発売日: 1985年11月4日
ジャンル: ミュージカル、トラディショナルポップ、アダルトコンテンポラリー
『The Broadway Album』は、Barbra Streisandがブロードウェイへの愛を余すことなく詰め込んだ作品で、彼女の卓越したボーカルとドラマチックな表現力が際立つアルバムだ。この作品では、彼女が愛するブロードウェイミュージカルの名曲をカバーし、それぞれの楽曲に新しい解釈を加えながら歌い上げている。プロデューサーには、彼女の長年のパートナーであるDavid FosterやPeter Matzなどが参加しており、音楽の質をさらに高めている。
アルバムは、発売後すぐに批評家とリスナーの両方から高い評価を受け、グラミー賞「最優秀女性ポップボーカルパフォーマンス」を受賞。クラシックなブロードウェイ楽曲の魅力と、Barbraの卓越した歌唱力が完璧に融合した一枚だ。
以下、各トラックの詳細を解説する。
1. Putting It Together
スティーヴン・ソンドハイムのミュージカル『Sunday in the Park with George』からの楽曲。ショービジネスの舞台裏をテーマにした歌詞を、Barbraが鋭いユーモアと力強いボーカルで表現している。
2. If I Loved You
ミュージカル『Carousel』からのロマンティックなバラード。Barbraの感情豊かな歌声が、楽曲の切ない恋愛模様を引き立てている。
3. Something’s Coming
ミュージカル『ウエスト・サイド物語』からのエネルギッシュなナンバー。期待感と躍動感を見事に表現したパフォーマンスが光る。
4. Not While I’m Around
スティーヴン・ソンドハイム作『スウィーニー・トッド』からの楽曲。繊細で感動的な歌詞を、優しい歌声で丁寧に歌い上げている。
5. Being Alive
『カンパニー』からの楽曲で、ソンドハイムの代表作の一つ。愛と孤独のテーマを、力強いボーカルでドラマチックに表現している。
6. I Have Dreamed / We Kiss in a Shadow / Something Wonderful
『王様と私』からのメドレー。3つの楽曲を美しく繋げたアレンジと、Barbraの情感豊かなパフォーマンスが心に響く。
7. Adelaide’s Lament
ミュージカル『ガイズ&ドールズ』からのユーモラスな楽曲。コミカルなキャラクターを見事に表現したパフォーマンスが楽しい。
8. Send in the Clowns
『リトル・ナイト・ミュージック』からの名曲。ソンドハイムの名バラードを、Barbraの豊かな感情表現で新たな輝きを与えている。
9. Pretty Women / The Ladies Who Lunch
『スウィーニー・トッド』と『カンパニー』からの2曲を組み合わせたメドレー。物語性の強い楽曲をドラマチックに歌い上げている。
10. Can’t Help Lovin’ That Man
ミュージカル『ショウボート』からのクラシックナンバー。ジャズとブルースの要素を取り入れたアレンジが新鮮。
アルバム総評
『The Broadway Album』は、Barbra Streisandがその圧倒的なボーカル力と演技力でブロードウェイの名曲を再解釈した傑作アルバムだ。クラシックな楽曲を現代的なアレンジで蘇らせながら、オリジナルへの敬意を忘れない彼女のアプローチは、リスナーに新たな感動を提供している。
「Putting It Together」や「Send in the Clowns」のような楽曲は、ブロードウェイミュージカルの持つ深みとドラマ性を見事に表現しており、彼女の多才さを再確認できる。このアルバムは、ブロードウェイファンはもちろん、クラシックポップやアダルトコンテンポラリーのリスナーにも必聴の一枚だ。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Julie Andrews – Broadway’s Fair Julie
ブロードウェイ楽曲を美しく歌い上げたアルバムで、Barbraの作品に通じる優雅さがある。
Elaine Paige – Piaf
ミュージカル女優として知られるエレイン・ペイジによる力強い歌声が魅力的。
Liza Minnelli – Live at the Winter Garden
ミュージカルの楽曲をライブでパフォーマンスした作品で、Barbraのアルバムと共通する臨場感が楽しめる。
Audra McDonald – Go Back Home
クラシックなブロードウェイ楽曲を現代的にアレンジした、感情豊かなアルバム。
Judy Garland – Judy at Carnegie Hall
ドラマチックで感情的なライブパフォーマンスが、『The Broadway Album』のファンに響く。
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