アルバムレビュー:True Colours by Split Enz

※本記事は生成AIを活用して作成されています。

cover

発売日: 1980年3月21日
ジャンル: ニューウェイヴ、アートポップ、ポップロック、ニュー・ロマンティック

概要

『True Colours』は、Split Enzが1980年にリリースした5作目のスタジオ・アルバムであり、バンド史上最大の商業的成功を収めると同時に、彼らの音楽的成熟とメロディセンスの頂点を記録した金字塔的作品である。
このアルバムによって、Split Enzは初めて本国ニュージーランドとオーストラリアでのチャート1位を獲得し、世界的にも注目を集める存在へと飛躍した。

本作では、ニール・フィンが中心的なソングライターとして完全に開花
アートロック的な装飾や演劇性を残しつつ、よりポップで洗練されたアプローチへとシフトし、ニューウェイヴという時代の感覚と見事に融合している。
プロデュースはDavid Tickleが担当し、サウンドはタイトでカラフル、同時に知的で感情豊か。
タイトル通り、“本当の色=True Colours”が鮮やかに浮かび上がる、Split Enzのアイデンティティそのものが結晶化したアルバムと言える。

発売当時は、カラー・ヴァイナルやホログラム仕様のジャケットなど物理的なデザインでも注目を集め、音楽的内容とビジュアルの両面から“時代のセンス”を体現した作品となった。

全曲レビュー

1. I Got You

ニール・フィン作によるバンド最大のヒット曲。
不安と執着が同居するようなリリックを、ポップで耳に残るメロディと緊張感あるコード進行で包み込む名曲
ギターのカッティングとシンセの掛け合いも印象的で、ニューウェイヴの典型にして傑作。

2. Shark Attack

アップテンポかつ遊び心満載のニューウェイヴ・チューン。
攻撃的なリズムとおどけた歌詞が、80年代の若者文化と不安定なエネルギーを象徴している。
ライブ映えする楽曲としても人気が高い。

3. What’s the Matter with You

ニールのソングライティングの“クールさ”と“怒り”が交錯する楽曲。
サウンドは軽快だが、リリックには明確な苛立ちと距離感が表現されており、Split Enzのポップと皮肉の絶妙なバランスが光る。

4. Double Happy

インストゥルメンタルに近い短編で、エフェクトやギターリフが遊び心を感じさせる。
アルバム全体の色彩を豊かにする“音のスキット”としての役割を担っている。

5. I Wouldn’t Dream of It

夢と現実、理想と諦念を対比的に描いたバラード調の楽曲。
繊細なコードワークとニールの抑制されたボーカルが美しく、Split Enzのメロウな一面を代表する楽曲

6. I Hope I Never

ティム・フィンによる名バラード。
感情の断片がそのまま音に昇華されたような一曲で、“愛しているからこそ離れたい”という痛みを抑えたピアノとともに歌う
彼のヴォーカリストとしての表現力が最大限に発揮された楽曲。

7. Nobody Takes Me Seriously

風刺的なタイトルに反して、サウンドは軽快でキャッチー。
“誰も自分を真剣に見てくれない”という孤独とアイロニーを、ポップの装いでさらりと提示するSplit Enzらしい一曲

8. Missing Person

シンセとギターが交錯するミッドテンポのナンバー。
存在の不確かさ、人間関係の希薄さをテーマにしており、ニューウェイヴ的な“都市の孤独”を見事に音楽化している。

9. Poor Boy

スペースファンタジー風の歌詞とロマンティックなメロディが融合した異色作。
夜空を舞うような浮遊感が心地よく、Split Enzの“夢見るポップ”の最良の例とも言える。
特にサビのメロディが美しく、ファンからの人気も高い。

10. How Can I Resist Her

リズミカルでパーカッシブなポップ・ナンバー。
恋の魔力に抗えない男の心をコミカルに描いた、エンターテインメント性の高い楽曲
構成もスマートで、アルバム後半の流れを心地よく締めている。

11. The Choral Sea

荘厳でドリーミーな終曲。
アルバム全体の“カラフルな感情の海”を象徴するような、静謐で浮遊感のあるインストゥルメンタル。
物語の余韻を残すようなエンディングとなっている。

総評

『True Colours』は、Split Enzというバンドが実験と演劇からメロディと構造へと飛躍した記念碑的作品である。
ポップとアート、ユーモアと哀しみ、個人と都市――それらが鮮やかに“本当の色”として並列された音のパレットがここにはある。

ニール・フィンのソングライターとしての飛躍と、ティム・フィンの成熟したパフォーマンス、そしてDavid Tickleによるシャープなプロダクション。
すべてが奇跡的なバランスで組み合わさり、1980年代ポップの幕開けを告げるアルバムとして、今なお色褪せない輝きを放っている。

おすすめアルバム(5枚)

  • Talking Heads / Remain in Light
     ポップと知性、リズムと実験性の融合という点で共鳴する時代の傑作。
  • Squeeze / Argybargy
     日常を切り取る詞世界とメロディセンスの高さがEnzのポップ面と共通。
  • Blondie / Eat to the Beat
     ジャンル横断的ニューウェイヴとしての多様性とポップ性が共鳴。
  • Elvis Costello & The Attractions / Armed Forces
     ポップな装いの裏に知的な批評性が潜む、“賢いポップ”の典型。
  • The Buggles / The Age of Plastic
     テクノ・ポップとストーリーテリングの融合。Split Enzの未来志向的側面と響き合う。

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