!!! (Chk Chk Chk)は、アメリカ出身のダンスパンクバンドで、エネルギッシュなリズムと中毒性のあるフックで知られています。ポストパンクとディスコ、エレクトロを融合したスタイルが特徴で、ライブでの爆発的なパフォーマンスが多くのファンを魅了しています。
アーティストの背景と歴史
!!!は、1996年にカリフォルニア州サクラメントで結成されました。バンド名「!!!」は、映画『神は見ている』(The Gods Must Be Crazy)に登場するクリック音に由来し、自由な発音が許されていますが、一般的には「Chk Chk Chk」と呼ばれています。
結成メンバーには、以下の人物が含まれています:
- ニック・オファー(Nic Offer) – ボーカル
- マリオ・アンドレオーニ(Mario Andreoni) – ギター
- ダン・ガボウディ(Dan Gorman) – トランペット、キーボード
!!!は、2000年代初頭にニューヨークへ移り、ダンスパンクムーブメントの中で注目を集めました。2003年にリリースしたアルバム『Me and Giuliani Down by the School Yard』がカルト的な人気を得て、続く『Louden Up Now』(2004年)で国際的な評価を確立しました。
音楽スタイルと特徴
!!!の音楽は、ポストパンクのエッジの効いたギターリフと、ディスコやファンクのリズムセクションを融合させたダンスパンクのスタイルが特徴です。エネルギッシュでグルーヴィーなビートは、リスナーを踊らせる力を持ち、ライブパフォーマンスではその魅力が最大限に発揮されます。
歌詞は、政治的なメッセージやユーモア、日常生活への皮肉を込めた内容が多く、ニック・オファーのカリスマ的なボーカルがそれを引き立てています。
代表曲の解説
Me and Giuliani Down by the School Yard
「Me and Giuliani Down by the School Yard」は、2003年にリリースされたシングルで、!!!を一躍有名にした楽曲です。ディスコビートにポストパンクのエッジを加えたダンスナンバーで、ライブの定番曲として人気があります。
Must Be the Moon
「Must Be the Moon」は、2007年のアルバム『Myth Takes』に収録された楽曲で、セクシーで遊び心のあるリリックとファンキーなサウンドが特徴です。夜遊びや恋愛のスリルを描いたこの曲は、バンドのユーモアあふれる一面を示しています。
Heart of Hearts
「Heart of Hearts」は、『Myth Takes』のリードトラックで、力強いリズムとキャッチーなコーラスが特徴のダンスフロア向けの楽曲です。
One Girl/One Boy
「One Girl/One Boy」は、2013年のアルバム『Thr!!!er』に収録され、明るくメロディアスなポップサウンドが特徴です。バンドのダンサブルな魅力を存分に発揮した一曲です。
Freedom! ’15
「Freedom! ’15」は、2015年のアルバム『As If』からの楽曲で、ディスコファンクとエレクトロを融合させたトラックです。高揚感のあるメロディとグルーヴィーなビートが際立っています。
アルバムごとの進化
Louden Up Now(2004年)
『Louden Up Now』は、!!!の初期の代表作で、ポリティカルで攻撃的な歌詞とグルーヴ感あふれるサウンドが特徴です。「Pardon My Freedom」や「Shit Scheisse Merde」などが収録されています。
Myth Takes(2007年)
『Myth Takes』は、ポストパンクとディスコファンクが融合したアルバムで、バンドの人気を確立した作品です。「Must Be the Moon」や「Heart of Hearts」など、ライブでも人気の楽曲が揃っています。
Thr!!!er(2013年)
『Thr!!!er』は、よりメロディアスで洗練されたサウンドが特徴のアルバムです。「One Girl/One Boy」など、ポップで親しみやすい楽曲が多く収録されています。
Wallop(2019年)
『Wallop』は、ダンスビートとエレクトロサウンドが融合したアルバムで、「Serbia Drums」や「Couldn’t Have Known」などが収録されています。実験的な一面も見られる意欲作です。
影響を受けたアーティストと音楽
!!!は、トーキング・ヘッズやプリンス、チック、さらにはパンクやディスコの音楽から影響を受けています。また、クラフトワークやダフト・パンクといったエレクトロニカの要素も取り入れています。
影響を与えたアーティストと音楽
!!!の音楽は、2000年代のダンスパンクムーブメントにおける重要な存在であり、LCDサウンドシステムやホット・チップといったアーティストにも共通する影響が見られます。
まとめ
!!!は、ダンスパンクの象徴的な存在として、エネルギッシュで遊び心に満ちた楽曲を生み出し続けています。その音楽は、ジャンルを超えてリスナーを魅了し、踊らせる力を持っています。もし!!!の音楽に触れる機会があれば、ぜひそのライブ感あふれるサウンドを体験してみてください。
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