
1. 歌詞の概要
「Rock of Ages」は、イギリスのハードロックバンドDef Leppardが1983年にリリースした3rdアルバム『Pyromania』に収録されている楽曲であり、バンドの代表的なアンセムの一つとして広く知られている。この曲は、宗教的な賛美歌のタイトルをもじりながらも、実際には**“ロックの永続性”や“自分たちの時代を築くという意志”**を力強く打ち出した、自己肯定的でエネルギッシュな作品である。
「Rock of Ages」というタイトルは、元々は19世紀の讃美歌「岩なるイエスよ(Rock of Ages)」に由来するが、Def Leppardのこの曲では宗教ではなく、ロックミュージックそのものを崇拝の対象として賛美している。歌詞には深い意味や物語性は少なく、むしろ**“ロックの力を信じろ”“俺たちは止まらない”**というストレートなメッセージが、リフレインとリズムの力で押し出されている。
2. 歌詞のバックグラウンド
「Rock of Ages」は、アルバム『Pyromania』からの3枚目のシングルとして1983年にリリースされ、全米Billboard Hot 100で16位を記録した。バンドにとってもプロデューサーマット・ラングにとっても、ハードロックとポップの完璧な融合を体現した曲として高く評価されており、ライブでは定番の一曲である。
冒頭の「Gunter glieben glauchen globen!」という謎のドイツ語風のフレーズは、実は意味のないでたらめな言葉で、プロデューサーのマット・ラングがカウントの代わりにふざけて録音したものである。この奇妙なイントロがむしろ印象的に残り、曲全体の勢いに拍車をかけている。
「Rock of Ages」は、Def Leppardが自らのロック哲学とスタイルを高らかに宣言したナンバーであり、**80年代のアリーナロック黄金時代を象徴する“勝利のロックソング”**として今なお強い人気を誇っている。
3. 歌詞の抜粋と和訳
引用元:Genius Lyrics – Def Leppard “Rock of Ages”
Rise up, gather round / Rock this place to the ground
立ち上がれ、集まれ/この場所を揺らせ、吹き飛ばせ
Burn it up, let’s go for broke / Watch the night go up in smoke
燃え尽きるまでやろうぜ/夜が煙になって消えるのを見届けろ
Rock of ages, rock of ages / Still rollin’, keep a-rollin’
ロック・オブ・エイジズ/時代を超えて/今なお転がり続けるんだ
このサビ部分では、Def Leppardがロックの不滅性を声高に宣言している。“Still rollin’”というフレーズは、バンドが決して止まらないという姿勢と、ロックンロールの精神を重ねたものだ。
We got the power, got the glory / Just say you need it
俺たちには力がある、栄光もある/欲しいなら、声に出せ
And if you need it, say yeah!
本気で欲しいなら、叫べ!
ここでは、聴き手との一体感、参加を促すコール&レスポンス形式が導入され、ライブでの盛り上がりを強く意識した構成となっている。メッセージは明快で、「この音楽に乗れ、叫べ、燃え尽きろ」といった解放と祝祭のエネルギーに満ちている。
4. 歌詞の考察
「Rock of Ages」は、ストーリーテリングや詩的な構造ではなく、ロックの持つ本能的で爆発的な魅力をストレートに押し出した楽曲である。歌詞全体を通して、“今この瞬間を最大限に生きる”“燃え尽きるほどの情熱を音楽に捧げる”というロックンロールの精神が貫かれており、それこそが本作の核にある。
特筆すべきは、「Rock of Ages」という宗教的なフレーズを**“時代を超えて生き続けるロックの魂”**として再定義している点である。Def Leppardにとってロックは信仰であり、自分たちはその“使徒”としてステージで炎を灯す存在なのだ。これは音楽への献身を誇示する一方で、自己の存在意義そのものをロックに賭ける覚悟の表明でもある。
また、観客に呼びかけるようなコール・アンド・レスポンスの構造は、ロックが“個人の内なる熱”を“集団の歓喜”に変える儀式的な場であることを示している。それはバンドと観客の間にある境界線を取り払い、ロックの永続性=Rock of Ages を一緒に体現する空間を生む。
5. この曲が好きな人におすすめの曲
- “You Shook Me All Night Long” by AC/DC
爆発的なエネルギーとロックへの賛美をポップに仕上げたハードロックの金字塔。 - “Kickstart My Heart” by Mötley Crüe
命を吹き込むようなスピードと熱量で“生きること”そのものをロックする曲。 - “I Wanna Rock” by Twisted Sister
ロックへの純粋な情熱を直球で表現した、コール&レスポンス型アンセム。 - “Livin’ on a Prayer” by Bon Jovi
逆境の中でも希望を持って前に進む力をロックの形で歌った名曲。
6. ロックとは儀式だ──祝祭と自己解放のアンセム
「Rock of Ages」は、Def Leppardの音楽的美学を象徴するだけでなく、**ロックとはなにか、その本質を音と声で再定義する“祝祭の儀式”**とも言える作品である。意味よりも音の響き、構造よりも感情、理屈ではなく身体で感じることを重視するこの曲は、まさにアリーナロックの真髄だ。
この曲が生まれた1980年代は、ロックが視覚的にもスペクタクルとして機能し始めた時代だった。その中で「Rock of Ages」は、音楽の根源的な“ライブ感”と“リアルタイムのエネルギー”を純化させた一曲であり、今も世界中のステージで観客を熱狂させている。
「Rock of Ages」は、ロックンロールが永遠であることの証明──時代を超えた音の魂を燃やし続ける、Def Leppardの宣誓である。
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