- 発売日: 2012年1月16日
- ジャンル: インディーロック、ガレージロック、ポストパンクリバイバル
America Give Upは、アメリカ・ミネソタ州出身のバンドHowlerによるデビューアルバムで、エネルギッシュで軽快なガレージロックが特徴的な一枚である。フロントマンであるジョーダン・ゲイツミスのソングライティングは、60年代のサーフロックやガレージロック、そして2000年代のインディーロックリバイバルの影響を受けており、シンプルでキャッチーなメロディとユーモアの効いた歌詞が魅力である。
アルバム全体は、若さと反骨精神に満ちた勢いあるトラックで構成され、爽快でストレートなロックサウンドが展開されている。短いながらもエネルギーに溢れた楽曲が揃っており、アメリカの若者が抱える不安や皮肉、そして自由への憧れが感じられる。The StrokesやThe Libertinesといったバンドの影響を強く感じさせる一方で、独自のアメリカンテイストを取り入れ、Howlerらしい個性を表現している。
トラック解説
1. Beach Sluts
アルバムの幕開けを飾るエネルギッシュなトラックで、軽快なリズムとキャッチーなギターリフが特徴。ジョーダン・ゲイツミスのボーカルが若さと自信に満ち、リスナーを一気に引き込む。
2. Back of Your Neck
リードシングルであり、アルバムのハイライトの一つ。アップテンポでサーフロック調のメロディが心地よく、ノスタルジックな雰囲気が漂う。自由奔放な歌詞とキャッチーなサウンドが相まって、リスナーに爽快感を与える。
3. Free Drunk
シンプルでエネルギッシュなビートが魅力のトラックで、パーティー感と皮肉が感じられる。タイトル通り酔っぱらいの自由さをテーマにしており、無鉄砲で楽しい雰囲気が漂う。
4. America
タイトル曲であり、アメリカの若者の視点から見た現代社会に対する皮肉が込められた一曲。キャッチーなメロディに反する冷淡な歌詞が印象的で、バンドのメッセージ性が感じられる。
5. Wailing (Making Out)
リズミカルで甘いメロディが印象的なトラックで、恋愛の高揚感と無邪気さを表現している。軽快なリズムとボーカルがポップな印象を与え、アルバムの中で特にキャッチーな一曲。
6. Pythagorean Fearem
一風変わったタイトルとともに、独特なメロディとビートが耳に残る一曲。遊び心あふれるリリックが印象的で、実験的ながらも楽しさが感じられる。
7. Too Much Blood
エネルギッシュでパワフルなビートが特徴で、ラフで荒削りなギターリフがサウンドに厚みを加えている。反抗心と不安が混じり合い、若者の複雑な感情を描いている。
8. Back to the Grave
シンプルでノスタルジックなガレージロックサウンドが魅力のトラックで、青春の終わりをテーマにしている。軽快なリズムとメロディが心地よく、アルバム全体のバランスをとっている。
9. This One’s Different
ポップなメロディと明るいギターサウンドが特徴の一曲で、リスナーに軽快な印象を与える。タイトル通り、異なる感情や経験について歌われており、アルバムに多様性を持たせている。
10. Black Lagoon
アルバムのラストを飾るトラックで、ややスローテンポでありながらもエネルギーに満ちた一曲。バンドの持つラフでダークなエッセンスが詰まっており、余韻を残しながらアルバムを締めくくる。
アルバム総評
America Give Upは、Howlerが持つ若さと反骨精神、そして自由を追い求める姿勢が詰まったデビュー作であり、軽快でキャッチーなガレージロックが楽しめる一枚である。The StrokesやThe Libertinesを彷彿とさせるサウンドながらも、アメリカのインディーロックらしい無鉄砲なエネルギーが感じられ、アメリカンな視点とユーモアが随所に光る。軽快でストレートな楽曲が並び、リスナーに爽快感とエネルギーを与える。
このアルバムは、ロックの原点であるシンプルさとストレートなエネルギーを追求しており、若さの勢いが爆発した作品として今なお多くのリスナーに支持されている。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
- Is This It by The Strokes
2000年代のガレージロック・リバイバルの代表作で、シンプルでキャッチーなメロディとエネルギッシュなサウンドが魅力。 - Up the Bracket by The Libertines
英国のガレージロックの名盤で、Howler同様、反骨精神と無鉄砲なエネルギーが詰まっている。 - Highly Evolved by The Vines
オーストラリアのガレージロックバンドによるデビュー作で、キャッチーでエネルギッシュなサウンドが楽しめる。 - Whatever People Say I Am, That’s What I’m Not by Arctic Monkeys
若さと反骨精神に満ちたエネルギッシュなロックアルバムで、Howlerのような勢いあるサウンドが好きなリスナーにおすすめ。 - The Vaccines Come of Age by The Vaccines
キャッチーでポップなガレージロックが楽しめる一枚。軽快なリズムとノスタルジックなメロディが印象的。
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