アルバムレビュー:Fifth Harmony by Fifth Harmony

※本記事は生成AIを活用して作成されています。

発売日:2017年8月25日

ジャンル:Pop / R&B / Dance-Pop

概要

Fifth Harmonyは、Fifth Harmonyが2017年に発表した3作目のスタジオ・アルバムであり、Camila Cabello脱退後、Ally Brooke、Normani Kordei、Dinah Jane、Lauren Jaureguiの4人体制で制作された唯一のアルバムである。前作7/27までの彼女たちは、多数のソングライターとプロデューサーによる大規模なポップ制作の中で各メンバーの声を組み合わせていた。本作ではメンバー自身が楽曲制作に以前より深く関わり、グループとしての主体性を前面に出している。

音楽的には、前作のEDM的な派手さをやや抑え、R&B、トラップ、ダンスホールの要素を中心とする。プロデューサーにはThe Stereotypes、Skrillex、Poo Bear、Dreamlabらが参加し、低く太いベースと乾いたビートを使った比較的余白の多いトラックが目立つ。そのぶん4人の声の違いが聞き取りやすく、低くハスキーなLauren、滑らかなNormani、明るく強いDinah、伸びのあるAllyという個性を、ソロとコーラスの受け渡しによって見せる構成が増えた。

歌詞の中心は恋愛、性的な駆け引き、自信、別れた相手への拒絶である。大きな物語を作るというより、短く直接的なフレーズをビートへ乗せ、態度そのものをフックにする曲が多い。全10曲という簡潔な構成もあり、グループの再出発を壮大に説明する作品ではなく、4人になったFifth Harmonyがどんな声とリズムでポップを作れるのかを端的に示した一枚である。

全曲レビュー

1. 「Down」

Gucci Maneを迎えたリード・シングルで、跳ねる低音と乾いた打ち込みを中心にしたミニマルなトラックが特徴である。サビでは「down」という短い言葉を反復し、恋人に対して状況が悪くても一緒にいるという意思を、複雑な説明ではなくリズムで記憶させる。4人のソロは短く受け渡され、個々の声を見せながらサビで集団へ戻る。前作の「Work from Home」に近い簡潔な設計を使いつつ、4人体制の入口として機能する曲だ。

2. 「He Like That」

ギターのカッティングと太いベースが絡み、アルバムの中でも特にファンクとR&Bの身体性が強い。MC Hammer「Pumps and a Bump」を取り入れたフックを使いながら、4人は自分たちが相手から欲望されていることを受け身ではなく、自信を示す材料として歌う。ビートの隙間が広いため、声の細かなアクセントや息遣いまでリズムの一部になる。「Down」より生楽器的な感触を加え、序盤でアルバムの音色を広げている。

3. 「Sauced Up」

タイトルのスラングが示すように、パーティーで気分が高揚した状態を軽快に描く。シンセとビートは明るく、重いメッセージよりその場の楽しさを優先するため、前2曲の性的な緊張から少し力が抜ける。4人は長いソロを競うより、短いフレーズやコーラスを細かく重ね、グループ・ボーカルそのものをアレンジとして使う。アルバムの中では比較的気楽な曲だが、音を詰め込みすぎないことで軽さを保っている。

4. 「Make You Mad」

抑えたトラップ系のビートと低音の上で、自分の魅力によって相手を夢中にさせるという挑発的な歌詞を展開する。タイトルの「mad」は怒らせるというより、理性を失うほど惹きつけるというニュアンスで使われ、ボーカルも力任せに押すのではなく余裕を見せる。特に低い音域と息を含んだ歌唱がトラックによく馴染み、サビでは声を重ねて厚みを加える。派手な高音より、リズムに対する歌い方で色気を作った一曲である。

5. 「Deliver」

クラシックなR&Bやソウルを思わせるコーラス・ワークが前へ出て、アルバム中盤で4人の歌唱力そのものに焦点を当てる。歌詞では、口先だけではなく実際の行動で愛情を「届ける」ことを約束し、ここまでの駆け引き中心の曲より関係への姿勢が素直だ。ヴァースでは各メンバーの声質を分けて聞かせ、サビではハーモニーを厚くするため、ソロとグループの両方の魅力が分かりやすい。グループ名を冠した本作らしいボーカル中心の曲である。

6. 「Lonely Night」

相手の不誠実な態度に線を引き、改善しなければ一人で夜を過ごすことになると警告する。リズムは軽快で、別れや裏切りを扱っても悲しいバラードにはせず、主導権を握る側の歌として進む。短く切ったボーカルとベースのアクセントが噛み合い、言葉の強さを大げさな音量ではなくタイミングで表現している。恋愛で傷つくことより、どこまでを許容するのかという境界を示す点で、本作の自信を扱う曲群の中でも明快だ。

7. 「Don’t Say You Love Me」

アルバムの中でも特にバラード色が強く、ピアノを軸にした静かな序盤から、ドラムと重なったボーカルを加えて徐々に広がる。歌詞では「愛している」と言いながら行動が伴わない相手に対し、その言葉を簡単に使わないでほしいと求める。「Deliver」で示された行動による愛情を、今度は逆側から問い直す内容でもある。4人が順番に感情を引き継ぎ、終盤のハーモニーで一つにまとめる構成が、ガール・グループとしての強みを最も素直に生かしている。

8. 「Angel」

SkrillexとPoo Bearが制作に関わり、歪んだ低音、細かく切られた電子音、トラップのビートによって本作でも特に硬質な音を作る。「私を天使だと思ったのか」と相手の勝手な理想化を突き放し、自分にはきれいな面だけでなく欲望や欠点もあると示す内容だ。ボーカルも甘いハーモニーより低い声やリズミカルなフレーズを重視する。ガール・グループに求められる清潔なイメージそのものを歌詞の材料にした点が面白い。

9. 「Messy」

タイトル通り、恋愛や自分自身の不完全さを隠さず、その状態ごと受け入れてほしいと歌う。トラックは比較的抑制されており、ビートの強さよりメロディと声の表情が中心になる。自信を押し出す曲が多い本作の中で、ここでは強さを「弱みがないこと」とは考えず、矛盾や欠点を見せる方向へ転換する。各メンバーのソロを近い距離で聞かせることで、グループの統一されたキャラクターより一人ずつの人間味を感じさせる曲になっている。

10. 「Bridges」

標準盤の最後は、関係や立場の違いを越えてつながろうとするメッセージを持つ、開放的なポップ・ナンバーである。ここまで恋愛関係の駆け引きを扱う曲が多かっただけに、視野を外側へ広げ、分断ではなく橋を架けるという比喩で作品を締める。サビでは4人の声を大きく重ね、個別のソロより共同体としての響きを強調する。具体性より普遍的なメッセージを優先した曲だが、4人体制で作ったセルフタイトル作の結末としては、その合唱的な構成に意味がある。

総評

Fifth Harmonyの特徴は、Camila Cabelloの脱退を音楽的な危機として大げさに演出するのではなく、残った4人の声を再配置することでグループを作り直した点にある。以前の作品でも各メンバーにソロはあったが、本作では声の違いがより明瞭に聞こえる。トラックの音数を減らしたことで、誰がどのような音域と質感を担当するのかが見えやすくなり、4人がサビで重なったときの効果も強くなった。

サウンド面では、2010年代後半のポップで広く使われていたトラップ、R&B、ダンスホールの要素が中心であるため、ジャンルそのものに極端な独自性があるわけではない。それでも「He Like That」のギター、「Deliver」のソウル寄りのハーモニー、「Angel」の硬い電子音、「Don’t Say You Love Me」のバラードと、10曲の中で質感を変えている。短いアルバムなので、同じタイプのビートが長く続いて間延びすることも少ない。

歌詞では自己決定が一つの軸になっている。「Make You Mad」では欲望されることを自信へ変え、「Lonely Night」では相手に条件を示し、「Angel」では他人が作った理想像を拒む。一方、「Messy」や「Don’t Say You Love Me」では、不完全さや傷つきやすさも隠さない。強さを常に攻撃的な態度として表すのではなく、自分が何を望み、何を受け入れないのかを言葉にすることとして描いている点にまとまりがある。

弱点を挙げるなら、全10曲という短さもあって、4人体制が今後どこまで独自の音楽へ発展できたのかを示す前に作品が終わることである。実際、グループは翌2018年に活動休止へ入り、本作が最後のスタジオ・アルバムとなった。それでも、キャリア終盤の消化試合ではない。ボーカルの分担、制作への関与、余白を生かしたR&B志向によって、それ以前とは異なるFifth Harmony像を作っている。巨大なシングルを中心に組み立てた前2作とは違い、4人の声を一枚のアルバムとして聞かせることに重点を置いた作品である。

おすすめアルバム

7/27 by Fifth Harmony

2016年の前作。「Work from Home」を筆頭に、EDM、R&B、トロピカルなポップをより派手な制作でまとめている。5人体制の最終作であり、セルフタイトル作でボーカル配置と音数がどう変わったかを比較しやすい。

Reflection by Fifth Harmony

2015年のデビュー作。ヒップホップやR&Bを取り入れながら、より明るく大規模なガール・グループ・ポップを志向している。本作へ至るまでにメンバーの歌唱とキャラクターがどう整理されたかを追える。

Glory Days by Little Mix

2016年作。Fifth Harmonyより英国ポップらしい大きなサビを重視する一方、恋愛での自己決定や女性同士の連帯を、複数の声によるハーモニーへ結びつける点で比較しやすい作品である。

ANTI by Rihanna

2016年作。R&Bを軸にしながら、巨大なポップ・シングルの形式から距離を取り、声の質感と余白を生かしたトラックを重視している。Fifth Harmonyの抑制されたR&B志向をより大胆に押し進めた例として関連性が高い。

SweetSexySavage by Kehlani

2017年作。現代的なR&Bのビートに、自信、欲望、恋愛での脆さを率直な言葉で乗せている。ソロ作品とグループ作品という違いはあるが、強気な曲と傷つきやすい曲を同じ人物像の中で共存させる点が本作と響き合う。

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