So It Goes by AkronFamily(2009)楽曲解説

※本記事は生成AIを活用して作成されています。

楽曲の概要

「So It Goes」は、アメリカのエクスペリメンタル・ロック/フォーク・バンドAkron/Familyが2011年に発表したアルバム『S/T II: The Cosmic Birth and Journey of Shinju TNT』の収録曲である。アルバムでは4曲目に置かれ、演奏時間は約2分半。ソングライティングはAkron/Family名義でクレジットされ、アルバムの録音とプロデュースにはChris Koltayが携わった。当時のバンドはSeth Olinsky、Miles Seaton、Dana Janssenの3人を中心とする編成で、フォーク、サイケデリック・ロック、ノイズ、即興、集団コーラスなどを自由に行き来していた。

「So It Goes」は、その中では比較的短く親しみやすい曲だが、単純なフォーク・ソングではない。穏やかなギターと複数の声から始まり、途中で歪んだギターを含む荒々しい演奏へ踏み込みながら、最後には再び力を抜いた感触へ向かう。歌詞も同様に、人生の大問題を正面から論じるのではなく、ホームレスに小銭を渡すことやスーパーでアイスクリームが安く買えたことなど、ごく日常的な出来事から善意、偶然、自己認識について考えている。

歌詞の概要

語り手はまず、かつて持っていた「開かれた心」や、自分が出発した場所から離れていったことを振り返る。外の世界へ出て多くの人間に出会った結果、自分も周囲とそれほど違わないことに気づく。そして、街でホームレスの人に小銭を渡すことをやめていた時期があったと告白する。しかしその態度は再び変化し、ポケットに小銭がある限り、求める人には渡すようになったという。

ここで曲は、善人になるための教訓を提示する方向には進まない。語り手自身が、自分の行動を完全には説明できていないからである。さらに歌詞は、Safewayでアイスクリームを1ドル80セント安く買えたという妙に具体的で小さな出来事へ飛ぶ。その偶然を神の働きと呼ぶべきなのか、それとも別の見方をすべきなのかと考えるが、結局は分からないまま「So it goes」という言葉に着地する。

このタイトルは「そういうものだ」「物事はそうやって進んでいく」といったニュアンスを持つ。ここには、世界の意味を完全に理解しようとすることを諦める感覚がある一方、冷たい無関心だけがあるわけではない。語り手は実際に行動を変え、再び小銭を渡すようになっているからだ。人生の意味は分からなくても、目の前にいる人に対して何をするかは選べる。その小さな倫理と、大きな答えを求めすぎない態度が歌詞の中心にある。

制作背景・時代背景

『S/T II: The Cosmic Birth and Journey of Shinju TNT』は、Akron/FamilyがDead Oceansから2011年に発表した作品である。バンドは2000年代半ばから、アメリカーナやフリー・フォークと呼ばれた流れと接点を持ちながら活動していたが、実際の音楽はもっと雑多だった。静かなアコースティック・フォークから巨大なノイズ、アフリカ音楽を思わせるポリリズム、サイケデリックな反復、観客を巻き込む集団歌唱までを一つのライブやアルバムの中で混在させていた。

このアルバムの制作環境も独特で、曲作りは北海道の阿寒国立公園にある雌阿寒岳付近の山小屋で進められ、録音はデトロイトの使われなくなった駅で行われたと当時報じられている。こうした場所の選択は、アルバムの開放的で予測不能な音にもつながっているように聞こえる。ただし「So It Goes」の歌詞そのものは、雄大な自然や神秘体験を描くのではなく、街角やスーパーマーケットといった非常に日常的な場所へ向かう。その落差がこの曲のユーモアでもある。

アルバム全体には、大きな音と小さな音、集団的な高揚と素朴な歌、精神世界を思わせるイメージと日常生活が並んでいる。「So It Goes」もその縮小版のような曲で、短い時間の中でフォーク的な親密さから荒いギター・ロックへ移り、再び柔らかく着地する。Akron/Familyにとってジャンルの切り替えは奇抜さを見せるためだけのものではなく、一つの感情を固定せず、複数の角度から捉えるための方法だった。

歌詞の抜粋と和訳

「So it goes」

和訳:そういうものだ

非常に短いこの言葉は、曲の中で起きたことを説明する結論ではない。むしろ、説明できないことをそのまま受け入れるための言葉である。善意がどこから生まれるのか、偶然に意味があるのか、日々の小さな出来事に神の意志を見いだすべきなのか、語り手には分からない。それでも生活は続き、人はその都度何かを選択する。「So it goes」は投げやりな諦めというより、世界を完全には理解できないという事実を受け入れる言葉として聞こえる。

サウンドと歌詞の考察

「So It Goes」でまず面白いのは、歌詞の語り口が非常に日常的なのに対し、演奏が一つのスタイルに収まらないことである。冒頭では声とギターが比較的穏やかに絡み、誰かが身近な出来事を話し始めたような距離感がある。歌詞も「自分はこうだったが、こう変わった」という個人的な回想から始まるため、壮大なテーマを宣言する感じはない。Akron/Familyが得意とする複数の声の重なりも、完璧に磨かれたポップ・コーラスというより、同じ部屋にいる人間が一緒に声を出しているような感触を残している。

しかし曲は、その親密な状態を保ったまま終わらない。ギターの歪みが強まり、演奏が荒くなっていくと、最初のフォーク的な柔らかさに別の力が入り込む。American Songwriterは当時、この曲を二部構成として捉え、穏やかなギターから沸騰するようなギターへ移る展開を指摘している。実際、この急な変化によって曲は「日常について静かに考える歌」だけではなくなる。些細な出来事を考え続けているうちに、頭の中だけが急に騒がしくなるような感覚がある。

この音の変化は、歌詞の思考の動きともよく合っている。ホームレスの人に小銭を渡すという行為だけなら、話は単純な善意で終わる。しかし語り手は、以前は渡すことをやめていた自分も思い出し、現在の行動が本当に正しいのかを簡単な道徳へ整理しない。さらにアイスクリームの値引きという些細な偶然まで、神の意志なのか何なのかと考え始める。思考が大げさな方向へ膨らんでいくのと同じように、演奏も小さなフォーク・ソングの枠からはみ出していくのである。

それでも、この曲には説教臭さがほとんどない。その理由の一つが、歌詞に具体的な金額や店の名前といった生活感の強い情報が入っていることだ。貧困、慈善、神、運命という言葉だけを使えば、簡単に重々しい歌になる。しかしAkron/Familyは、スーパーでアイスクリームを安く買ったという出来事を同じ思考の中へ持ち込む。重大な倫理的問題とくだらないほど小さな幸運が、同じ一日の中で起きている。その不釣り合いを消さないことが、曲の人間味になっている。

リズムやボーカルにも同じ考え方が表れている。演奏は完全に整然としたスタジオ・ポップというより、複数の人間がその場で反応し合っているような揺れを残す。声が重なったり、ギターが前へ出たりすることで、語り手一人の内省がいつの間にか集団的な響きへ変わる。Akron/Familyの音楽では、この「一人の歌が複数人の歌になる」感覚がしばしば重要になる。「So It Goes」でも、個人的な小さな告白が、誰にでも起こりうる迷いや自己矛盾として広がっていく。

曲の終わり方も重要である。途中で音が熱を帯びても、そのエネルギーを巨大なクライマックスへ一直線に持っていくわけではない。最後には力が抜け、浮遊するようなメロディへ落ち着いていく。この構成によって、曲は問題を解決して終わるのではなく、考えることをいったんやめて日常へ戻るような印象を残す。「So it goes」という言葉も同じ役割を持つ。結論を見つけたから静かになるのではなく、結論が出ないことを受け入れたから静かになるのである。

タイトルからはカート・ヴォネガットの小説『スローターハウス5』で反復される有名な表現も連想される。ただし、楽曲について直接的な引用や影響関係を断定できる資料がない以上、同じ意味を持つと決めつけるべきではない。それでも、不可解な出来事を前にして大げさな説明を与えず、「そういうものだ」と受け止める態度には共通する感触がある。この曲の場合、その姿勢は虚無へ向かわず、むしろ「自分に小銭があるなら渡す」という非常に小さな行動へ戻ってくる。

そこが「So It Goes」の最も興味深いところである。世界の仕組みを理解することと、日常の中で少し親切に振る舞うことは別の問題として扱われている。音楽も、静かなフォークから歪んだロックへ揺れ動いた末に、何かを完全に解決することなく終わる。人生には説明できない偶然も、自分自身の矛盾もある。それを壮大な答えへ変換せず、混乱したまま小さな善意へ戻る。その感覚を、わずか2分半ほどの変化に富んだ演奏が支えている。

この曲が好きな人におすすめの曲 5曲

「A AAA O A WAY」 by Akron/Family

『S/T II』で「So It Goes」の直前に置かれた短い曲で、声の反復と素朴なメロディが中心となる。アルバムでは両曲が連続することで、言葉になる前のような集団歌唱から、具体的な日常を語る「So It Goes」へ自然に移っていく。

「Light Emerges」 by Akron/Family

同じアルバムから、反復と集団的な歌声をより長い時間を使って展開する曲。「So It Goes」の短い構成より瞑想的だが、一人の声と複数人の声、静けさと音の高まりを自由に行き来するAkron/Familyの特徴がよく分かる。

「Ed Is a Portal」 by Akron/Family

Love Is Simple』収録曲。フォーク、反復するリズム、サイケデリックな高揚を一曲の中で大胆に接続しており、「So It Goes」で聞けるジャンルの境界を気にしない構成を、より大きなスケールで味わえる。

「Bro’s」 by Panda Bear

声の重なりと反復から、個人的な感情を大きな音響空間へ広げていく曲。Akron/Familyより電子的でサンプリング志向だが、2000年代の実験的なインディー・ミュージックが、コーラスや反復を新しい形で扱った例として共通点がある。

「All My Friends」 by LCD Soundsystem

サウンドは大きく異なるが、ごく普通の生活や人間関係についての思考を、反復する演奏の中で徐々に膨らませていく点が共通する。「So It Goes」が2分半で行う日常から普遍的な問いへの移動を、こちらは長い時間をかけて展開している。

まとめ

「So It Goes」は、ホームレスに渡す小銭やスーパーの値引きという極端に身近な出来事から、善意、偶然、神、自己矛盾といった大きな問題へ思考を広げ、それでも明快な答えを出さずに終わる曲である。穏やかなギターと集団的な声から荒いサイケデリック・ロックへ移り、最後には再び力を抜く構成も、その迷いの動きをなぞっている。重要なのは、「分からない」という結論が無関心につながっていないことだ。世界の意味を説明できなくても、目の前の誰かに小銭を渡すことはできる。Akron/Familyらしい音楽的な自由さが、そうした小さく現実的な倫理を支えている。

参照元

  • Dead Oceans / 『S/T II: The Cosmic Birth and Journey of Shinju TNT』作品情報
  • Apple Music / 『S/T II: The Cosmic Birth and Journey of Shinju TNT』作品情報
  • Pitchfork / Akron/Family『S/T II: The Cosmic Birth and Journey of Shinju TNT』発表記事
  • Pitchfork / 「So It Goes」公開記事
  • American Songwriter / 「So It Goes」レビュー

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