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モダン・クラシック・ロックを知るなら、まず定番アーティストから
モダン・クラシック・ロックは、1960〜70年代のロックが持っていたギターリフ、ブルース感覚、ライブバンドとしての熱量を、現代的な録音やソングライティングで更新する音楽である。単なる懐古ではなく、クラシック・ロックの語法を現在のロック、インディー、オルタナティブの感覚で鳴らすところに魅力がある。
このジャンルを聴くうえでは、まず定番アーティストを押さえるのが近道である。なぜなら、バンドごとに参照している時代や音が少しずつ異なるからだ。レッド・ツェッペリン的なハードロックを受け継ぐバンドもいれば、ローリング・ストーンズやブルース・ロックの粘りを現代化するバンド、アリーナロックの開放感を再構築するバンドもいる。
モダン・クラシック・ロックとはどんなジャンルか
モダン・クラシック・ロックとは、クラシック・ロックの影響を明確に持ちながら、2000年代以降のロックシーンで存在感を示してきたバンドやアーティストを指して語られることが多い。歪んだギター、太いベース、タイトなドラム、歌えるメロディを軸にしつつ、録音の質感やアレンジは現代的である。
親ジャンルとしてはロック全般に位置づけられるが、実際にはオルタナティブ・ロックやインディー・ロックとも重なる。クラシック・ロックの型をそのまま再現するのではなく、現代のリスナーが聴きやすいサウンドに置き換えている点が重要なのだ。
モダン・クラシック・ロックの定番アーティスト10選
1. The Black Keys
The Black Keysは、アメリカ・オハイオ州アクロン出身のデュオで、2000年代以降のブルース・ロック復興を代表する存在である。初期はギターとドラムだけの荒い録音を武器にしていたが、『Brothers』や『El Camino』でよりポップなロックバンドとして広く知られるようになった。
ダン・オーバックのざらついたギターと、パトリック・カーニーのシンプルで重いドラムが核である。ブルース、ガレージロック、ソウルの要素をまとめ、短いリフと強いビートで聴かせる。初心者はまず「Lonely Boy」から入ると、このバンドのわかりやすい魅力をつかみやすい。
2. Greta Van Fleet
Greta Van Fleetは、アメリカ・ミシガン州出身のロックバンドで、2010年代後半にクラシック・ロック直系のサウンドで大きな注目を集めた。ハイトーンのボーカル、派手なギターリフ、スケールの大きい楽曲構成によって、1970年代ハードロックの雰囲気を現代に持ち込んだバンドである。
代表作『Anthem of the Peaceful Army』では、ブルースロック、ハードロック、フォーク的な旋律が一体になっている。ジョシュ・キスカのボーカルは非常に強く、バンド全体の印象を決定づけている。初心者には「Highway Tune」がおすすめで、リフ、歌、勢いのすべてがわかりやすく詰まっている。
3. Rival Sons
Rival Sonsは、アメリカ・カリフォルニア州ロングビーチ出身のロックバンドで、2000年代末から活動を本格化させた。ブルース・ロックとハードロックを土台にしながら、現代の録音感覚で骨太なロックを鳴らすバンドとして知られる。
代表作『Feral Roots』では、ジャレッド・ジェイムズ・ニコルズ的な豪快なギター・ロックとはまた違う、ソウルフルで緊張感のあるサウンドが聴ける。ジェイ・ブキャナンのボーカルは力強く、ブルースやソウルの影響も感じさせる。まずは「Do Your Worst」を聴くと、重いリフとメロディのバランスが理解しやすい。
4. The Struts
The Strutsは、イギリス・ダービー出身のロックバンドで、グラムロックやアリーナロックの派手さを現代的に引き継いでいる。クイーン、ローリング・ストーンズ、T. Rexなどの影響を感じさせながら、ライブで映えるコーラスとキャッチーなメロディを前面に出す。
代表作『Everybody Wants』には、観客と一緒に歌える楽曲が多い。ルーク・スピラーのボーカルとステージングはこのバンドの中心であり、演劇的な華やかさも持っている。初心者は「Could Have Been Me」から聴くと、彼らのポップで開放的な魅力が伝わりやすい。
5. Wolfmother
Wolfmotherは、オーストラリア・シドニー出身のロックバンドで、2000年代のクラシック・ハードロック再評価を象徴する存在のひとつである。デビュー作『Wolfmother』は、レッド・ツェッペリン、ブラック・サバス、サイケデリック・ロックの影響を現代的な音圧でまとめた作品として知られる。
アンドリュー・ストックデイルの高い声と、太いギターリフ、うねるベースが特徴である。楽曲はシンプルだが、サウンドは濃く、ライブ感が強い。初心者には「Woman」がおすすめで、短い時間の中にバンドのリフ主体の魅力が詰まっている。
6. The Darkness
The Darknessは、イギリス・サフォーク出身のロックバンドで、2000年代初頭に華やかなハードロック・サウンドで人気を得た。ジャスティン・ホーキンスのファルセットを生かしたボーカル、派手なギターソロ、ユーモアを含んだソングライティングが特徴である。
代表作『Permission to Land』は、クラシック・ロックの大げさな楽しさを現代に復活させたようなアルバムである。AC/DC的なリフ、クイーン的な歌の派手さ、グラムロックの見せ方が混ざっている。まずは「I Believe in a Thing Called Love」を聴けば、彼らの立ち位置がすぐにわかる。
7. Dirty Honey
Dirty Honeyは、アメリカ・ロサンゼルス出身のロックバンドで、2010年代後半から注目を集めた。ブルース・ロック、ハードロック、アメリカン・ロックの伝統を踏まえながら、現代的なプロダクションでストレートに鳴らすバンドである。
代表曲「When I’m Gone」は、太いリフと伸びのあるボーカルが印象的で、彼らの方向性をよく示している。ガンズ・アンド・ローゼズやエアロスミスの流れを感じさせる部分もあり、古典的なロックの快感をわかりやすく提示している。初心者にも入りやすい、王道型のモダン・クラシック・ロックである。
8. Måneskin
Måneskinは、イタリア・ローマ出身のロックバンドで、2020年代に世界的な知名度を獲得した。グラムロック、ハードロック、ポップロックの要素を混ぜ、ファッション性とライブ感を強く打ち出している。
代表作『Rush!』では、英語曲とイタリア語曲を交えながら、現代のポップ市場にも届くロックを展開している。ダミアーノ・ダヴィドの存在感あるボーカルと、シンプルで耳に残るリフが特徴である。初心者には「Zitti e buoni」や「Beggin’」が入り口になりやすい。
9. The Sheepdogs
The Sheepdogsは、カナダ・サスカチュワン州サスカトゥーン出身のロックバンドで、サザンロック、フォークロック、クラシック・ロックの柔らかいグルーヴを現代に受け継いでいる。ハードな音圧よりも、ギターの絡み、コーラス、温かいバンドアンサンブルを重視するタイプである。
代表作『Learn & Burn』では、オールマン・ブラザーズ・バンドやザ・バンドの流れを感じさせる、土臭くメロディアスなロックが聴ける。初心者は、激しいロックよりもメロディや演奏の心地よさを求めるときに聴くとよい。
10. Larkin Poe
Larkin Poeは、アメリカ・ジョージア州出身の姉妹デュオで、ブルース、ルーツロック、アメリカーナを現代的に鳴らす存在である。レベッカ・ラヴェルのボーカルとギター、ミーガン・ラヴェルのラップスティールが生むサウンドは、クラシック・ロックの枠を広げるものとして語れる。
代表作『Self Made Man』では、ブルースの伝統を踏まえながら、重いリズムと現代的なミックスで迫力を出している。ハードロック寄りのバンドとは違い、ルーツ音楽の深さを入口にできる点が魅力である。ギターの音色やスライド奏法に注目して聴くと、彼女たちの個性がよくわかる。
まず聴くならこの3組
初心者に特におすすめしやすいのは、The Black Keys、Greta Van Fleet、The Strutsの3組である。
The Black Keysは、ブルース・ロックを短くキャッチーな楽曲にまとめるのがうまく、現代のロックとして聴きやすい。ギターとドラムを中心にしたシンプルな構造なので、モダン・クラシック・ロックの基本がつかみやすい。
Greta Van Fleetは、1970年代ハードロックの影響をもっともわかりやすく感じられるバンドである。大きな声、強いリフ、壮大な曲展開があり、クラシック・ロック的な迫力を求める人には入り口として適している。
The Strutsは、メロディのわかりやすさとライブ感の強さが魅力である。重さよりも華やかさを重視しているため、普段ポップやインディー・ロックを聴く人にも入りやすい。
関連ジャンルへの広がり
モダン・クラシック・ロックを聴き進めると、自然にオルタナティブ・ロックやインディー・ロックにも関心が広がっていく。The Black Keysのようなバンドはガレージロックやブルース・ロックに近く、MåneskinやThe Strutsはポップロックやグラムロックの流れとも接続している。
また、The SheepdogsやLarkin Poeのようなアーティストを聴くと、アメリカーナ、サザンロック、ルーツロックへの入口にもなる。モダン・クラシック・ロックは、過去のロックを現代的に聴くためのハブとして機能するジャンルなのだ。
まとめ
モダン・クラシック・ロックは、クラシック・ロックの魅力を現代の耳で楽しめるジャンルである。The Black Keysのブルース・ロック、Greta Van Fleetのハードロック、The Strutsのグラムロック的な華やかさ、Rival Sonsの骨太な演奏など、同じ方向を向きながらも表現は幅広い。
まずは代表曲から聴き、気に入った音の方向に合わせてアルバムへ進むと理解しやすい。リフの重さを求めるならGreta Van FleetやWolfmother、メロディの親しみやすさを求めるならThe StrutsやThe Sheepdogs、ブルースやルーツ音楽の深みを求めるならThe Black KeysやLarkin Poeが入口になる。
この記事で紹介した10組を聴けば、モダン・クラシック・ロックが単なる過去の再現ではなく、ロックの基本的な快感を現在形で鳴らすジャンルであることが見えてくるはずである。

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