
発売日: 2012年2月7日
ジャンル: ハードロック、アリーナロック、モダンクラシックロック
概要
『A Different Kind of Truth』は、Van Halen が2012年に発表した12thアルバムであり、
“David Lee Roth 復帰後の完全復活作” にして、
“初期 Van Halen を21世紀仕様にアップデートした稀有なアルバム”
として非常に高く評価されている。
本作は実に Roth期としては28年ぶり、
Van Halen としても 前作から14年ぶり の新作だった。
制作の大きな特徴は、
未発表の古いデモ(1970〜80年代初期)を元に再構築した曲が多い という点。
つまり本作は、
- 初期 Van Halen の荒々しいDNA
- Eddie Van Halen の円熟したギターワーク
- Roth のショーマンシップ
- 現代的な録音クオリティ
が交差した、極めてユニークな“時間を超える作品”になっている。
長い空白期間からの復活作でありながら、
完成度は異常に高く、
“初期 Van Halen の正統な続編”
とも言える。
息子 Wolfgang Van Halen がベースで参加している点も歴史的に重要。
全曲レビュー
1曲目:Tattoo
キャッチーなシングル曲で、本作の中では最も“ポップ寄り”。
Roth の歌い回しは円熟期特有のスタイル。
2曲目:She’s the Woman
1970年代のデモを基にした曲。
初期 Van Halen の軽快さと、現代的なキレ味が融合した名曲。
3曲目:You and Your Blues
ミッドテンポのメロディアスな曲。
Alex のドラムが厚く重く、Roth のボーカルが大人の余裕を見せる。
4曲目:China Town
高速ハードロック。
Eddie のタッピングとスピード感が炸裂する本作のハイライトの一つ。
5曲目:Blood and Fire
叙情的なメロディを持つ名曲。
“戻ってきた俺たち”というメッセージが感じられる。
6曲目:Bullethead
パンク寄りのショートチューン。
初期 Van Halen の勢いをそのまま再現したような一曲。
7曲目:As Is
複雑な展開と重量級のリフ。
Eddie の創造性の高さを感じる。
8曲目:Honeybabysweetiedoll
デジタルノイズ風イントロから始まる実験的ハードロック。
本作でも特に異色のトラック。
9曲目:The Trouble with Never
Roth の語りが入る遊び心ある曲。
ミッドテンポで軽快。
10曲目:Outta Space
こちらも初期デモ基盤。
若い頃の荒削りロックが現代の機材と結びつき、独特の熱量を持つ。
11曲目:Stay Frosty
アコースティックで始まり、一気にハードロックへ。
“新しい Ice Cream Man” と形容される、Roth節全開の名曲。
12曲目:Big River
ブルースロック寄り。
タイトル通り、広がりのあるメロディが美しい。
13曲目:Beats Workin’
ダイナミックなロックナンバーで、大団円の締めくくり。
ギターリフの説得力が凄い。
総評
『A Different Kind of Truth』は、
驚くほど強度の高い“後期 Van Halen の傑作”
である。
その理由は3つ。
1. 古いデモを元にしているため、初期 Van Halen の魂が息づいている
- リフの勢い
- 曲の構造
- Roth のショーマン性
- Alex の跳ねるグルーブ
1978〜84年の Van Halen を愛するリスナーにとって、
“待っていた音”がここにある。
2. Eddie の円熟したギターワークが圧巻
若い頃の突進力に、
経験からくる表現の深さが加わり、
唯一無二のサウンドを作り上げている。
3. Wolfgang の参加による新しい推進力
厚みのあるコーラス、タイトなベース、若い感性。
バンドに新しい風が吹いたことは間違いない。
結果として本作は、
“過去への回帰”でありながら“未来へ進むための復活作”
という、Van Halen の歴史の中でも極めて特別な位置を占める。
Roth期のラスト作となったが、
その最後をこれほど堂々たる名盤で飾ったことは、
後の再評価でより重みを増している。
おすすめアルバム(5枚)
- Van Halen (1978)
本作の源流となる初期の勢いを知る必聴盤。 - 1984 (1984)
Roth期のメロディとポップ性の頂点。比較で深みが増す。 - Fair Warning (1981)
本作のハードさと攻撃性のルーツ。 - Van Halen II (1979)
軽快さとポップ性の継承関係がよく分かる。 - Extreme / Pornograffitti (1990)
Cherone の本領を知っておくと、本作の“Roth的歌唱”の違いも楽しめる。
他にも続けてレビューできます。
次のアルバムタイトルをどうぞ。



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