発売日: 1983年1月20日
ジャンル: ハードロック、グラムメタル
Def Leppardの3rdアルバム『Pyromania』は、彼らを一躍スターダムに押し上げた作品であり、80年代のロックシーンを象徴する重要なアルバムである。マット・ラングが引き続きプロデュースを担当し、洗練されたサウンドとキャッチーなメロディが際立つ本作は、彼らの特徴であるハードロックの重厚さとポップセンスの融合をさらに進化させた。シングルカットされた「Photograph」や「Rock of Ages」の大ヒットにより、アルバムは全米でも大成功を収め、バンドの地位を確固たるものにした。
各曲ごとの解説:
- Rock! Rock! (Till You Drop)
パワフルなギターリフとエネルギッシュなドラムで始まる、アルバムのイントロを飾るナンバー。ライブ感溢れる勢いでリスナーを一気に引き込み、タイトル通り「ロックで盛り上がれ!」というメッセージが詰まった熱狂的な楽曲。 - Photograph
このアルバム最大のヒット曲で、ポップとロックが絶妙に融合している。歌詞は憧れの女性への思いを描いたシンプルなラブソングだが、そのキャッチーなメロディとフィル・コリンの輝くようなギターリフが特に印象的。リリース当時から現在まで、バンドの代表曲として愛されている。 - Stagefright
スピード感とスリル満点のトラック。歌詞は緊張や不安、ステージ上のプレッシャーをテーマにしており、エネルギッシュなリズムがそれを後押しする。ギターソロも高速で、バンドの演奏技術が光る一曲。 - Too Late for Love
ダークでドラマチックなイントロから始まるバラード風の楽曲。バンドの持つ哀愁漂う一面が表現されており、ジョー・エリオットの感情的なボーカルが特に際立つ。ミッドテンポながらも力強さがあり、ライブでも人気の高い曲だ。 - Die Hard the Hunter
重厚なイントロとともに展開する曲で、戦争とトラウマをテーマにした深い内容の歌詞が印象的だ。リフが強烈で、エモーショナルなボーカルとシリアスなテーマがバンドの幅広い表現力を示している。 - Foolin’
ミッドテンポのバラード風のナンバーで、歌詞は失恋や裏切りをテーマにしている。アコースティックギターからエレクトリックギターへの切り替えが劇的で、エリオットの力強いボーカルとサビのキャッチーさが印象的な一曲だ。 - Rock of Ages
このアルバムのもう一つの大ヒット曲で、アンセム的な性格を持つ。キャッチーな「gunter glieben glauchen globen」というユニークなイントロで始まり、エネルギッシュなサビが一度聴いたら忘れられない。歌詞は人生を楽しむことを謳っており、コンサートで必ず盛り上がる定番のナンバー。 - Comin’ Under Fire
恋愛のもつれと感情の衝突をテーマにしたミッドテンポの曲。メロディアスで聴きやすく、エリオットのボーカルが感情豊かに響く。バンドのメロディセンスが際立っている一曲。 - Action! Not Words
シンプルなロックンロールスタイルの曲で、直接的で力強いメッセージを持つ。テンポが速く、アレンジも軽快。ライブパフォーマンス映えする一曲で、観客を一気に盛り上げるエネルギーを持っている。 - Billy’s Got a Gun
ミステリアスでダークな雰囲気を漂わせるアルバムの最後の曲。タイトル通り、暴力や復讐のテーマを扱っており、ギターリフが重厚でドラマチック。曲が進むにつれて緊張感が高まり、サスペンス感を持たせたエンディングが印象的。
アルバム総評:
『Pyromania』は、Def Leppardがそのポップ性とハードロックの融合をさらに進化させた画期的なアルバムだ。キャッチーなメロディと力強いサウンドは、当時のロックシーンにおいて革新的であり、バンドのグローバルな成功を決定づけた。シングルヒットの「Photograph」や「Rock of Ages」は今でも語り継がれる名曲で、バンドのキャリアを象徴する楽曲となった。『Pyromania』は、80年代のロックを語る上で欠かせない作品である。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚:
- Hysteria by Def Leppard
『Pyromania』の次作で、バンドがさらにポップなサウンドを追求した作品。ヒット曲「Pour Some Sugar on Me」や「Love Bites」を収録し、商業的にも大成功を収めた。 - 1984 by Van Halen
キーボードを取り入れ、よりキャッチーでポップな方向に進んだVan Halenのアルバム。『Pyromania』のようにハードロックとポップを融合させたサウンドが特徴。 - Shout at the Devil by Mötley Crüe
よりヘヴィで反抗的なスタイルながらも、キャッチーなメロディを持つMötley Crüeの名作。80年代ロックの雰囲気を感じさせるアルバム。 - Slippery When Wet by Bon Jovi
Def Leppardと同様に、ハードロックの要素とポップなメロディを融合させたBon Joviの大ヒット作。「Livin’ on a Prayer」など、アンセム的な楽曲が多数収録されている。 - Headhunter by Krokus
スイスのハードロックバンドKrokusの代表作。『Pyromania』同様、ハードなサウンドとキャッチーなフックが際立っており、メロディアスな楽曲が楽しめる。
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