発売日: 1990年11月12日
ジャンル: ダンスポップ / ハウス / ポップ
カイリー・ミノーグの3作目となるアルバム『Rhythm of Love』は、彼女のアーティストとしての進化を示した重要な作品であり、ポッププリンセスから成熟したダンスポップアーティストへの変貌を印象付けた一枚である。ストック・エイトキン・ウォーターマン(SAW)のプロダクションをベースにしながらも、新しい要素を積極的に取り入れ、前作とは異なる洗練されたサウンドを展開している。
このアルバムでは、「Better the Devil You Know」や「Step Back in Time」などのシングルが大ヒットし、カイリーのダンスポップアーティストとしての地位を確立。また、セクシーで自信に満ちたイメージチェンジも成功し、彼女のキャリアに新たな風を吹き込んだ。キャッチーなメロディとプロダクションの緻密さ、そしてカイリーのボーカルパフォーマンスが高い評価を受けたアルバムである。
トラック解説
1. Better the Devil You Know
アルバムを象徴するリードシングルで、カイリーの新しいスタイルを提示した名曲。アップテンポなビートとキャッチーなメロディが印象的で、恋愛の複雑な感情をテーマにしている。ダンスフロアを意識したサウンドが洗練されている。
2. Step Back in Time
ディスコの影響を強く感じるトラックで、70年代のノスタルジアをテーマにした内容。ファンキーなベースラインとリズミカルなビートが心地よく、カイリーのチャーミングなボーカルが輝いている。
3. What Do I Have to Do
恋愛における切ない想いを描いた楽曲で、キャッチーなコーラスが特徴的。エネルギッシュなサウンドと感情的な歌詞が絶妙にマッチしている。
4. Secrets
ミディアムテンポのナンバーで、繊細なアレンジが印象的。カイリーの柔らかいボーカルが、楽曲全体のエモーショナルな雰囲気を引き立てている。
5. Always Find the Time
軽快でアップビートなダンストラック。楽しいリズムとシンセサウンドが、アルバムの中でも特にダンサブルな一曲となっている。
6. The World Still Turns
感情的で深みのあるバラード。カイリーのボーカルが楽曲の感動的なテーマを際立たせており、アルバムの中でも異彩を放つ一曲。
7. Shocked
ハウスミュージックの影響を強く感じるトラックで、エネルギッシュなサウンドとカイリーのセクシーなボーカルが融合している。アルバムのダンスフロア感を象徴する楽曲。
8. One Boy Girl
ヒップホップの要素を取り入れたユニークなトラックで、カイリーの多才さが垣間見える一曲。明るくキャッチーな雰囲気が楽しめる。
9. Things Can Only Get Better
ポジティブなメッセージを持つアップテンポな楽曲。軽快なシンセサウンドと希望に満ちた歌詞が特徴。
10. Count the Days
ロマンチックなミディアムテンポのトラックで、カイリーの感情的な一面が際立つ。シンプルながらも美しいメロディが印象的。
11. Rhythm of Love
アルバムを締めくくるタイトル曲で、穏やかでリラックスした雰囲気を持つ楽曲。愛と調和をテーマにした歌詞が、アルバム全体のテーマを象徴している。
アルバム総評
『Rhythm of Love』は、カイリー・ミノーグのアーティストとしての成熟を示す重要な作品である。ダンスフロア向けのエネルギッシュなトラックから感情的なバラードまで、幅広いスタイルをカバーしつつ、全体的な統一感を保っている。特に「Better the Devil You Know」や「Step Back in Time」といった楽曲は、今なおカイリーの代表作として愛されており、彼女のキャリアのハイライトの一つと言える。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Fever by Kylie Minogue
カイリーのダンスポップの最高傑作であり、よりモダンなサウンドを楽しめる。
True Blue by Madonna
1980年代のポップの名作で、カイリーのスタイルと共通する華やかさがある。
Make It Big by Wham!
ディスコとポップの融合が楽しめるアルバムで、『Rhythm of Love』のディスコ感が好きな人におすすめ。
Let’s Get to It by Kylie Minogue
次作で、さらに幅広い音楽スタイルを取り入れたアルバム。
Confessions on a Dance Floor by Madonna
ダンスフロア向けのエネルギッシュな楽曲が詰まったアルバムで、カイリーのダンスポップスタイルと共通点が多い。
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