参加者
- David Richardson(デイビッド・リチャードソン): クラシックロックとハードロックの評論家で、70年代から80年代の黄金期をリアルタイムで目撃してきた。Bryan Adamsのような大物ロックアーティストとも長年にわたり親しみがある。
- Alex Greenfield(アレックス・グリーンフィールド): インディーロックやポストパンクを中心にロックの広い領域で評論している。Bryan Adamsの「爽やかロック」のイメージと、彼が築いたDIY精神には独自の見解を持っている。
インタビュアー
- Interviewer: 80年代のロックシーンに詳しい音楽ジャーナリストとして、今日の対談を進行。
Bryan Adamsの裏に隠されたアーティストの一面とは?
Interviewer: 今日はカナダ出身のロックアーティスト、Bryan Adamsについて語っていただきたいと思います。彼は「Summer of ’69」や「Heaven」で知られる大スターですが、意外と知られていないエピソードも多いですね。お二人の視点から、Bryan Adamsの知られざる一面について教えていただけますか?
David: そうですね、Bryan Adamsというと「親しみやすいロック」という印象が強いと思いますが、彼は非常に多才で、音楽以外の分野にも多くの興味を持っているんです。例えば、彼がフォトグラファーとしても才能を発揮していることはあまり知られていないかもしれません。実際、彼は長年プロのフォトグラファーとして活動していて、数々のファッション誌や有名人のポートレート撮影も手掛けているんですよ。
Alex: 確かに、フォトグラファーとしてのBryan Adamsの実績は本当にすごいですよね。彼が写真に本格的に取り組み始めたのは90年代からで、最初はツアーの合間に仲間のミュージシャンを撮影していたんです。今では、ヴィクトリア・ベッカムやミック・ジャガーといった有名人も撮影していて、アートとしての写真作品も評価されている。ある意味、彼は音楽と写真の二つのキャリアを同時にこなしてきたんですよね。
David: そうですね。実際、彼が撮影した写真はギャラリーでも展示されていますし、写真集もいくつか出版しているんですよ。特に彼の写真は、光の使い方が独特で、陰影のある作風が印象的です。シンプルだけど被写体の個性を引き出す写真は、彼の音楽同様に力強いメッセージが込められている気がします。
Bryan AdamsのDIY精神と独立心
Interviewer: Bryan Adamsは音楽業界においても強い独立精神を持っていることで知られていますよね。その点についても詳しく教えていただけますか?
Alex: 実は、Bryanはかなり早い段階から自身のレーベルを立ち上げていたんです。1980年代、彼が成功を収めていた頃でも、レコード会社に頼らずに自分の音楽をコントロールしたいという気持ちがあったみたいですね。その結果、90年代以降は自分のプロジェクトに対して常に自由に取り組めるような体制を作り上げたんです。
David: Bryan Adamsにとって、音楽はやはり「自分自身の表現」であり、レコード会社の指示に従うのは少し抵抗があったんでしょうね。彼は非常にDIY精神が強いアーティストで、今も自主制作のアルバムをリリースしています。もちろん、彼のキャリアの初期にはメジャーレーベルがバックアップしていたわけですが、後に自らの道を選び、自分のレーベルで自由な表現を追求しているのが印象的です。
Alex: その影響で、Bryanは若手アーティストにも独立した精神を持ってほしいと考えているみたいです。彼が直接プロデュースしたり、支援している新人アーティストの中には、メジャーに頼らずに活動するようにアドバイスを受けている人もいるんですよね。音楽のキャリアは、必ずしも大手に依存しないやり方もあるんだと、彼自身が証明していると言えるでしょう。
社会貢献活動と人道的な取り組み
Interviewer: Bryan Adamsは社会貢献にも積極的で、多くのチャリティ活動に参加しています。彼が行っている慈善活動について、詳しくお聞かせいただけますか?
David: 彼は音楽や写真を通じて、環境保護や貧困問題など多岐にわたる社会問題にも積極的に関わっているんです。例えば、彼は「Bryan Adams Foundation」という慈善団体を設立して、教育や医療支援を行っています。この団体は世界中で活動していて、特に子供たちへの支援を重視しているのが特徴です。
Alex: 彼のチャリティへの関わりは、実際にツアーやアルバムの収益の一部を寄付しているところにも現れていますよね。また、環境保護のための活動としてベジタリアンであることを公言し、動物保護のキャンペーンにも積極的に参加しています。自分の信念を音楽だけでなく、生活全体で実践しているところが、Bryan Adamsの強い個性を感じさせますね。
David: 特に、彼はチャリティの場で自分の写真を使ったプロジェクトを展開しているのも面白いです。撮影した有名人のポートレートをチャリティオークションに出品したりして、収益を慈善活動に寄付するんです。音楽や写真を通じて、持続可能な支援ができる方法を模索しているのが彼の魅力ですね。
80年代の「恋愛ソング」ヒットとその裏話
Interviewer: 彼のヒットソングの中でも、「Heaven」や「(Everything I Do) I Do It for You」など恋愛ソングが多いですよね。これらの曲がどのようにして生まれたのか、裏話があれば教えてください。
David: 「(Everything I Do) I Do It for You」は特に映画『ロビン・フッド』のサウンドトラックとして有名ですが、実はこの曲、レコーディングの過程で最後の最後に大幅にアレンジが変更されたというエピソードがあるんです。プロデューサーと共に深夜までスタジオで試行錯誤し、結局翌朝に最終テイクが完成したという話を聞いたことがあります。
Alex: そのエピソード、面白いですね。Bryanはこの曲の歌詞をとても大事にしていたそうで、「恋愛ソングとしてだけでなく、もっと普遍的な愛のメッセージとして伝えたい」と考えていたとか。だからこそ、この曲は映画の枠を超えて、幅広いリスナーに届いたのかもしれません。
David: そして「Heaven」もまた、元々は映画『ナイト・イン・ヘブン』のために書かれたんですが、意外にもその後にシングルとしてリリースされるまで彼の中で温められていたんです。映画とはまた違った文脈でリリースされたことで、多くのファンに受け入れられたという経緯もありますね。
ロックバンドとしてのキャリアとカナダ音楽シーンへの影響
Interviewer: Bryan Adamsのカナダ音楽シーンに与えた影響についてもお聞かせください。彼は単にヒットソングを生み出しただけでなく、国際的な成功を収めたカナダのロックアイコン
でもありますよね。
David: まさにそうですね。カナダ出身のアーティストが国際的な舞台で成功するのは、当時まだ珍しいことでした。Bryanは、その代表的なアーティストとして、若手ミュージシャンに「カナダからでも世界に通じる音楽が作れる」というメッセージを送りました。現在のカナダの音楽シーンにも、多くの影響を与えたと思います。
Alex: カナダでは、彼のように世界に挑戦するアーティストが増えてきましたが、Bryanはその道を切り開いたパイオニアですね。実際、彼の成功は、カナダ音楽産業全体の成長にも寄与していて、カナダ政府が音楽支援プログラムを設けるきっかけの一つになったと言われています。
David: 彼が国際的な成功を収めたことで、カナダ国内でも音楽に対する考え方が変わり、アーティスト支援が強化されたんです。Bryan Adamsはまさに、カナダ音楽シーンの歴史においても重要な存在ですね。
Bryan Adamsの未来とそのレガシー
Interviewer: 最後に、現在も精力的に活動を続けているBryan Adamsの今後について、お二人はどのようにお考えですか?
David: Bryanは音楽活動と写真活動を並行して行っていて、今後も多方面での活躍が期待されます。彼は新しいチャレンジを恐れない人なので、もしかしたらまた新たなジャンルに挑戦するかもしれません。年齢を重ねてもなおエネルギッシュで、これからもファンに愛され続けるでしょう。
Alex: 私も同じく、彼のクリエイティビティは尽きないと思いますね。これからも若いアーティストに影響を与える存在であり続けるでしょうし、独立精神を持って自分の道を切り拓いてきた姿勢は、時代が変わっても普遍的なメッセージとして受け入れられると思います。彼のレガシーは、音楽界だけでなく、芸術全体に広がり続けるでしょうね。
まとめ
Interviewer: 今日の対談を通して、Bryan Adamsの意外な多才さと強い独立心、そして社会に対する温かい視線を感じることができましたね。音楽だけでなく写真や社会貢献活動にまでその精神が広がっている姿は、多くのファンにとっても感動的です。皆さんは、Bryan Adamsのどんな面に共感を覚えますか?
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