発売日: 1968年6月14日
ジャンル: サイケデリックロック、ハードロック
Iron Butterflyのセカンドアルバム『In-A-Gadda-Da-Vida』は、1960年代のサイケデリックロックを象徴する作品であり、タイトル曲の壮大なパフォーマンスによってロック史に名を刻んでいる。このアルバムは、初期のハードロックの形成に寄与し、後のプログレッシブロックやヘヴィメタルにも影響を与えた。特に、アルバムのタイトル曲は、17分にわたる壮大な組曲形式の楽曲で、ギターソロ、オルガンリフ、ドラムソロが織りなすドラマチックな構成が圧巻である。
アルバム全体は、サイケデリックなサウンドスケープとキャッチーなロックの融合が特徴で、当時の時代精神を色濃く反映している。オルガンのリフやヘヴィなギターサウンド、そしてブルースの影響を受けたボーカルが、Iron Butterflyの特徴的なスタイルを作り上げている。
トラック解説
1. Most Anything You Want
アルバムの幕開けを飾る軽快なロックナンバー。キャッチーなギターリフと力強いボーカルが印象的で、サイケデリックロックのエネルギーを感じさせる。
2. Flowers and Beads
ポップで明るいトラックで、当時のフラワーパワームーブメントの影響が色濃く出ている。軽快なリズムとシンプルなメロディーが親しみやすい。
3. My Mirage
ミステリアスでドリーミーな雰囲気を持つ楽曲。リバーブの効いたオルガンと幻想的なギターサウンドが特徴的で、聴く者をトランス状態に誘う。
4. Termination
アップテンポでダイナミックな楽曲。ギターとオルガンの掛け合いが力強く、バンドの演奏力が光る一曲である。
5. Are You Happy
ブルースの影響を感じさせるロックナンバー。勢いのあるビートとボーカルが楽曲を引き立て、ライブ感を感じさせる。
6. In-A-Gadda-Da-Vida
アルバムのハイライトであり、ロック史に残る大作。17分を超えるこのトラックは、オルガンの象徴的なリフで始まり、各メンバーが個々のパートで見せ場を作る。中盤のドラムソロは特に印象的で、ロックにおけるリズムの可能性を広げた。タイトルは「In the Garden of Eden（エデンの園で）」が崩れたもので、その偶然性が曲の神秘性を高めている。
アルバム総評
『In-A-Gadda-Da-Vida』は、サイケデリックロックの金字塔であり、ロックミュージックの歴史を語る上で欠かせない作品である。17分に及ぶタイトル曲は、このアルバムを象徴するだけでなく、当時のサイケデリックムーブメントの精神を凝縮したものだ。その他の楽曲も、キャッチーでエネルギッシュなロックナンバーが揃い、バンドの多様性と演奏力が発揮されている。このアルバムは、時代を超えて多くのリスナーに影響を与え続ける、ロック史の宝石のような存在である。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Disraeli Gears by Cream
サイケデリックロックとブルースの融合が特徴で、『In-A-Gadda-Da-Vida』のファンに響く要素を持つ。
Electric Ladyland by The Jimi Hendrix Experience
サイケデリックな音楽の幅広さとギターの革新性が感じられる名盤。
The Doors by The Doors
オルガンを多用したダークで幻想的なサウンドが、『In-A-Gadda-Da-Vida』の雰囲気と通じる。
Atom Heart Mother by Pink Floyd
プログレッシブロックの金字塔で、長尺の楽曲構成が『In-A-Gadda-Da-Vida』と共通する。
Led Zeppelin II by Led Zeppelin
ヘヴィでブルースに根ざしたロックサウンドが、Iron Butterflyの影響を受けたリスナーにおすすめ。
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