Yet Again by Grizzly Bear(2012)楽曲解説

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1. 歌詞の概要

Yet Again」は、アメリカのインディーロックバンドGrizzly Bearが2012年にリリースしたアルバム『Shields』に収録された楽曲です。この曲は、複雑な感情の揺れ動きや、何度も繰り返される人間関係の摩擦と葛藤をテーマにしています。タイトルの「Yet Again(またしても)」が示すように、同じ問題や感情のループに囚われることを描いた楽曲と解釈できます。

楽曲のサウンドは、ダイナミックなバンドアンサンブルと、メランコリックなメロディが特徴で、Grizzly Bearの持ち味である繊細なコーラスと複雑なアレンジが随所に光っています。曲の後半では、サウンドがカオティックになり、感情が爆発するかのような展開を見せるのも、この曲の大きな魅力です。

2. 歌詞のバックグラウンド

Grizzly Bearは、2000年代からインディーロックシーンで注目を集め、繊細なアレンジとフォーク、サイケデリック、ポストロックの要素を組み合わせた独特のサウンドで高い評価を受けています。特に2012年のアルバム『Shields』は、バンドがよりエモーショナルで力強いアプローチを取った作品であり、「Yet Again」もその中核を成す楽曲のひとつです。

この曲は、リードシンガーのエド・ドロステ(Ed Droste)とダニエル・ロッセン(Daniel Rossen)が共に作曲しており、バンドの多層的なハーモニーと、よりロック色の強いアプローチが特徴となっています。特に、後半のノイズに近いギターとカオティックな展開は、アルバム全体の流れを象徴するようなサウンドになっています。

また、この楽曲は、2012年のリリース当時から高い評価を受け、Grizzly Bearの代表曲のひとつとなりました。

3. 歌詞の抜粋と和訳

以下に「Yet Again」の歌詞の一部を抜粋し、日本語訳を添えます。

原文:

Yet again, we’re the only ones
No surprise, this is often how it’s done

和訳:

またしても、俺たちだけが残された
驚きはないよ、こうなることが多いんだ


原文:

Lately, I can’t tell for sure
Whether the whole thing’s been an act

和訳:

最近は、もう確信が持てない
すべてが演技だったんじゃないかって


原文:

Keep an eye on the road
The way we live, the way we take it all

和訳:

道から目を離さないで
俺たちの生き方、俺たちがすべてを受け止める方法


原文:

Take it all in stride
Speak, don’t confide

和訳:

すべてを受け流せ
話せ、でも打ち明けるな

歌詞の完全版は こちら で確認できます。

4. 歌詞の考察

「Yet Again」の歌詞は、人間関係の繰り返される摩擦や、同じ問題に何度も直面することへの苛立ちや虚無感を描いているように思えます。「Yet again, we’re the only ones(またしても、俺たちだけが残された)」というフレーズは、孤立した関係や、何度繰り返しても解決しない問題を示唆しているように感じられます。

「Lately, I can’t tell for sure, whether the whole thing’s been an act(最近は、もう確信が持てない すべてが演技だったんじゃないかって)」というラインは、相手の態度や、過去の関係が本物だったのかどうか疑問に思う心情を表しているとも取れます。

また、「Take it all in stride(すべてを受け流せ)」というフレーズは、感情的にならず、何が起こっても冷静に対処しようとする態度を示していますが、楽曲の後半に向かうにつれて、音楽がノイジーになり、感情が爆発するような展開を見せます。これは、「冷静に受け止めようとするものの、結局は感情が抑えきれなくなる」心情を音楽的に表現しているようにも感じられます。

歌詞は抽象的な表現が多く、特定のストーリーを直接描いているわけではありませんが、繰り返される関係のパターンや、人間関係における行き詰まりの感覚を表していることがわかります。

5. この曲が好きな人におすすめの曲

  • Sleeping Ute” by Grizzly Bear
    『Shields』のオープニングトラックで、同じくエモーショナルでダイナミックな楽曲。

  • “Reckoner” by Radiohead
    浮遊感のあるメロディとリズムが共通する楽曲。
  • Take Care” by Beach House
    ドリーミーな雰囲気とメランコリックなメロディが似た雰囲気を持つ曲。

  • Ready, Able” by Grizzly Bear
    彼らの特徴的な繊細なハーモニーと幻想的なサウンドを楽しめる楽曲。

6. 「Yet Again」の影響と評価

「Yet Again」は、Grizzly Bearのキャリアの中でも特にパワフルでエモーショナルな楽曲として評価されています。リリース当時、PitchforkやRolling Stoneなどの音楽メディアからも高い評価を受け、アルバム『Shields』の中でも特に人気のあるトラックとなりました。

また、この楽曲のミュージックビデオも話題となり、主人公が次々と異なる世界へと落ちていくようなシュールな映像が、歌詞のテーマとリンクしていると評価されました。映像の中で、フィギュアスケーターが氷上から森、荒野へと転がり落ちていくシーンは、現実の変化を受け入れられずに流されていく感覚を視覚的に表現していると言われています。

また、ライブでは、この曲が演奏されると観客が曲のドラマティックな展開に没入し、特に終盤のカオスなギターリフの部分で大きく盛り上がることが特徴です。Grizzly Bearの繊細なサウンドとダイナミックなエネルギーが共存する楽曲として、ファンの間でも人気の高い一曲となっています。

「Yet Again」は、繰り返される人間関係の葛藤と、それを受け入れようとするも抑えきれない感情を描いた、Grizzly Bearの代表作のひとつであり、彼らの音楽的な成熟を示す重要な楽曲です。

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