
発売日: 1997年3月11日
ジャンル: ソン、グアラーチャ、ダンソン、ルンバ
キューバ音楽の伝統と情熱が詰まった歴史的名盤
1997年、Afro-Cuban All StarsはBuena Vista Social Clubと同時期にアルバムA Toda Cuba le Gustaをリリースし、キューバ音楽の黄金時代を現代に蘇らせた。本作は、バンドリーダーのJuan de Marcos Gonzálezが企画・プロデュースしたもので、1950年代のキューバ音楽を再現しながらも、モダンなアレンジを加えた作品となっている。
本作には、イブライム・フェレール(Ibrahim Ferrer)、コンパイ・セグンド(Compay Segundo)、ルーベン・ゴンサレス(Rubén González)など、伝説的なキューバ音楽家が参加し、オーセンティックなサウンドを生み出している。サルサやソン、グアラーチャといったリズムが躍動し、キューバ音楽の豊かさと情熱が詰まったアルバムだ。
全曲レビュー
1. Amor Verdadero
明るくダンサブルなソン・モントゥーノ。パーカッションとホーンセクションが生み出すグルーヴが心地よい。
2. Alto Songo
スウィング感のあるダンソンナンバー。キューバのリズムの複雑さと美しさが詰まった楽曲。
3. Habana del Este
ノスタルジックなメロディが印象的な楽曲。ピアノの旋律が優雅な雰囲気を醸し出す。
4. A Toda Cuba le Gusta
アルバムタイトル曲。ソンの伝統的な要素を存分に生かしながら、モダンなアレンジが施されたエネルギッシュなナンバー。
5. Fiesta de la Rumba
ルンバのリズムをベースにしたダンサブルな楽曲。ヴォーカルの掛け合いがリズムの躍動感を増している。
6. Los Sitios Asere
ゆったりとしたソンのリズムが特徴的な楽曲。歌詞のストーリーテリングが光る。
7. Pío Mentiroso
明るいメロディとユーモラスな歌詞が特徴の楽曲。コンガとボンゴのパーカッションが楽曲を支える。
8. Maria Caracoles
力強いブラスセクションが印象的なダンスナンバー。クラシックなキューバンジャズの要素も感じられる。
9. Clasiqueando con Rubén
ピアノの名手ルーベン・ゴンサレスによるインストゥルメンタル。ジャズとソンの融合が美しい。
総評
A Toda Cuba le Gustaは、キューバ音楽の伝統を現代に甦らせた傑作であり、ソンやグアラーチャといったリズムを通じて、キューバの豊かな文化を体現している。Juan de Marcos Gonzálezのプロデュースによって、1950年代のサウンドが洗練された形で再現され、アフロ・キューバン音楽の真髄が凝縮された作品となっている。
また、Buena Vista Social Clubと並び、世界中にキューバ音楽の魅力を広めたアルバムのひとつとして、今なお高く評価されている。ラテン音楽やジャズが好きな人にはぜひ聴いてほしい一枚だ。
おすすめアルバム
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Buena Vista Social Club – Buena Vista Social Club (1997)
同時期に制作されたキューバ音楽の名盤。 -
Rubén González – Introducing… Rubén González (1997)
本作にも参加したピアニストRubén Gonzálezのソロアルバム。 -
Ibrahim Ferrer – Buena Vista Social Club Presents: Ibrahim Ferrer (1999)
歌手イブライム・フェレールのソロ作品で、同じくキューバ音楽の魅力が詰まった一枚。 -
Eliades Ochoa – Sublime Ilusión (1999)
ソンやボレロを現代風にアレンジした作品。 -
Compay Segundo – Lo Mejor de la Vida (1999)
キューバン・ソンの伝説的アーティスト、コンパイ・セグンドの名曲集。
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