発売日: 2019年8月30日
ジャンル: ダンスパンク、エレクトロポップ、ディスコファンク
Wallopは、!!! (Chk Chk Chk)の8作目となるアルバムであり、バンドのエネルギッシュなダンスミュージックがさらに洗練された形で展開されている。これまでのダンスパンクの核を保ちながらも、エレクトロポップやディスコ、ヒップホップの要素を大胆に取り入れ、サウンドに新たな彩りを加えた作品だ。
アルバム全体を通して、シンセサウンドやループが多用され、モダンなクラブミュージックとの親和性が強い印象を受ける。バンド特有のユーモアや挑発的なエネルギーが健在で、リスナーを終始ダンスフロアへと引き込むパワーに満ちている。
トラック解説
1. Let It Change U
アルバムのオープニングを飾るアップビートなトラック。シンセベースとキャッチーなフックが特徴的で、歌詞には変化を恐れず楽しむメッセージが込められている。
2. Couldn’t Have Known
ディスコファンク色が強い楽曲。軽快なビートと繰り返されるシンセリフが楽曲を引き立て、ダンスフロアでも盛り上がる一曲。
3. Off the Grid
シンセポップとニューウェーブの影響が感じられるトラック。メロディアスな展開とエネルギッシュなリズムセクションが融合し、耳に残る。
4. Serbia Drums
リズムセクションが中心に据えられた実験的な楽曲。トライバルなドラムとシンセが絡み合い、ダンスパンクの可能性を広げる一曲となっている。
5. My Fault
感情的な歌詞と浮遊感のあるメロディが印象的なトラック。バンドの新しい一面を感じさせるミッドテンポの楽曲だ。
6. Slow Motion/Slo Mo
タイトル通り、ややゆったりとしたテンポの楽曲。リズムのループと控えめなボーカルが繊細なムードを生み出している。
7. $50 Million
パンチの効いたシンセリフと跳ねるようなビートが特徴のトラック。エレクトロ要素が強く、クラブシーンにも馴染むサウンド。
8. Domino
アルバムの中でも特にエレクトロポップ色が強い一曲。シンセサウンドとカッティングギターが絡み合い、軽快なリズムが印象的。
9. Rhythm of the Gravity
躍動感のあるリズムセクションが楽曲をリードする。歌詞には引力や感情の重力を暗示する哲学的な要素が込められている。
10. UR Paranoid
挑発的なタイトルが特徴的なトラック。軽快なシンセリズムとエフェクトを駆使したボーカルが際立つ一曲。
11. This Is the Door
アルバムを締めくくる爽やかなトラック。軽快なメロディが心地よく、希望を感じさせるフィナーレとなっている。
アルバム総評
Wallopは、!!! (Chk Chk Chk)の進化したダンスサウンドと、バンドの持つエネルギーや個性が絶妙に融合した作品だ。ディスコやエレクトロポップの影響を受けながらも、!!!特有のダンスパンクの核は失われておらず、モダンなサウンドの中にバンドのアイデンティティがしっかりと息づいている。
特に「Couldn’t Have Known」や「$50 Million」のようなトラックでは、キャッチーなリフとエネルギッシュなビートが際立ち、リスナーを踊らせる力に満ちている。一方で「My Fault」や「Slow Motion/Slo Mo」のような楽曲では、より繊細で感情的なアプローチも試みられており、アルバム全体にバランスが感じられる。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
LCD Soundsystem – American Dream
ダンスパンクとエレクトロポップを融合させたモダンなサウンドが共通する。
Hot Chip – A Bath Full of Ecstasy
キャッチーなエレクトロポップと感情的な歌詞が、Wallopのファンにも響く。
The Rapture – In the Grace of Your Love
ダンスフロア向けのエネルギッシュな楽曲と実験的な要素が共通する一枚。
Justice – Woman
エレクトロとファンクを融合したスタイリッシュなサウンドが、Wallopと響き合う。
Friendly Fires – Inflorescent
ディスコやエレクトロポップを取り入れた軽快なサウンドが、!!!のファンにもおすすめ。
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