発売日: 2017年11月3日
ジャンル: ドリームポップ、インディーポップ、ソウル
ロサンゼルスを拠点に活動するThe MaríasのデビューEPSuperclean Vol. Iは、滑らかで洗練されたサウンドと、マリア・ズニガの甘美なボーカルが特徴的な作品だ。英語とスペイン語が交錯する歌詞、ジャズやソウルからの影響を感じさせるメロウなサウンドスケープが、バンド独自のエキゾチックで夢幻的な雰囲気を作り出している。
プロデューサーはバンドのドラマーであるジョシュ・コンウェイが担当し、控えめながらも洗練されたアレンジが際立つ。アルバム全体を通して、70年代のレトロな美学とモダンな感覚が見事に融合しており、都会の夜の情景や夢のような感覚を喚起させる一枚となっている。
各曲ごとの解説
1. I Don’t Know You
EPのオープニングトラックで、シンプルなギターリフとドリーミーなボーカルが印象的な楽曲。恋愛の初期の戸惑いや期待感を描いた歌詞が、美しいメロディに乗せて語られる。
2. Basta Ya
スペイン語の歌詞が印象的なトラックで、ジャズとソウルの影響を強く感じさせる。官能的なボーカルと控えめなホーンセクションが楽曲に深みを加えている。
3. Cariño
スペイン語と英語が交錯するラブソングで、アコースティックギターと繊細なボーカルが際立つ一曲。親密な雰囲気と詩的な歌詞が、アルバム全体の中でも特に印象的。
4. Superclean
アルバムタイトルを冠したトラックで、スローテンポのリズムが心地よい。洗練されたアレンジと柔らかなボーカルが、まるで夜の都会を散歩しているような感覚を与える。
5. Déjate Llevar
スペイン語タイトルのこの楽曲は、「身を任せる」という意味を持ち、自由や解放感をテーマにしている。リズムセクションとミニマルなシンセが、楽曲に浮遊感を与えている。
6. Only in My Dreams
EPを締めくくるトラックで、ドリーミーなアレンジと柔らかなメロディが美しい一曲。夢と現実の狭間をテーマにした歌詞が、儚さと美しさを感じさせる。
フリーテーマ：レトロとモダンの融合
Superclean Vol. Iは、70年代のソウルやジャズのエッセンスを現代的なアレンジで再解釈した作品だ。控えめながらも洗練されたプロダクションと、マリアの甘く柔らかなボーカルが、バンドのアイデンティティを明確にしている。都会的でスタイリッシュな雰囲気の中に、どこかノスタルジックな感覚を秘めており、リスナーを別世界へと誘う。
アルバム総評
Superclean Vol. Iは、The Maríasが音楽シーンにおける存在感を示したデビューEPである。ドリームポップとソウル、インディーポップが融合したサウンドは、リスナーにとって新鮮で魅力的な体験を提供する。特に「I Don’t Know You」や「Cariño」といった楽曲は、彼らの音楽性を象徴する一曲として長く愛されるだろう。滑らかで親密なサウンドが、都会の夜や夢の中のような空間を作り上げるこの作品は、The Maríasの未来への期待を高める一枚だ。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Superclean Vol. II by The Marías
デビューEPの続編で、より成熟したサウンドが楽しめる作品。
Melt Away: A Tribute to Brian Wilson by She & Him
レトロでドリーミーな雰囲気が好きな人にぴったりのアルバム。
Mujeres by Y La Bamba
スペイン語の歌詞とエキゾチックな雰囲気が共通する一枚。
Atlas by Wild Nothing
ドリームポップ好きにおすすめの、柔らかなサウンドスケープを持つ作品。
Devotion by Beach House
ドリーミーなメロディと洗練されたアレンジが楽しめる名盤。
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