発売日: 1970年5月23日
ジャンル: ロック、ハードロック、ライブアルバム
Live at Leedsは、The Whoのキャリアを代表するライブアルバムであり、ロック史上最高のライブアルバムの一つとして広く認識されている。1970年2月14日、イギリス・リーズ大学でのコンサートを録音した本作は、バンドの爆発的なエネルギーと演奏力をそのまま封じ込めた、生々しくも圧倒的な体験を提供する。
本作は、スタジオアルバムでは表現しきれなかったThe Whoのライブパフォーマンスのダイナミズムと破壊力を完璧に捉えている。特に、キース・ムーンの暴れ回るようなドラム、ジョン・エントウィッスルの複雑で力強いベースライン、ピート・タウンゼントのリズミカルで斬新なギター、そしてロジャー・ダルトリーの熱唱が、どのトラックにも詰まっている。
トラック解説
1. Heaven and Hell
アルバムの幕開けを飾る、ジョン・エントウィッスルが作詞・作曲した楽曲。重厚なベースラインとエネルギッシュなギターリフが特徴で、ライブの高揚感を瞬時に引き上げる。
2. I Can’t Explain
The Whoの初期のシングルヒット曲で、ライブではさらにテンポが上がり、より鋭いエッジを感じさせる。ダルトリーの力強いボーカルとタウンゼントの攻撃的なギターが際立つ。
3. Fortune Teller
ベニー・スペルマンのカバー曲で、The Whoのアレンジによってより生き生きとしたリズムとダイナミズムが加えられている。
4. Tattoo
アルバム『The Who Sell Out』からの楽曲。ライブではさらに感情的なボーカルが加わり、スタジオ版以上にエネルギーを感じる演奏となっている。
5. Young Man Blues
モーズ・アリソンのカバー曲で、The Whoのライブパフォーマンスの真骨頂を感じさせる一曲。ジャズの要素をロックへと変換し、ムーンのドラミングが炸裂する。
6. Substitute
ポップなシングルとして知られる曲が、ライブではより粗削りで攻撃的に変化。リズムセクションの勢いが楽曲に新たな命を吹き込んでいる。
7. Happy Jack
短いながらもユーモラスでエネルギッシュな楽曲。ムーンのドラムプレイが特に目立つ。
8. I’m a Boy
The Whoのヒット曲で、ライブではスピード感と力強さが増し、バンドの若さとエネルギーを体現している。
9. A Quick One, While He’s Away
9分に及ぶミニオペラ形式の楽曲。ライブではさらにスリリングでドラマチックな展開が加わり、物語性と演奏力が融合した名演となっている。
10. Summertime Blues
エディ・コクランのカバー曲で、ライブでの定番。ダルトリーのボーカルとタウンゼントのギターが曲に重みとパワーを与え、原曲を超える迫力を持つ。
11. Shakin’ All Over
ジョニー・キッド＆ザ・パイレーツのカバー曲。ライブ版ではさらに荒々しく展開し、キース・ムーンの自由奔放なドラミングが炸裂する。
12. My Generation
The Whoの代表曲であり、ライブでは15分を超える壮大な即興演奏が含まれる。ジャムセッション的な展開で、メンバー全員の卓越した演奏力が際立つ。
13. Magic Bus
アルバムの締めくくりを飾るトラック。タウンゼントのアコースティックギターとダルトリーのボーカルが絡み合い、ライブならではの勢いが感じられる。
アルバム総評
Live at Leedsは、The Whoのエネルギー、ダイナミズム、そしてライブでの自由奔放な演奏を捉えた究極のライブアルバムである。特に、「My Generation」や「Young Man Blues」のような楽曲は、スタジオ版では表現できなかったバンドの真の実力を聴かせてくれる。
録音の質は荒々しく、生々しいサウンドだが、それがかえってライブの臨場感を際立たせている。The Whoの音楽が持つ純粋なパワーと破壊力が詰まった本作は、ロックファンなら一度は聴いておくべき名盤だ。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
The Rolling Stones – Get Yer Ya-Ya’s Out!
同じくライブのエネルギーを完璧に捉えたアルバムで、荒々しいロックンロールの魅力が満載。
Led Zeppelin – How the West Was Won
ライブでの卓越した演奏力とダイナミズムを感じさせる名作。
Deep Purple – Made in Japan
ハードロックのライブアルバムの金字塔で、Live at Leedsと同じく圧倒的な演奏力を楽しめる。
Cream – Wheels of Fire (Live at the Fillmore)
ジャムセッション的な演奏と、バンドの化学反応が炸裂したライブアルバム。
Jimi Hendrix – Band of Gypsys
生々しいライブサウンドと即興性が、Live at Leedsの精神に通じる。
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