1. 歌詞の概要
「Don’t Bring Me Down」は、1979年にリリースされたElectric Light Orchestra(ELO)のアルバム『Discovery』に収録された楽曲で、ディスコやロックが融合したパワフルなアンセムです。ELOの楽曲としては珍しく、ストリングスが使用されていない純粋なロックナンバーとしても知られています。
歌詞のテーマは、困難やネガティブな状況に直面しても、誰にも自分を傷つけさせずに前進するという自己主張を中心にしています。シンプルながらも力強いメッセージ性が込められた曲です。
2. 歌詞のバックグラウンド
- この曲は、ELOのフロントマンであるジェフ・リンが作詞・作曲を手掛けました。制作当時のリンはディスコの要素を取り入れることに意欲的であり、「Don’t Bring Me Down」もその影響を強く受けています。
- 楽曲はELO初のストリングスを使わない作品として注目されましたが、そのエネルギッシュなビートとシンセサイザーの活用により、ELOのサウンドを象徴する曲の一つとなっています。
- 歌詞中の「Grooss」というフレーズはファンの間で長年の謎となっていましたが、これはスタジオでの即興的な発声から生まれたものです。後にドイツ語で「大きい」や「偉大な」という意味を持つ「Grüß」と関連づけられるようになりました。
3. 歌詞の抜粋と和訳
英語の歌詞と日本語訳
You got me runnin’, goin’ out of my mind.
君は僕を駆り立てて、正気を失いそうだ。You got me thinkin’ that I’m wastin’ my time.
君のせいで自分の時間を無駄にしている気がしてしまう。Don’t bring me down.
僕を落ち込ませるなよ。No, no, no, no, no.
そんなことはさせない。I’ll tell you once more before I get off the floor.
床に倒れる前に、もう一度だけ言わせてもらう。Don’t bring me down.
僕を落ち込ませるなよ。You’re lookin’ good, just like a snake in the grass.
君は素晴らしい。でもそれは草むらの中の蛇みたいなものだ。One of these days you’re gonna break your glass.
いつか君自身がそのガラスを壊すだろう。Don’t bring me down.
僕を落ち込ませるなよ。
4. 歌詞の考察
「Don’t Bring Me Down」は、エネルギッシュでシンプルなロックアンセムであり、歌詞は恋愛や人間関係におけるフラストレーションと、それを乗り越えようとする自己主張を描いています。
- 「Don’t bring me down(僕を落ち込ませるな)」というフレーズは、どんな困難な状況でも自分を強く保ちたいという強い意志を象徴しています。
- 「You’re lookin’ good, just like a snake in the grass(君は素晴らしいが、それは草むらの中の蛇みたいだ)」という比喩は、相手が見かけの魅力で人を欺いている様子を鋭く皮肉っています。
- 全体的に、楽曲はネガティブな感情を振り払うためのアンセムのような役割を果たしており、力強いサウンドと相まって希望を感じさせます。
5. この曲が好きな人におすすめの曲
- We Will Rock You by Queen
We Will Rock You – Queen
力強いビートとシンプルな構成が共通しており、「Don’t Bring Me Down」のエネルギーと響きます。 - Another One Bites the Dust by Queen
Another One Bites the Dust – Queen
ディスコとロックの融合が特徴的な楽曲で、同じ1970年代後半の雰囲気を持っています。 - Rock and Roll by Led Zeppelin
Rock and Roll – Led Zeppelin
エネルギッシュなロックサウンドが魅力的で、「Don’t Bring Me Down」に通じるパワフルさを持っています。
6. 特筆すべき事項
- 「Don’t Bring Me Down」は、ELOの最大のヒット曲の一つであり、特にアメリカでの人気が高い楽曲です。
- この曲はアルバム『Discovery』からのシングルとしてリリースされ、全米チャートでトップ5にランクインしました。
- 「Grooss」というフレーズはファンの間で長く語り草となり、ELOのライブパフォーマンスでも聴衆が一体となって叫ぶ場面が見られます。
- ELOの他の曲と異なり、クラシックなストリングスが使われていないため、純粋なロックバンドとしてのELOの姿を堪能できる楽曲です。
この曲はそのシンプルさと力強さから、時代を超えて愛されるELOの象徴的なナンバーとなっています。
コメント