アルバムレビュー:A Good Feelin’ to Know by Poco

※本記事は生成AIを活用して作成されています。

Spotifyジャケット画像

発売日: 1972年9月
ジャンル: カントリー・ロック、フォーク・ロック、ウェストコースト・ロック


概要

『A Good Feelin’ to Know』は、Pocoが1972年に発表した4作目のスタジオ・アルバムであり、商業的成功を強く意識して制作された“勝負作”である。
バンドの中心人物リッチー・フューレイが、「今度こそヒットさせたい」という明確な意図のもとに構築した本作は、よりポップなメロディ、洗練されたアレンジ、そしてダイナミックなサウンドへと傾斜しており、Pocoの音楽的アイデンティティを維持しながらも、“大衆性”との接続を試みた重要作である。

しかし、バンドの代表曲にもなる表題曲「A Good Feelin’ to Know」を含みながらも、本作はチャート上では期待されたほどの成功を収めなかった。
その失望から、フューレイはバンド脱退を決意することとなり、結果的に本作はPocoのひとつの到達点であると同時に、創設メンバーによる最終章という意味合いも持つ“転機”のアルバムとなった。


全曲レビュー

1. And Settlin’ Down

フューレイ作のオープニングナンバーで、カントリーロックの枠を超えたポップ感が光る。
「落ち着いた暮らしも悪くない」という歌詞が、当時の彼の心情を穏やかに反映している。
コーラスワークとスチールギターのバランスも見事。

2. Ride the Country

ポール・コットン作の軽快なトラック。
アメリカの大地を駆け抜けるような疾走感と、コットンの乾いたボーカルが爽快な印象を残す。
カントリーの語法に忠実でありながら、ロック的骨格も感じられる楽曲。

3. I Can See Everything

ティモシー・B・シュミットによる柔らかで幻想的なバラード。
“すべてが見える”というリリックは、内面の透明性と精神的な高揚を象徴している。
ドリーミーなコード進行と繊細なコーラスが美しい。

4. Go and Say Goodbye

スティーヴン・スティルス作、バッファロー・スプリングフィールド時代の楽曲のカバー。
Poco流のアレンジが加えられ、より明るくエネルギッシュな印象に仕上がっている。
原点回帰であり、同時に自己更新の試みとも受け取れる。

5. Keeper of the Fire

中盤を引き締めるロッキンなナンバー。
バンドのエネルギッシュな一面が前面に出ており、熱量の高い演奏とシャープなギターが聴きどころ。
タイトルの“火を守る者”とは、バンドや音楽に対する信念そのものだろう。

6. Early Times

ナッシュビルの雰囲気を感じさせる、クラシックなカントリーテイストの楽曲。
回顧的なリリックと、バンジョーやスチール・ギターが懐かしさを呼び起こす。
過去と現在を繋ぐノスタルジックな一編。

7. A Good Feelin’ to Know

本作のタイトル曲にして、Pocoの代表曲のひとつ。
高揚感あるコーラスとリズムが心地よく、まさに“良い気分を知る”ことの象徴となるような明朗な一曲。
ポップ・ロックの普遍性とカントリー・ロックの滋味が完璧に融合している。

8. Restrain

ブルース・フィールを感じさせるミディアムナンバー。
ややダークなコード進行と、憂いを帯びたボーカルがアルバム終盤に陰影を加える。
“抑圧”というタイトル通りの緊張感が漂う。


総評

『A Good Feelin’ to Know』は、Pocoがカントリー・ロックの文脈にありながら、より広いリスナー層へと歩み寄ろうとした“野心と真摯さ”が交差する作品である。
洗練されたアンサンブル、叙情的でありながらもダイナミズムを備えたサウンド、そして何よりも“希望と失望”が同居するようなリリックの豊かさが、アルバム全体を深く包んでいる。

結果としてチャート面での成功は限定的だったが、本作に込められた“音楽の純度”は今も揺るがず、カントリー・ロック史における名盤としての地位を確立している。
特に、後のイーグルスやソフトロック勢に大きな影響を与えたという点でも、本作の持つ文化的意味は決して小さくない。


おすすめアルバム(5枚)

  1. EaglesDesperado (1973)
     叙情的カントリー・ロックの代表作。Pocoの表題曲に通じる広がりがある。
  2. Buffalo Springfield – Retrospective (1969)
     フューレイのルーツをたどるコンピ。『Go and Say Goodbye』の原曲も収録。
  3. Loggins & Messina – Full Sail (1973)
     メロウなサウンドとウェストコースト的アンサンブルが共通する。
  4. America – Homecoming (1972)
     軽やかでメロディアスなフォーク・ロック。Pocoのポップ性と共鳴。
  5. Souther–Hillman–Furay Band – Souther–Hillman–Furay Band (1974)
     フューレイの新たな船出。本作の延長線として聴きたい一枚。

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