代表曲の一つである。タイトルは「即席のヒット曲」とも読めるが、歌詞ではドラッグ、依存、消費、即効性への皮肉が絡み合う。ポップ・ソングの「ヒット」と、薬物の「効き目」を重ねるようなタイトルの二重性が非常に重要である。

初期ライヴ版では、Cut版に比べて荒々しく、まだ完成形へ向かう途中の感触がある。リズムは硬く、声は鋭く、曲の中にある皮肉がより生々しい。後のスタジオ版ではレゲエ的な揺れやダブ的な空間が洗練されるが、本作で聴けるヴァージョンには、パンクの剥き出しの衝動が残っている。

歌詞では、何かにすぐ効くもの、すぐ気持ちよくなるもの、すぐ消費されるものへの批判がある。The Slitsは、商業的なポップの即効性にも、ドラッグ的な逃避にも距離を取る。だが同時に、その誘惑も理解している。この曖昧さが曲に深みを与える。

「Instant Hit」は、The Slitsがパンクからポストパンクへ移行する過程を示す重要曲である。荒い初期形態と、後のCutにおける完成形を比較することで、彼女たちがリズムと空間をどのように発展させたかがよく分かる。

9. So Tough

「So Tough」もCutで知られる重要曲であり、The Slitsの女性性への皮肉、自己防衛、挑発がよく表れた楽曲である。タイトルの「とてもタフ」という言葉は、強さを示すと同時に、その強さを演じなければならない状況への皮肉にも聞こえる。

音楽的には、初期ライヴ版ではギターが荒く、リズムもより前のめりである。Cut版のようなダブ的な余白はまだ少ないが、その分、曲の攻撃性が強く出ている。Ari Upのヴォーカルは、強がり、からかい、苛立ちを同時に含み、非常に表情豊かである。

歌詞では、「強い女」というイメージが単純に肯定されるわけではない。女性は弱くあることを求められる一方で、傷つかないためには強く振る舞わなければならない。その強さは解放であると同時に、社会の中で生き延びるための仮面でもある。The Slitsは、その複雑さを、ユーモアと鋭さを交えて表現する。

「So Tough」は、The Slitsが女性の自己像をいかにひねって扱ったかを示す。従順でも、単純な強さでもなく、矛盾した身体と感情のまま音楽にする。その姿勢が後の多くの女性アーティストに影響を与えた。

10. FM

「FM」は、メディア、放送、ラジオ、音楽の流通を連想させるタイトルを持つ楽曲である。The Slitsは、商業的な音楽産業やメディアに対して常に距離を置いたバンドだった。彼女たちは注目を集めながらも、その注目のされ方自体を疑っていた。この曲には、音楽が電波に乗って消費されることへの皮肉が感じられる。

音楽的には、初期パンクの直接性を保ちながら、声やリズムの扱いにThe Slitsらしいひねりがある。Ari Upの声は、ラジオ向けの滑らかなポップ・ヴォーカルとは正反対で、むしろ電波を妨害するように響く。整った音ではなく、ノイズのような存在感がある。

歌詞では、メディアの中で音楽や女性像がどのように流通するかが暗示される。FMラジオはポップ・ミュージックを広める装置である一方、音を管理し、消費しやすい形に整える装置でもある。The Slitsは、その整えられた音に対して、自分たちの不安定で荒い音をぶつける。

「FM」は、The Slitsが単に音楽を作るだけでなく、その音楽がどう聴かれ、どう売られ、どう消費されるかにも意識的だったことを示す楽曲である。

総評

In the Beginningは、The Slitsの完成されたスタジオ作品ではなく、彼女たちがまだ荒々しく、未整理で、危険な存在だった時期を記録した重要なアーカイヴ作品である。録音状態や演奏の精度という意味では、整った作品ではない。しかしThe Slitsというバンドの本質を理解するためには、この粗さこそが重要である。ここには、彼女たちが既存の音楽的ルール、女性像、パンクの様式、ロックの男性中心性を壊そうとしていた瞬間がそのまま残されている。

The Slitsは、パンクの歴史の中でしばしば「女性パンク・バンド」として語られる。しかしその表現だけでは、彼女たちの革新性を十分に説明できない。彼女たちは女性だけでパンクを演奏したから重要なのではない。女性が声を上げ、身体を動かし、既存のロックの演奏技術や美声の基準を拒否し、レゲエやダブのリズムを取り込みながら、新しい音楽言語を作ったから重要なのである。

本作で聴けるThe Slitsは、後のCutほど洗練されていない。だが、Cutの斬新さがどこから来たのかは、本作を聴くことでより明確になる。初期のThe Slitsは、まずパンクの騒音と怒りを持っていた。しかし彼女たちは、そこに留まらなかった。リズムをずらし、声を奇妙に使い、恋愛や消費や女性性を笑い飛ばし、レゲエやダブの方向へ開いていく。その過程が、In the Beginningには記録されている。

歌詞の面では、The Slitsは非常に早い段階から、女性の身体と社会的役割を鋭く扱っていた。「Love and Romance」ではロマンスの神話を、「Shoplifting」では消費社会と女性の逸脱を、「So Tough」では強さの演技を、「Number One Enemy」では女性バンドが置かれた敵対的状況を表現している。これらは理論的なフェミニズムの言葉ではなく、日常的で身体的でユーモラスな言葉として現れる。だからこそ強い。

音楽的には、The Slitsの初期は、パンクの単純な疾走感と、後のポストパンク的な実験の中間にある。ギターは荒く、ドラムは直線的で、ベースはまだ後のようなダブ的重心を完全には獲得していない。しかし、声の使い方やリズムの感覚には、すでにThe Slits独自の方向性が見える。特にAri Upのヴォーカルは、パンクの叫び、子どものような遊び、レゲエ的な節回し、呪術的な声の断片を混ぜたもので、当時のロックの基準から大きく外れていた。

本作は、ポストパンク史においても重要である。The Slitsは、Public Image Ltd.、The Pop Group、The Raincoats、Gang of Four、Au Pairsなどと並び、パンク以後の音楽がどのようにリズム、政治、身体、ジェンダーを再構成したかを示す存在だった。特にThe Slitsのレゲエ/ダブへの接近は、後のオルタナティヴ・ロック、インディー、ポストパンク・リヴァイヴァル、女性主体のDIY音楽に大きな影響を与えた。

日本のリスナーにとってIn the Beginningは、音質や演奏の荒さを前提に聴くべき作品である。完成度の高いアルバムとして聴くのではなく、The Slitsというバンドがどのように生まれ、どのように自分たちの音を探していたのかを知るためのドキュメントとして重要である。荒い音の中にある自由さ、ルールのなさ、笑い、怒り、身体の動きに耳を向けることで、本作の価値が見えてくる。

総合的に見て、In the Beginningは、The Slitsの出発点を記録した貴重な作品である。ここには、完成されたポストパンクの洗練ではなく、音楽が生まれる前の混乱がある。女性たちが、自分たちに割り当てられた役割を拒否し、まだ名前のない音楽を作ろうとしている瞬間がある。その意味で本作は、単なるライヴ・アーカイヴではなく、パンク以後の音楽が新しい身体と声を獲得する過程を記録した重要な作品である。

おすすめアルバム

1. The Slits — Cut

The Slitsの代表作であり、ポストパンク史に残る名盤。パンクの荒々しさ、レゲエ/ダブのリズム、女性の身体性をめぐる歌詞が見事に融合している。In the Beginningで聴ける初期衝動が、より洗練された形で結実した作品である。

2. The Slits — Return of the Giant Slits

1981年発表のセカンド・アルバム。アフリカ的リズム、ダブ、実験的な構成がさらに強まり、Cut以上に自由で異形の作品になっている。The Slitsのポストパンク的な探求を深く知るために重要である。

3. The Raincoats — The Raincoats

The Slitsと並ぶ女性主体のポストパンク重要作。演奏の不安定さ、DIY精神、ヴァイオリンや変則的なリズムの使用が特徴で、既存のロック文法を壊す姿勢においてThe Slitsと強く響き合う。

4. The Pop Group — Y

パンク以後のリズム実験、ダブ、ファンク、政治性を極限まで押し広げた作品。The Slitsのレゲエ/ダブ志向や、ポストパンクの解体的な精神を理解するうえで関連性が高い。

5. Public Image Ltd. — Metal Box

ダブ、ポストパンク、ベース主導の音響、冷たい都市感覚を融合した重要作。The Slitsが切り開いたパンク以後のリズム/空間感覚と同時代的に響き合う作品である。

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