アルバムレビュー:『Justified』 by Justin Timberlake

※本記事は生成AIを活用して作成されています。

発売日:2002年11月5日

ジャンル:R&B、ポップ、ファンク、ネオ・ソウル、ダンス・ポップ、ヒップホップ・ソウル、ブルー・アイド・ソウル

概要

Justin Timberlakeのソロ・デビュー・アルバム『Justified』は、2000年代ポップ/R&Bの流れを考えるうえで非常に重要な作品である。*NSYNCの中心メンバーとして世界的な成功を収めたJustin Timberlakeは、このアルバムでボーイ・バンド出身のアイドルという立場から、R&B、ファンク、ヒップホップ、ソウルを横断するソロ・アーティストへと大きく舵を切った。『Justified』は、その転換を成功させた作品であり、後の『FutureSex/LoveSounds』や『The 20/20 Experience』へ続くキャリアの出発点でもある。

NSYNCは『No Strings Attached』『Celebrity』によって、2000年代初頭のティーン・ポップを代表する存在となった。特に『Celebrity』では、The NeptunesやTimbalandのようなプロデューサーを起用し、ボーイ・バンド・ポップからR&B/ヒップホップ寄りのサウンドへ踏み出していた。その延長線上にあるのが『Justified』である。つまり本作は、突然生まれたソロ作ではなく、NSYNC後期に始まっていた音楽的変化を、Justin Timberlake個人の名義で全面的に展開したアルバムである。

本作の制作において特に重要なのは、The NeptunesとTimbalandの存在である。The NeptunesはPharrell WilliamsとChad Hugoによるプロデュース・チームで、乾いたドラム、ミニマルなベース、ファルセットを活かす空間的なサウンド、ファンクとヒップホップの接点を作る音作りで2000年代初頭のポップ/R&Bを大きく変えた。Timbalandは、変則的なビート、隙間のある音響、声をリズムの部品として扱うプロダクションによって、Aaliyah、Missy Elliott、Ginuwineらの作品で新しいR&Bの文法を作り上げていた。Justinはこの二組のプロデューサーと組むことで、ボーイ・バンド時代のイメージから大きく脱却することに成功した。

『Justified』の音楽的な背景には、Michael JacksonPrinceStevie WonderMarvin Gaye、Al Greenなどの影響がある。とくにMichael Jacksonの影響は明確である。ファルセット、ダンス・ポップとR&Bの融合、ファンク的なリズム感、ポップ・スターとしての身体性は、Justin Timberlakeがソロ・アーティストとして自分の立ち位置を作るうえで重要な参照点になっている。ただし、JustinはMichaelの模倣だけをしているわけではない。The NeptunesやTimbalandの2000年代的なプロダクションを通じて、過去のソウル/ファンクの語法を新しいポップの音へ更新している。

本作の中心テーマは、恋愛、欲望、裏切り、後悔、誘惑、自己証明である。ソロ・デビュー作として、Justinは「自分は単なるボーイ・バンドの一員ではなく、R&Bを歌い、踊り、感情を表現できるアーティストである」と示す必要があった。そのため、アルバム全体には大人びた恋愛表現と、ソロ・スターとしての自信が混在している。「Like I Love You」では、ファンクとヒップホップを取り入れた鋭いダンス・トラックで新しい自分を提示し、「Cry Me a River」では裏切られた恋愛をダークで劇的なR&Bとして表現する。「Rock Your Body」では、Michael Jackson的なダンス・ポップの継承を明確に示し、「Never Again」では失恋の痛みをピアノ・バラードとして締めくくる。

『Justified』は、ボーイ・バンド出身者がソロで成功するための一つの理想形を作ったアルバムでもある。多くのグループ出身アーティストは、ソロ活動で個性を確立するのに苦労する。しかしJustin Timberlakeは、*NSYNC時代に得た知名度を活かしながらも、音楽的には明確に大人向けのR&B/ポップへ進んだ。これにより、彼はティーン・アイドルから男性ポップ・スターへと移行した。

日本のリスナーにとって『Justified』は、2000年代初頭のR&Bポップを理解するうえで非常に聴きやすい作品である。ヒップホップの影響を受けたビート、ソウルフルなメロディ、ファンク的な身体性、洗練されたポップ・フックが一枚の中にまとまっている。現在聴くと、2002年前後のサウンドらしい質感もあるが、そのリズムの鋭さとメロディの強さは今なお有効である。『Justified』は、Justin Timberlakeがソロ・アーティストとして「正当化」された作品であり、タイトル通り、彼の独立が音楽的に証明されたアルバムである。

全曲レビュー

1. Señorita

アルバム冒頭の「Señorita」は、Justin Timberlakeのソロ・デビューを軽やかに印象づける楽曲である。The Neptunesによるプロダクションは、乾いたドラム、跳ねるベース、ラテン風のタイトル感覚、ファンクの軽さを組み合わせており、*NSYNC時代の大きなコーラス中心のポップとは明らかに違う音像を示している。

歌詞では、クラブやパーティーの場で出会った女性に声をかけ、彼女の魅力を称える。タイトルの「Señorita」はスペイン語で若い女性を指す言葉であり、楽曲全体に少し異国情緒のある軽さを与えている。ただし、内容自体は非常にシンプルな口説きの歌である。

この曲で重要なのは、Justinの声の使い方である。彼はここで、ボーイ・バンド的な大きなサビを歌うのではなく、ファルセットとリズムの乗り方を中心に、よりR&Bシンガーらしい表現を見せる。The Neptunesの音は余白が多く、その余白の中でJustinの声が自然に動く。

終盤のコール・アンド・レスポンスも印象的である。男性パートと女性パートを分けて聴き手に歌わせる構成は、ライブでの盛り上がりを想定したものであり、Justinがソロ・パフォーマーとして観客を操作できる存在であることを示している。「Señorita」は、アルバムの入口として非常に機能的で、軽快かつ洗練されたオープニング曲である。

2. Like I Love You feat. Clipse

「Like I Love You」は、『Justified』からの先行シングルであり、Justin Timberlakeのソロ・アーティストとしての方向性を決定づけた楽曲である。The Neptunesによる鋭いファンク・ビート、ギターのカッティング、ミニマルなベース、そしてClipseのラップが加わり、従来のティーン・ポップとは明らかに異なる大人びたサウンドを提示している。

この曲の魅力は、緊張感と余白にある。音数は決して多くないが、ドラムとギターのリズムが非常に強く、身体を動かす力がある。Justinのヴォーカルは軽やかだが、曲全体にはヒップホップ的な硬さがあり、この対比が新鮮である。*NSYNC時代の明るいポップ・サウンドから離れ、R&B/ファンク/ヒップホップの交差点に立つことを宣言した曲といえる。

歌詞では、相手への強い惹かれ方が歌われる。自分ほど相手を愛せる者はいないという内容で、恋愛の自信と欲望が前面に出る。ただし、甘いラブソングではなく、ビートの硬さによってかなりクールに響く。Justinは、ここで少年らしいロマンティックさではなく、より大人の男性としてのセクシュアリティを打ち出している。

Clipseの参加も重要である。Pusha TとMaliceによるラップは、The Neptunesのヒップホップ文脈を楽曲に持ち込み、Justinのソロ・デビューをよりストリート寄り、R&B寄りのものとして印象づけた。「Like I Love You」は、Justin Timberlakeがボーイ・バンドの枠から抜け出した瞬間を記録した代表曲である。

3. (Oh No) What You Got

「(Oh No) What You Got」は、The Neptunesらしいリズム感と遊び心が強く出た楽曲である。タイトルからも分かるように、相手が持つ魅力に驚き、惹きつけられる感覚が中心にある。アルバム序盤に置かれることで、Justinの新しいR&B/ファンク路線をさらに補強している。

サウンドは、乾いたビート、うねるベース、細かいシンセの装飾が特徴である。派手なサビで一気に盛り上げるタイプではなく、グルーヴを反復しながら、じわじわと体を動かすタイプの曲である。The Neptunesのプロダクションは、ここでも音の隙間を重視しており、Justinの声がリズムの一部として配置されている。

歌詞では、相手の魅力に圧倒される様子が歌われる。「What you got」という表現は、外見だけでなく、雰囲気、動き、存在感を含む魅力を指している。Justinは、その魅力を見て驚き、引き寄せられる人物として歌う。

この曲は、代表曲ほどの知名度はないが、『Justified』の音楽的な方向性を理解するうえで重要である。The Neptunesのミニマルなファンク感、Justinのファルセット、R&B的な口説きのトーンが自然に融合している。アルバムのグルーヴを支える一曲である。

4. Take It from Here

「Take It from Here」は、アルバムの中でよりロマンティックで穏やかな表情を見せる楽曲である。タイトルは「ここから引き受ける」「ここから進める」という意味で、相手を支え、これからの人生を共に歩むという誠実な愛のメッセージが込められている。

サウンドは、アコースティックな質感を含んだR&Bバラードで、前半のファンク色の強い楽曲とは対照的に、温かく柔らかい。The Neptunesのプロダクションでありながら、ここではビートの鋭さよりも、メロディと声の親密さが重視される。Justinのファルセットも、官能的というより優しい響きを持つ。

歌詞では、相手が疲れた時、傷ついた時、自分がその先を引き受けるという献身が歌われる。これはボーイ・バンド時代の甘いバラードにも通じるが、サウンドはより大人びており、R&Bの温かさがある。恋愛を一時的な欲望ではなく、支え合う関係として描いている点が重要である。

「Take It from Here」は、『Justified』の中でJustinの柔らかい側面を示す楽曲である。派手なシングル曲ではないが、アルバムに情緒と誠実さを与えている。

5. Cry Me a River

「Cry Me a River」は、『Justified』の中でも最も重要な楽曲のひとつであり、Justin Timberlakeのソロ・アーティストとしての評価を決定づけた名曲である。Timbalandによるダークで重いプロダクション、雨音のような音響、合唱風のコーラス、鋭いビートが組み合わされ、裏切られた恋愛の痛みを非常に劇的に表現している。

歌詞では、相手に裏切られた語り手が、今さら戻ってきても遅いと冷たく告げる。タイトルの「Cry Me a River」は、「好きなだけ泣けばいい」という皮肉を含む表現であり、悲しみと怒り、復讐心が混ざっている。単なる失恋ソングではなく、相手への感情を切り捨てる強い意志がある。

サウンドは極めて印象的である。Timbaland特有のビートは、空間を大きく使いながらも緊張感があり、声の処理も非常に巧みである。バックに重なるコーラスは、ほとんど宗教音楽のような荘厳さを持ち、個人的な失恋を大きなドラマへ変えている。

この曲は、当時のJustinの私生活と結びつけて語られることも多かったが、楽曲として重要なのは、彼が個人的な感情をダークなR&Bポップへ変換することに成功した点である。「Cry Me a River」は、Justin Timberlakeのキャリアにおける最初の大きな芸術的成功であり、2000年代R&Bポップを代表する楽曲である。

6. Rock Your Body

「Rock Your Body」は、『Justified』を代表するダンス・ポップ曲であり、Michael Jackson的なファンク/ポップの継承を最も明確に示す楽曲である。The Neptunesによるプロダクションは、軽快なベース、ディスコ風のリズム、滑らかなファルセットを中心にしており、踊るためのポップ・ソングとして非常に完成度が高い。

歌詞では、相手に身体を揺らし、ダンスフロアで楽しむよう促す。深い物語性よりも、リズムと身体性が中心である。タイトルの「Rock Your Body」は、まさに身体を動かすことを意味し、Justinのダンサーとしての資質と強く結びついている。

この曲では、Justinのファルセットが非常に効果的に使われている。軽く、柔らかく、リズムに乗りながら、楽曲全体に官能的な明るさを与える。The Neptunesの音作りも非常に洗練されており、過度に重くならず、ポップとしての親しみやすさを保っている。

「Rock Your Body」は、Justin Timberlakeが単なるR&Bシンガーではなく、ダンス・ポップのスターとしても成立することを示した楽曲である。Michael Jacksonの影響を強く感じさせながらも、2000年代初頭のThe Neptunesの音によって現代化されている。本作の中でも特に普遍的な魅力を持つ代表曲である。

7. Nothin’ Else

「Nothin’ Else」は、メロウでネオ・ソウル的な質感を持つ楽曲である。アルバムの前半に並ぶ強いシングル曲に比べると控えめだが、Justin TimberlakeのR&Bシンガーとしての柔らかな表現を聴かせる重要な曲である。

サウンドは、穏やかなグルーヴ、温かいコード、控えめなビートを中心にしている。The Neptunesのプロダクションでありながら、ここでは鋭さよりも滑らかさが重視されている。Justinの声も、強く押し出すのではなく、リラックスした雰囲気で歌われる。

歌詞では、相手が他の何にも代えがたい存在であることが歌われる。「Nothin’ else」という表現は、相手以外には何も必要ないという愛の集中を示している。内容はシンプルだが、サウンドの柔らかさによって大人びたラブソングとして響く。

「Nothin’ Else」は、『Justified』の中で派手な役割を持つ曲ではない。しかし、アルバム全体をR&B作品として成立させるうえで重要である。Justinの声の軽さ、メロウなグルーヴ、ソウル的な温度が自然に結びついている。

8. Last Night

「Last Night」は、昨夜の出来事を振り返りながら、恋愛の後悔や混乱を描く楽曲である。The Neptunesらしいビートとコード感を持ちながら、歌詞には相手との関係がうまくいかなかった痛みがにじむ。アルバム中盤において、軽快なサウンドと苦い感情を結びつける役割を果たしている。

サウンドは、跳ねるようなリズムと印象的なキーボードが中心で、ファンクとR&Bの中間にある。曲調自体は比較的明るいが、歌詞の内容は別れや失望に近い。この対比が楽曲に深みを与えている。

歌詞では、昨夜のやり取りや関係の終わりが回想される。語り手は、相手との間に起きたことを消化しきれず、感情を整理しようとしている。Justinの歌唱は、怒りを直接ぶつけるというより、どこか諦めと未練の間を漂っている。

「Last Night」は、『Justified』の中で隠れた佳曲といえる。大きなシングルではないが、The NeptunesのポップR&B的な音作りと、Justinの軽やかなヴォーカルがうまく機能している。

9. Still on My Brain

「Still on My Brain」は、相手のことが頭から離れない状態を歌ったメロウな楽曲である。タイトル通り、終わった関係や離れた相手への思いが、なおも心に残り続けることがテーマになっている。

サウンドは、アコースティックな質感とR&B的なグルーヴが融合しており、アルバムの中でも比較的落ち着いた曲である。Justinの声は、ここでは非常に繊細に響く。ファルセットも派手な技巧としてではなく、感情の揺れを表すために使われている。

歌詞では、相手を忘れようとしても忘れられない心理が描かれる。これは「Cry Me a River」のような怒りを伴う失恋ではなく、もっと静かで内面的な未練である。相手が頭に残り続けるという表現は、恋愛の記憶が日常に染みついていることを示している。

「Still on My Brain」は、Justin Timberlakeのバラード表現の初期の重要曲である。派手な代表曲の影に隠れがちだが、アルバムに感情的な余韻を与えている。

10. (And She Said) Take Me Now feat. Janet Jackson

「(And She Said) Take Me Now」は、Janet Jacksonを迎えた官能的なR&B曲である。Janet Jacksonの参加は非常に象徴的であり、Justin TimberlakeがMichael Jacksonだけでなく、Janetのダンス・ポップ/R&Bの系譜にも接続していることを示す。

サウンドは、Timbalandらしい変則的なビートと、抑制された官能性を持つ。派手に盛り上がる曲ではなく、低くうねるグルーヴと声のやり取りが中心である。JustinとJanetの声は、互いに近い距離で交わるように配置され、密室的な空気を作っている。

歌詞では、欲望と身体的な接近が直接的に描かれる。タイトルの「Take Me Now」は、相手に身を委ねるような強い言葉であり、本作の中でも特に大人びた内容である。Justinはここで、ティーン・アイドルのイメージからさらに離れ、R&Bの官能的な表現へ踏み込んでいる。

Janet Jacksonの存在は、楽曲に成熟したR&Bの重みを加えている。彼女の声は過度に前に出るわけではないが、曲全体の空気を大きく変える。「(And She Said) Take Me Now」は、本作の中で最もセクシュアルで大人向けの楽曲のひとつである。

11. Right for Me feat. Bubba Sparxxx

「Right for Me」は、Bubba Sparxxxを迎えた楽曲であり、アルバムの中でもヒップホップ寄りの色が強い。Timbalandのプロダクションが前面に出ており、変則的なリズムと低音がJustinの声に絡む。ボーイ・バンド出身のソロ・デビュー作としては、かなり大胆な配置の曲である。

サウンドは、Timbalandらしい乾いたビート、低く不規則なリズム、独特の音響処理が特徴である。メロディの美しさよりも、ビートの質感とラップ/ヴォーカルの掛け合いが重視される。アルバムの中ではやや異色だが、Justinがヒップホップ・フィールドに接近しようとしていたことが分かる。

歌詞では、相手が自分にふさわしい存在かどうか、恋愛における相性や欲望が描かれる。内容はそれほど深く掘り下げられないが、サウンドの雰囲気によって、クールでやや荒い印象が生まれている。

Bubba Sparxxxの参加は、Timbaland周辺のヒップホップ文脈を持ち込む役割を果たしている。「Right for Me」は、アルバム全体の中では好みが分かれやすい楽曲だが、Justinのソロ作が単なるポップ・バラード集ではなく、R&B/ヒップホップとの接続を本気で意識していたことを示す。

12. Let’s Take a Ride

「Let’s Take a Ride」は、The Neptunesによる温かくメロウな楽曲であり、アルバム後半に穏やかな余裕を与える。タイトルは「一緒にドライブしよう」という意味で、恋人を現実のストレスから連れ出し、二人だけの時間を作ろうとする内容になっている。

サウンドは、ゆったりとしたグルーヴ、柔らかいベース、滑らかなヴォーカルが中心である。派手さはないが、非常に心地よい。The Neptunesの音作りは、ここではミニマルでありながら温かく、Justinの声の柔らかさを引き立てている。

歌詞では、相手が疲れている時に、自分が車で連れ出し、気分を変えさせるような場面が描かれる。これは大きな愛の誓いではなく、日常的な優しさの歌である。恋愛を支え合い、気分を軽くする関係として描いている点が魅力である。

「Let’s Take a Ride」は、アルバムの中でリラックスした瞬間を作る楽曲である。代表曲ではないが、The NeptunesとJustinの相性の良さが自然に表れている。

13. Never Again

アルバム本編の最後を飾る「Never Again」は、Brian McKnightが関わったピアノ・バラードであり、本作の中で最も直接的に失恋の痛みを表現する楽曲である。タイトルは「二度とない」という意味で、関係の終わりと、その傷が戻らないことへの痛みが歌われる。

サウンドは非常にシンプルで、ピアノとヴォーカルが中心である。アルバムの多くの曲で聴かれるThe NeptunesやTimbalandのリズム実験とは対照的に、ここでは歌そのものが主役になる。Justinの声も、装飾を抑え、感情を率直に届ける。

歌詞では、相手に裏切られ、もう二度と同じように愛することはできないという気持ちが描かれる。怒りというより、深い失望と悲しみが中心にある。「Cry Me a River」が冷たく劇的な復讐の歌だとすれば、「Never Again」はもっと裸の傷に近い。

この曲でアルバムが終わることは重要である。『Justified』は、ダンス、ファンク、R&B、セクシュアリティ、自己証明のアルバムだが、最後にはシンプルな失恋の痛みに戻る。これにより、Justin Timberlakeのソロ・デビュー作は、単なるスタイルの提示ではなく、感情のアルバムとしても完結する。

総評

『Justified』は、Justin Timberlakeがボーイ・バンド出身のスターから、ソロのR&B/ポップ・アーティストへと移行することに成功した決定的なアルバムである。*NSYNC時代の人気を土台にしながらも、本作は単なる延長ではない。The NeptunesとTimbalandという2000年代初頭を代表するプロデューサーを起用し、ファンク、R&B、ヒップホップ、ネオ・ソウル、ダンス・ポップを融合することで、Justinは自分の音楽的な独立をはっきり示した。

本作の最大の魅力は、プロダクションの強さである。「Like I Love You」「Rock Your Body」「Señorita」ではThe Neptunesの乾いたファンク感が光り、「Cry Me a River」「Right for Me」「(And She Said) Take Me Now」ではTimbalandの変則的でダークな音響がJustinの声を新しい場所へ運んでいる。これらの曲は、2002年という時代のR&Bポップの最先端をよく反映している。

特に「Cry Me a River」は、本作を名盤の領域へ引き上げる重要曲である。失恋、裏切り、怒り、復讐心を、Timbalandの冷たいビートと合唱風のコーラスで表現したこの曲は、Justin Timberlakeが単なるポップ・アイドルではなく、感情をドラマとして構築できるアーティストであることを証明した。楽曲の完成度、サウンドの独自性、歌詞のインパクトのすべてが高い水準にある。

一方で、「Rock Your Body」はJustinのダンス・ポップ・スターとしての資質を最も分かりやすく示す。Michael Jacksonの影響を明確に受けながら、The Neptunesの2000年代的な音によって現代化されたこの曲は、身体性、ファルセット、ファンクの軽さが非常にうまく結びついている。Justinのキャリアにおいて、ダンス・フロア向けのポップを作る能力は重要な柱となるが、その原型がここにある。

歌詞面では、恋愛と失恋が中心である。相手を口説く曲、裏切られた怒りを歌う曲、相手を支えようとする曲、官能的な曲、静かな別れのバラードが並ぶ。テーマ自体は非常に普遍的だが、サウンドの多様さによって、単調にはならない。Justinはこのアルバムで、恋愛を甘さだけでなく、欲望、嫉妬、喪失、怒り、献身として描いている。

ヴォーカル面では、Justinのファルセットが大きな武器になっている。彼の声は、ソウル・シンガーとして圧倒的な厚みを持つタイプではない。しかし、軽く柔らかい高音、リズムへの乗り方、声をビートの中に溶かす感覚に優れている。The NeptunesやTimbalandの余白の多いトラックでは、その声質が非常によく機能している。

一方で、本作にはソロ・デビュー作らしい不均一さもある。The Neptunes曲とTimbaland曲の個性が強いため、アルバム全体が完全に一つの音像に統一されているわけではない。また、後半にはやや印象が薄い曲もある。しかし、その多様性は、Justinが自分のソロ・アイデンティティを探りながら、複数の方向へ挑戦していたことの証拠でもある。

『Justified』は、Michael JacksonやPrinceの影響を強く感じさせる作品でありながら、単なる懐古ではない。The NeptunesとTimbalandの音によって、過去のソウル/ファンク/R&Bの要素が2000年代初頭の新しいポップへ変換されている。これにより、Justinは白人男性ポップ・シンガーとして、R&Bの文脈に慎重かつ戦略的に接続することになった。この点は評価と同時に議論も生むが、商業的・音楽的な影響は非常に大きい。

本作は、後の『FutureSex/LoveSounds』への重要な準備でもある。『Justified』では、The Neptunesの影響が大きいが、次作ではTimbalandとの関係がさらに深まり、より未来的でエレクトロニックなR&Bポップへ進む。つまり『Justified』は、Justin Timberlakeのソロ・キャリアの基礎であり、次の革新への出発点である。

日本のリスナーにとって『Justified』は、2000年代洋楽ポップ/R&Bの入口として非常に重要なアルバムである。*NSYNCのファンにとってはJustinの成長を確認できる作品であり、R&Bやファンクに関心があるリスナーにとっては、2000年代初頭のプロデューサー主導型ポップの魅力を知ることができる作品である。

『Justified』は、Justin Timberlakeのソロ活動が正当なものであることを証明したアルバムである。タイトル通り、彼はここで自分の独立を「正当化」した。ボーイ・バンド出身の若者が、The NeptunesとTimbalandの力を借りながら、R&Bポップの中心へ移動する。その瞬間が刻まれた本作は、2000年代ポップの重要な転換点であり、Justin Timberlakeのキャリアを語るうえで欠かせない一枚である。

おすすめアルバム

1. FutureSex/LoveSounds by Justin Timberlake

2006年発表の2作目。Timbalandとの共同作業をさらに発展させ、エレクトロニックで未来的なR&B/ポップを提示した作品である。「SexyBack」「My Love」「What Goes Around… Comes Around」を収録し、『Justified』で始まったソロ・アーティストとしての方向性がより大胆に展開されている。

2. The 20/20 Experience by Justin Timberlake

2013年発表の3作目。クラシックなソウル、ファンク、R&B、長尺のグルーヴを取り入れた大人向けのポップ・アルバムである。『Justified』のR&B志向が、よりラグジュアリーで成熟した形へ発展した作品として関連性が高い。

*3.

2001年発表の*NSYNC最後のスタジオ・アルバム。「Gone」「Girlfriend」「Pop」を収録し、Justin Timberlakeのソロ・キャリアへの布石が明確に見える作品である。『Justified』を理解するためには、直前のこのアルバムを聴くことが重要である。

4. Invincible by Michael Jackson

2001年発表のMichael Jacksonのアルバム。Rodney Jerkinsらを起用し、2000年代初頭のR&Bポップへ接近した作品である。Justin Timberlakeが強く影響を受けたMichael Jacksonの後期作品として、『Justified』との時代的な接点も大きい。

5. In My Mind by Pharrell Williams

2006年発表のPharrell Williamsのソロ・アルバム。The Neptunesの美学、ファンク、ヒップホップ、R&B、ポップの融合を理解するうえで重要な作品である。『Justified』で大きな役割を果たしたPharrellの音楽的センスを、本人名義で確認できる一枚である。

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