アルバムレビュー：Young for Eternity by The Subways

発売日: 2005年7月4日
ジャンル: インディーロック / ガレージロック / ポストパンク

2000年代初頭、The Subwaysは若さとエネルギー溢れるガレージロックの新星としてイギリスの音楽シーンに登場した。デビューアルバムYoung for Eternityは、わずか20歳そこそこのメンバーが生み出したとは思えないほどの完成度を誇り、インディーロックシーンに鮮烈な印象を与えた作品だ。バンドのトリオ編成（ビリー・ランナー、シャーロット・クーパー、ジョシュ・モーガン）が生み出すサウンドは、シンプルでありながらもエネルギッシュで、若者特有の反抗心や情熱が溢れている。

プロデュースは、ザ・ストーン・ローゼズやオアシスを手掛けたイアン・ブルームが担当し、ガレージロックらしい荒削りなサウンドと、ポップなキャッチーさが見事に融合している。シングル「Rock & Roll Queen」や「Oh Yeah」は、MTVやラジオで頻繁に流され、バンドを一躍スターに押し上げた。

トラック解説
アルバム総評
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トラック解説

1. I Want to Hear What You Have Got to Say

アルバムの幕開けを飾る楽曲で、静かなイントロから一気に爆発するサウンドが印象的。歌詞は若者の不安や葛藤を描き、メロディと勢いのあるリフが見事にマッチしている。

2. Holiday

明るくポップなガレージロックナンバーで、夏の解放感とエネルギーをそのまま楽曲に閉じ込めたような一曲。軽快なビートとキャッチーなサビが耳に残る。

3. Rock & Roll Queen

バンドの代表曲で、シンプルで中毒性の高いギターリフと爆発的なサウンドが特徴的。ビリーのボーカルとシャーロットのコーラスが絶妙に絡み合い、ロックアンセムとしての地位を確立した。

4. Mary

静かなイントロから徐々に盛り上がる構成がドラマチックな一曲。甘酸っぱい歌詞とダイナミックなギターサウンドが融合し、アルバムの中でも特に感情的な楽曲。

5. Young for Eternity

アルバムタイトルを冠する楽曲で、疾走感のあるギターと若さを謳歌する歌詞が印象的。青春の一瞬を切り取ったようなエネルギッシュな一曲。

6. Lines of Light

少しエレクトロニカの要素を感じさせるミッドテンポの楽曲。メランコリックなムードが漂い、アルバムの中で異彩を放つ。

7. Oh Yeah

「Rock & Roll Queen」と並ぶ代表曲で、パワフルなギターと爽快なサウンドが特徴。青春の高揚感をそのまま音楽に詰め込んだような楽曲だ。

8. City Pavement

ダークな雰囲気を持つ楽曲で、街中の孤独感や疎外感を描いている。ギターとドラムのタイトな演奏が光る。

9. No Goodbyes

静かで切ないバラード調の楽曲。アコースティックギターを主体としたアレンジが美しく、バンドの感情的な一面を垣間見ることができる。

10. With You

勢いのあるギターリフが特徴の楽曲で、歌詞は恋愛の純粋な喜びを表現している。ビリーとシャーロットの掛け合いが魅力的。

11. She Sun

アルバム終盤に収録された穏やかな楽曲で、バンドの多様性を示している。ミニマルなアレンジが楽曲全体を引き締めている。

12. Somewhere

アルバムを締めくくるにふさわしいエモーショナルな楽曲。壮大なフィナーレを感じさせるダイナミックな構成が印象的。

アルバム総評

Young for Eternityは、The Subwaysの若さと才能が凝縮されたデビューアルバムであり、青春のエネルギーとロックへの純粋な情熱が溢れている。シンプルながらも力強いガレージロックサウンドとキャッチーなメロディ、共感を呼ぶ歌詞が融合し、インディーロックシーンに新風を吹き込んだ。

特に「Rock & Roll Queen」や「Oh Yeah」のような楽曲は、ライブの盛り上がりをそのまま再現したかのようなダイナミズムを持ち、リスナーを興奮させる。アルバム全体を通して一貫性がありながらも、多様なスタイルを取り入れており、バンドの可能性を感じさせる作品だ。