
発売日:2019年10月25日
ジャンル:アフロポップ/アフロビーツ/R&B/ダンスホール/ポップ
概要
Akonの『Akonda』は、2000年代に「Locked Up」「Lonely」「Smack That」「I Wanna Love You」などの世界的ヒットを生み出した彼が、自身のセネガル系ルーツと現代アフリカのポップ・ミュージックを正面から結びつけた2019年のアルバムである。2008年の『Freedom』以来、長期間にわたってスタジオ・アルバムの発表が途絶えていたAkonにとって、本作は単なる復帰作ではなく、アメリカのR&B/ヒップホップ市場を中心としていた自身のキャリアを、アフリカ側から再定義する作品となった。
タイトルの“Akonda”は、架空のアフリカ的世界を想起させる言葉であり、同時にAkon自身の名前を中心にしたブランド的な響きも持つ。
ただし、本作が提示する「アフリカ」は単なる伝統音楽への回帰ではない。
むしろ重要なのは、2010年代後半のアフリカン・ポップがすでに世界的なポップ市場の一角へ成長していたことである。
ナイジェリアを中心に拡大したAfrobeats。
ガーナのハイライフやアフロポップ。
南アフリカのダンス・ミュージック。
フランス語圏、西アフリカ、カリブ海、北米R&Bとの交流。
そうした複数の音楽文化が国境を越えて流通する時代に、『Akonda』は制作された。
Akon自身も非常に特殊な位置にいる。
彼はアメリカのポップ/R&Bスターとして成功した一方、セネガルとの文化的つながりを長く公にしてきた。そのため本作では、「アメリカのスターがアフリカ音楽を借りる」というより、自分のアイデンティティの中に以前から存在していた二つの音楽圏を結び直す意味合いが強い。
音楽的には、2000年代Akonを特徴づけた硬質なヒップホップ・ビートやシンセ主体のR&Bから大きく変化している。
パーカッション。
跳ねるベース。
軽いギター。
アフロビーツ特有のシンコペーション。
ダンスホール的なリズム。
そしてAkonの鼻にかかった柔らかなハイトーン。
これらによって、全体に開放的で温暖な音像が作られる。
しかしヴォーカルそのものは明確にAkonである。
メロディを反復する。
短いフレーズをフックへ変える。
少し哀愁を含んだ声で、明るいビートの上にも微妙な陰影を作る。
この特徴は『Trouble』や『Konvicted』時代から変わっていない。
つまり『Akonda』はAkonが全く別の歌手になった作品ではない。
Akonのメロディ感覚を、2010年代型のアフリカン・ポップへ移した作品なのである。
全曲レビュー
1. Welcome to Africa
アルバムは「Welcome to Africa」で始まる。
タイトルからして、本作全体の入口として極めて明確である。
「アフリカへようこそ」。
ここでAkonは、自分自身がアフリカへ帰還するだけでなく、聴き手をその世界へ招く。
重要なのは、アフリカを貧困や紛争だけで語られる場所として描かないことだ。
喜び。
ダンス。
富。
文化。
人々。
都市。
音楽。
そうした現代アフリカの活力を前面へ出す。
20世紀後半から長く、欧米のメディアではアフリカ大陸が「援助される場所」「問題を抱える場所」として表現されることが多かった。
Akonはそこから距離を取り、「魅力的で、成長し、文化を輸出する場所」としてアフリカを提示する。
音楽も祝祭的で、パーカッションを中心に軽快に進む。
本作が「重いルーツ探求」ではなく、踊れるポップ・アルバムであることを最初に宣言する楽曲である。
2. Scammers
「Scammers」は、タイトル通り詐欺師や金をめぐる駆け引きを扱う。
アフリカン・ポップやヒップホップでは、金、成功、ストリートの知恵、偽りの人物といったテーマが頻繁に登場する。
ここでも重要なのは、誰を信用できるのかという問題だ。
成功すれば人が集まる。
友人。
恋人。
ビジネス・パートナー。
しかし、その中には金や名声だけを目的に近づく人間もいる。
Akonは2000年代に世界的スターとなった人物であり、その視点から“scammer”というテーマを扱うと、単なるストリートの物語以上の意味を持つ。
富が人間関係を変える。
成功が自由を与える一方で、疑いも増やす。
音楽は軽快で、歌詞の警戒心に対してサウンドは踊れる。
この「警戒する内容を明るいビートで歌う」構造はAfrobeatsに非常によく合う。
3. Low Key
「Low Key」は、目立たずに行動すること、秘密にしておくことを意味する現代的な表現をタイトルにしている。
恋愛でも成功でも、人に見せない。
騒がない。
必要以上に公表しない。
SNS時代のポップ・カルチャーでは、あらゆる出来事が「見せるもの」になりやすい。
誰と付き合っているか。
どこへ旅行したか。
何を買ったか。
どれくらい成功しているか。
それに対して“low key”という言葉は、少し距離を取る。
関係を二人だけのものにする。
自分の動きを見せない。
Akonの歌唱はこうしたテーマと相性がよい。
彼の声には、強く押すより囁くような感覚がある。
ビートも過度に攻撃的ではなく、夜間的で滑らか。
アルバムの中でもR&B的な親密さが比較的強い一曲である。
4. Bottom
「Bottom」は、下から上へ進むという成功物語を連想させるタイトルを持つ。
“the bottom”。
一番下。
貧しい状態。
成功していない状態。
そこから上へ行く。
これはヒップホップの非常に典型的な物語でもある。
しかしAkonの場合、アメリカのR&Bスターとしての成功と、セネガル系としての文化的背景が重なる。
成功した後でも、自分がどこから来たかを忘れない。
現在の富だけでなく、出発点を意識する。
この考え方は『Akonda』全体とも一致する。
世界的スターとしてアフリカへ「行く」のではなく、もともとのルーツへ「戻る」。
音楽はベースの動きが強く、パーカッションと低音が身体的なグルーヴを作る。
タイトルの「下」という言葉と低音の重さが自然に対応している。
5. Boogie Down
「Boogie Down」は、本作の中でも特にダンスそのものへ直結した楽曲である。
“boogie”は踊ること。
“boogie down”は身体を自由に動かし、音楽へ入り込むことを意味する。
『Akonda』においてダンスは非常に重要だ。
それは単なる娯楽ではない。
共同体を作る行為でもある。
同じリズムを聞く。
同じ場所で動く。
年齢や国籍が違っても、ビートを共有する。
Afrobeatsが世界的に広がった理由の一つも、この身体的な開放性にある。
複雑な歌詞を理解しなくても踊れる。
言語を越えて伝わる。
この曲はその機能を非常に直接的に持つ。
Akonのヴォーカルも歌い込むより、反復によってグルーヴを作る。
声そのものがパーカッションの一部になっている。
6. Take Your Place
「Take Your Place」は、「自分の場所を取れ」「自分がいるべき位置へ行け」という意味を持つ。
この言葉には恋愛的な意味と自己肯定的な意味の両方を読み取れる。
恋人に対してなら、「自分の隣に来てほしい」。
人生についてなら、「自分がふさわしい場所を確保しろ」。
『Akonda』全体の文脈では、後者の意味も大きい。
アフリカン・ポップが世界市場の中心へ進みつつある時期に、「自分の場所を取る」というタイトルは象徴的である。
長く欧米ポップの周縁と見なされてきたアフリカ音楽が、もはや周辺ではなく中心の一部になる。
Akon自身も、かつてアメリカのメインストリームR&Bで成功した経験を使い、その橋渡しをしようとしている。
サウンドは柔らかく、歌唱もメロディック。
メッセージの強さを音楽で押しつけすぎない。
7. Control
「Control」は、コントロールをめぐる楽曲である。
恋愛では、誰が主導権を持っているのか。
自分の感情を制御できるのか。
相手に振り回されているのか。
このテーマはAkonが以前から頻繁に扱ってきた。
彼のラヴ・ソングでは、主人公が完全に冷静であることは少ない。
相手を求める。
嫉妬する。
距離を取ろうとする。
しかしまた戻る。
つまり“control”を歌いながら、実際にはコントロールを失っている場合が多い。
この曲でも、感情と身体の間にその緊張がある。
ビートは滑らかで、クラブ的な推進力を持つ。
音楽的には制御されている。
しかし歌詞では感情が揺れる。
その対比が印象的である。
8. Como No
「Como No」は、スペイン語圏の響きを取り入れた楽曲であり、『Akonda』の国際性を象徴する一曲である。
アルバムの中心はアフリカン・ポップだが、Akonはそこを閉じた文化として扱わない。
ラテン。
カリブ。
R&B。
ヒップホップ。
それらは互いに交差する。
特に2010年代後半は、Afrobeatsとラテン・ポップ、ダンスホールのリズムが世界的なポップの中で急速に近づいた時期だった。
共通するのは、シンコペーションと身体性である。
強い四つ打ちではなく、拍の間にリズムを置く。
そのため身体が自然に揺れる。
「Como No」はその国際的なダンス・ポップ感覚を強く持つ。
Akonのキャリアがもともと国境を越えたポップ市場を前提としていたことを考えると、本作の中でも非常に自然な方向である。
9. I’m a Rich Man
「I’m a Rich Man」は、タイトルだけなら典型的な富の誇示に見える。
「自分は金持ちだ」。
ヒップホップやR&Bには昔から、成功を富によって可視化する文化がある。
車。
宝石。
家。
服。
しかし“rich”という言葉には、金だけでなく人生の豊かさという意味もある。
『Akonda』の文脈で考えれば、Akonが提示する富には複数の層がある。
経済的成功。
文化的ルーツ。
家族。
影響力。
自分がどこから来たかを知っていること。
そのため、このタイトルは単なる自慢としてだけではなく、「豊かさとは何か」という問いにもつながる。
音楽は祝祭的で、自信の強いヴォーカルが前へ出る。
2000年代のAkon作品にあった成功者としての側面が、本作のアフロポップ的世界へ持ち込まれた一曲である。
10. Warrin
アルバムを締めくくる「Warrin」は、緊張感のあるタイトルと響きを持つ。
『Akonda』の大部分は、恋愛、ダンス、成功、アフリカへの肯定を明るいビートで描いてきた。
しかし最後に完全な楽観だけで終わらないことが重要である。
成功。
富。
祝祭。
それらが存在しても、現実世界には対立や競争がある。
アフリカという巨大で多様な地域も、もちろん一つの理想郷ではない。
Akonは本作で肯定的なイメージを強く提示するが、それが現実の複雑さを完全に消すわけではない。
終曲に少し緊張した感触を残すことで、アルバムは単純な観光的「アフリカ賛歌」から距離を取る。
ビートの反復も強く、最後まで身体性を維持する。
『Akonda』という世界を閉じながら、そこからさらに現実へ戻っていくような終わり方である。
総評
『Akonda』は、Akonのキャリアにおける「帰還」のアルバムである。
しかし、それは昔の音へ戻るという意味ではない。
むしろ、自分の文化的ルーツへ戻りながら、音楽は当時の現在へ進む。
ここが重要だ。
2000年代のAkonは、アメリカのヒップホップ/R&Bと世界的ポップ市場をつなぐスターだった。
『Trouble』では、「Locked Up」のストリート感と「Lonely」のメロディックなポップ性が同居していた。
『Konvicted』では、「Smack That」「I Wanna Love You」などによってヒップホップとの接続をさらに強めた。
『Freedom』では、よりエレクトロニックで国際的なポップへ向かった。
その後、長期間にわたってオリジナル・アルバムの発表が途切れる。
その空白を経て登場した『Akonda』では、中心となる音楽圏そのものが変わっている。
アメリカではない。
アフリカ。
これは非常に象徴的な選択である。
Akonが2000年代に大成功した時代、アフリカン・ポップは現在ほどアメリカのメインストリーム市場へ浸透していなかった。
しかし2010年代に状況は大きく変化する。
Wizkid。
Davido。
Burna Boy。
Tiwa Savage。
Mr Eazi。
Tekno。
多くのアーティストが国際市場へ進み、Afrobeatsという言葉そのものが欧米圏でも広く使われるようになる。
Drake、Major Lazer、Beyoncéなどの世界的アーティストも、アフリカやカリブのリズムを積極的に取り入れる。
つまり、Akonが『Akonda』を作った2019年には、「アフリカ的なポップを世界市場へ持っていく」という発想自体が、すでに大きな文化的潮流になっていた。
そのため本作は二重の意味を持つ。
Akonが自分のルーツへ戻ったアルバム。
そして、世界のポップ市場そのものがアフリカへ近づいてきた時期のアルバム。
この二つが一致した。
音楽的には、Akonの声がAfrobeatsへ非常によく合う。
彼の歌唱には昔から独特の揺れがある。
完全にソウルフルな太い声ではない。
少し鼻にかかる。
高音が細い。
しかし、その細さがメロディを軽くする。
2000年代には、それがシンセ主体のR&Bと組み合わさった。
『Akonda』では、その声がパーカッション中心のアフロポップへ乗る。
結果として、リズムに対して声が重くなりすぎない。
これは大きな長所である。
Afrobeatsでは、ヴォーカルがビートの上に巨大な塊として乗るより、リズムの間へ入ることが重要になる。
短いフレーズ。
反復。
メロディ。
掛け声。
Akonはもともとそうした作曲を得意としていた。
だからスタイル変更が不自然に聞こえない。
また、本作は「アフリカ音楽」を単一の伝統として扱っていない。
これは重要である。
アフリカは巨大な大陸であり、音楽文化も一つではない。
Afrobeats。
ハイライフ。
アフロポップ。
クワイト。
アマピアノ。
ンバラ。
アフロハウス。
地域ごとに全く異なる音楽が存在する。
『Akonda』は民族音楽学的にそれらを詳細に再現する作品ではなく、むしろ国際ポップ市場で成立する「現代アフリカン・ポップ」の混合を目指す。
だからR&Bもある。
ラテン的な曲もある。
ダンスホール的な感覚もある。
その混合性こそ、2010年代型アフロポップの現実でもある。
歌詞面では、以前のAkonと大きく変わらない部分も多い。
恋愛。
成功。
金。
疑い。
身体。
パーティー。
つまり政治的・社会的な概念アルバムではない。
「Welcome to Africa」のようにアフリカのイメージを積極的に再定義する曲はあるが、作品全体が社会批評へ向かうわけではない。
この点は重要な評価ポイントである。
『Akonda』はアフリカをテーマにしているが、文化研究的な深さを狙った作品ではない。
基本的にはポップ・アルバムである。
踊れる。
覚えやすい。
繰り返し聴ける。
その中で文化的な位置づけを変える。
だからこそ「Welcome to Africa」が重要になる。
アフリカは背景ではない。
アルバムの入り口である。
ただし、作品がアフリカ音楽史そのものを代表するわけではない。
むしろ「Akonという世界的ポップ・スターが、自分のキャリアの中心へアフリカを戻した作品」と理解する方が正確である。
タイトルの『Akonda』にも、自己ブランドと文化的想像力が重なる。
Akon。
Africa。
架空の国家や都市を想起させる響き。
これは、Akonが音楽以外でもアフリカの未来、都市開発、経済、自立について発言してきた活動とも心理的に接続する。
本作ではそれを政策論として説明するのではなく、ポップ・カルチャーの形で表現する。
「アフリカは未来的で、豊かで、魅力的な場所として想像できる」。
そのイメージを音楽によって作る。
これは長く欧米側から固定されてきたアフリカ像への対抗でもある。
一方で、本作の魅力は思想だけでなく、非常に軽いことにもある。
重いメッセージを背負わせすぎない。
「Boogie Down」では踊る。
「Low Key」では恋愛。
「Control」では欲望。
「Como No」では国際的なポップの混合。
この軽さがあるから、アルバム全体が文化的マニフェストではなく、普通のポップ作品として成立する。
2019年という時点では、この「普通であること」自体が重要だった。
アフリカン・ポップを「特殊なワールド・ミュージック」としてではなく、世界のポップ・ミュージックの一部として扱う。
Akonは本作でその姿勢を取っている。
プロダクションにもその考え方が表れる。
伝統楽器を過度に前面へ出して「アフリカらしさ」を演出するのではない。
電子ビート。
シンセ。
ベース。
パーカッション。
ポップなミックス。
つまり完全に現代的だ。
このサウンドは、アフリカ=伝統という固定観念から距離を取る。
現在のアフリカ都市部には当然クラブがあり、デジタル制作があり、世界の音楽とリアルタイムで接続している。
『Akonda』が描くのはその現代性である。
また、2000年代Akonとの比較では、孤独感が減っていることも興味深い。
「Lonely」。
「Sorry, Blame It on Me」。
「Locked Up」。
以前のAkonには、孤独、後悔、閉塞感を扱う代表曲が多かった。
『Akonda』ではもっと外向的である。
共同体。
ダンス。
恋愛。
祝祭。
富。
その変化には、年齢やキャリアの変化もある。
若いスターの孤独から、成功した人物がルーツや共同体を意識する段階へ進む。
その意味で本作はAkonの成熟を、暗さではなく帰属意識によって表現した作品ともいえる。
ただし、『Konvicted』のような圧倒的なシングル群を期待すると、本作の評価軸は異なる。
ここには「Smack That」級の世界的メガヒットを一曲作ることより、アルバム全体のムードを統一する意識がある。
曲同士は似た温度を持つ。
パーカッシヴ。
温暖。
軽快。
そのため個別曲の巨大な突出より、一枚を連続して流す聴き方に適している。
この均一性は長所でもあり、同時に『Konvicted』期ほどドラマティックな起伏が少ない理由にもなる。
それでも『Akonda』の歴史的な意味は明確である。
2000年代を代表するアフリカ系アメリカン・ポップスターの一人が、2010年代後半に自分のアフリカ的ルーツを世界的Afrobeatsブームと接続した。
これは個人的な回帰であると同時に、ポップ市場の重心変化を象徴する。
以前はアフリカ出身の音楽家が欧米市場へ適応することが求められた。
2010年代後半になると、欧米のアーティストや市場の側がAfrobeatsへ接近する。
Akonはその二つの時代を両方経験した。
だから『Akonda』には、彼ならではの歴史的位置がある。
本作は、Akonの2000年代型R&Bを期待するより、Afrobeats、アフロポップ、ダンスホール、ラテン・ポップが交差する2010年代後半の国際的ポップを重視するリスナーに適している。また、Akonのセネガル系ルーツとグローバル・ポップスターとしての経歴がどのように一枚の作品へ統合されたかを見るうえでも重要である。
『Akonda』は、Akonが過去の成功を再演する作品ではない。
「Lonely」をもう一度作らない。
「Smack That」をもう一度作らない。
代わりに、自分の出自と現在の世界的ポップ・トレンドが交わる場所へ進む。
そこに本作の価値がある。
Akonが「世界へ出たアフリカ系スター」から、「アフリカを世界の中心の一つとして提示するスター」へ立場を変えた作品。
それが『Akonda』である。
おすすめアルバム
Akon – Konvicted(2006)
Akonの商業的ピークを代表する作品。「Smack That」「I Wanna Love You」「Don’t Matter」などを収録し、R&B、ヒップホップ、ポップを国際市場向けに融合した。『Akonda』との比較によって、彼のメロディ感覚がアメリカ型R&Bからアフロポップへどう移ったかが分かる。
Burna Boy – African Giant(2019)
『Akonda』と同じ2019年に発表された、Afrobeats/アフロフュージョンの世界的拡大を象徴する重要作。アフリカの歴史、政治、ナイジェリア社会、ダンス・ミュージックをより深く統合しており、『Akonda』の時代背景を理解するうえで非常に関連性が高い。
Wizkid – Sounds from the Other Side(2017)
AfrobeatsをR&B、ダンスホール、カリブ系ポップへ接続し、国際市場へ広げた作品。『Akonda』と同様、地域性を保持しながらグローバルなポップとして成立させるという方向を明確に示している。
Davido – A Good Time(2019)
ナイジェリアのAfrobeatsを世界的ポップへ展開した代表的な作品。恋愛、富、ダンス、祝祭を中心にした明るい音楽性は『Akonda』と近く、2019年前後のアフロポップが持っていた国際的な勢いを理解するのに適している。
Mr Eazi – Life Is Eazi, Vol. 2 – Lagos to London(2018)
タイトル通りLagosとLondonを結び、アフリカと欧州のポップ文化を往復する作品。軽いリズム、ミニマルなAfrobeats、国際的な共同制作という点で、『Akonda』が示す「国境を越えた現代アフリカン・ポップ」と強く共鳴する。

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