アルバムレビュー:Patti LaBelle by Patti LaBelle

※本記事は生成AIを活用して作成されています。

Spotifyジャケット画像

発売日: 1977年10月
ジャンル: ソウル、R&B、ファンク


概要

Patti LaBelle』は、1977年にリリースされたパティ・ラベルのセルフタイトルによる初のソロ・アルバムであり、ラベルが女性トリオ「LaBelle」から独立し、シンガーとしての新たなスタートを切った記念碑的作品である。
グループ時代には「Lady Marmalade」で一世を風靡し、ソウルとロックを融合したアバンギャルドな表現を展開していた彼女だが、本作ではより個人的で、よりエモーショナルな表現に重心が移っている。

本作のプロデューサーにはアラン・トゥーサンやデヴィッド・ルービンソンといった南部R&Bやファンクの名匠が名を連ね、ルーツに根ざした濃厚な音作りが展開されている。
ゴスペル出身のパワフルなヴォーカルと、バラードからファンク、ミディアムソウルまで幅広い楽曲群が見事に融合し、パティ・ラベルという“声の表現者”の実力が余すところなく発揮されたアルバムとなっている。


全曲レビュー

1. Joy to Have Your Love

ファンキーなベースと軽快なホーンが絡む、エネルギッシュなオープニング。
“あなたの愛があることの喜び”を明るく歌い上げるこの曲で、ラベルは早くもそのダイナミズムを全開にしている。
80年代R&Bの先駆的グルーヴも感じられる。

2. Funky Music

その名の通り、うねるようなリズムとホーンセクションが支配するファンク・ナンバー。
“ファンキーな音楽が私のすべて”というメッセージは、ラベルのステージ・スピリットそのもの。
ライブ感あふれるアレンジで、彼女のヴォーカルが踊るように炸裂する。

3. Since I Don’t Have You

1950年代のドゥーワップ名曲を、ドラマティックなアレンジで再構築したカバー。
バラードとしての説得力、ゴスペルの源流を感じさせるヴォーカルが圧巻で、“失われた愛”の痛みをまっすぐに歌い切る。

4. You Are My Friend

ソロ・デビュー作のハイライトにして、のちにライヴの定番曲となるバラード。
“あなたは私の友達”という直接的な言葉が、シンプルゆえに心を打つ。
伴奏は控えめだが、感情の揺れを映すかのようなヴォーカルの表情が主役である。

5. You Can’t Judge a Book by the Cover

ブルース・スタンダードを思わせるナンバーで、見た目や表面だけで人を判断してはいけないというメッセージをリズミカルに展開。
鋭くも温かみのあるリリックが、ソウルというジャンルの“社会性”を想起させる。

6. I Think About You

内省的な歌詞とジャジーな雰囲気が漂うバラード。
“あなたのことをいつも考えている”というシンプルなフレーズが、メロウなコード進行と共に静かに胸に残る。
夜の都会に似合う一曲。

7. Do I Stand a Chance

恋の迷いと希望をテーマにしたスローバラード。
ストリングスのアレンジとピアノが美しく、ラベルの声が語るように旋律をなぞる。
“私はチャンスがあるの?”という問いが、切実に響く。

8. Most Likely You Go Your Way (And I’ll Go Mine)

ボブ・ディランのカバーを大胆にソウル化した異色曲。
ロック的原型を残しつつ、バックのリズム隊とホーンによりディープ・ソウル的な熱量を加え、全く新しい表現へと昇華している。
彼女の解釈力の高さが光る。


総評

Patti LaBelle』は、パティ・ラベルが“ひとりのアーティスト”として再び自己定義を試みた作品であり、その挑戦が見事に結実したアルバムである。
ゴスペルで培われた圧倒的なヴォーカル・パワー、情感の豊かさ、そして選曲や解釈のセンスにおいて、彼女は既に“歌の語り部”としての風格を漂わせている。

バラードでは魂の奥底から歌い上げ、ファンクでは観客を巻き込み、カバーでは原曲を超えるほどの再構築を行う。
そのどれもが、単なる技巧の誇示ではなく、“人間としての強さと脆さ”をまっすぐに伝えるものであり、それこそがラベルの魅力である。

本作は、ソロ・アーティストとしてのスタート地点でありながら、既に完成された“パティ・ラベルというジャンル”の始まりでもあったのだ。


おすすめアルバム(5枚)

  1. Aretha Franklin – Young, Gifted and Black (1972)
     力強くも繊細なソウル・ヴォーカルが魅力。ラベルの路線と重なる部分が多い。
  2. Chaka Khan – Chaka (1978)
     ファンクとバラードを自在に行き来する女性ソウルシンガーの代表格。ラベルとの親和性高し。
  3. LaBelle – Nightbirds (1974)
     グループ時代の代表作。『Patti LaBelle』との比較で彼女の進化が際立つ。
  4. Gladys Knight & the Pips – Imagination (1973)
     内省的で成熟したソウル表現。『You Are My Friend』に通じる感情の深さ。
  5. Donny Hathaway – Extension of a Man (1973)
     深い情感と社会的メッセージの融合。ラベルのスピリチュアルな一面と響き合う。

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