Archers of Loafとは?“Web in Front”で90年代USインディーを切り裂いた、荒く知的なギター・ロック・バンド

※本記事は生成AIを活用して作成されています。

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Archers of Loafは、1991年にアメリカ・ノースカロライナ州チャペルヒルで結成されたインディー・ロック・バンドである。中心となるのはボーカル/ギターのEric BachmannとギターのEric Johnson。そこにベースのMatt Gentling、ドラムのMark Priceを加えた4人で活動してきた。

彼らの音楽を一言で表すなら、荒々しいのに曲そのものはよく練られたギター・ロックだ。2本のギターはきれいに重ならず、ときには互いにぶつかるような音を出す。その下ではベースとドラムが力強く動き、Bachmannが少しかすれた声で歌う。

特に1993年の「Web in Front」は、90年代USインディー・ロックを代表する曲の一つとして知られている。PavementやSuperchunkなどが活躍した時代に登場したバンドだが、Archers of Loafにはもっと硬く、せわしなく、苛立った感触があった。

アーティストの背景と歴史

Archers of Loafが生まれたチャペルヒル周辺は、90年代前半のアメリカでインディー・ロックが盛り上がった地域の一つだった。同じノースカロライナではSuperchunkやPolvoなども活動しており、多くのギター・バンドが独自の音を追求していた。

Archers of Loafは1992年に最初のシングル「Wrong / South Carolina」を発表する。この作品がカレッジ・ラジオなどを通じて知られるようになり、ロサンゼルスのインディー・レーベル、Alias Recordsとの契約につながった。

1993年にはファースト・アルバムIcky Mettleを発表する。冒頭に収録された「Web in Front」をはじめ、ノイズの多いギター、勢いのあるリズム、覚えやすいメロディが一気に鳴る作品だった。

その後も1995年のVee Vee、1996年のAll the Nations Airportsと作品を重ねる。初期の勢いをそのまま繰り返すのではなく、録音を整理したり、静かな部分を増やしたりしながら音楽の幅を広げていった。

1998年のWhite Trash Heroesでは、キーボードやサンプルなども取り入れ、さらに違った方向を試している。しかし長期間にわたるツアーなどでバンドは疲弊しており、この時期を最後に活動を停止した。

転機が訪れたのは2011年だった。4人は再び集まり、ライブ活動を開始する。当初は90年代の作品を演奏する再結成だったが、やがて新曲も作られるようになった。

2020年には「Raleigh Days」と「Talking Over Talk」を発表。2022年には24年ぶりのスタジオ・アルバムReason in Declineをリリースした。若い頃の音をそのまま再現するのではなく、年齢を重ねた4人の現在を反映した復帰となった。

音楽スタイルと特徴

Archers of Loafでまず耳に入るのは、2本のギターの奇妙な組み合わせである。

一般的なロックでは、片方がコードを弾き、もう片方がメロディやソロを担当することが多い。しかしArchers of Loafでは、2本がそれぞれ別方向へ進むように聞こえる瞬間がある。片方がざらついたコードを鳴らしている横で、もう片方が高い音や不安定なフレーズを差し込む。

しかも、単にギターを騒がしく鳴らしているわけではない。ノイズの間から短く強いメロディが出てくる。「Web in Front」がその典型で、ギターはかなり荒れているのに、歌のメロディはすぐ覚えられる。

Matt Gentlingのベースも重要だ。ギターの下で単純に同じ音をなぞるのではなく、独立して動くことが多い。そのため、2本のギターがぶつかり合っていても、曲には前へ進む力が残る。Mark Priceのドラムも細かく反応し、バンド全体を強く押していく。

Eric Bachmannのボーカルは、きれいに歌い上げるタイプではない。少しかすれた声で言葉を吐き出し、ときには叫ぶ寸前まで力を入れる。歌詞にも苛立ちや皮肉、居心地の悪さが表れやすく、この声が演奏のざらつきによく合っている。

こうした特徴からPavementと比較されることもあるが、感触はかなり違う。Pavementの演奏にある力の抜けた感じに対して、Archers of Loafは身体全体に力が入っているように聞こえる。曲が崩れそうでも、リズム隊は強く前進する。その緊張感が大きな特徴だ。

代表曲の楽曲解説

「Web in Front」

1993年のIcky Mettleを開く、Archers of Loafの代表曲である。

短いギターのフレーズから始まり、すぐにバンド全体が雪崩れ込んでくる。ギターにはノイズや不協和音が混ざっているが、中心には非常に強いメロディがある。

荒れた演奏とポップな曲作りが同時に存在するため、Archers of Loafの特徴が数分で分かる。「うるさいギター」と「覚えやすい歌」が矛盾せず成立するところが、このバンドの強みである。

「Wrong」

バンド初期を代表する曲で、1992年に最初のシングルとして発表された。

「Web in Front」以上に初期の荒々しさが前面に出ている。ギターは鋭く、リズムには落ち着かない勢いがある。それでも単なるパンクにはならず、途中に差し込まれるギターの音や展開には少しひねりがある。

完成されたバンドになる前から、Archers of Loafらしい「勢いと奇妙さ」がすでに存在していたことが分かる曲だ。

「Harnessed in Slums」

1995年のVee Veeを代表する曲である。

初期の騒々しさを残しながら、演奏にはさらに重量感が加わっている。特にリズム隊が強く、ギターだけで押し切るのではなく、4人全体で巨大な塊を動かしているように聞こえる。

Bachmannの声も切迫しており、Icky Mettleからさらに力強くなったArchers of Loafを理解しやすい。

「Vocal Shrapnel」

1996年のAll the Nations Airportsに収録された曲である。

この時期になると、初期のようにすべてをノイズで埋めるのではなく、音と音の間に少し空間が生まれている。ギターの音色も聞き分けやすくなり、メロディの存在が前に出てきた。

初期作品だけを聴くと「荒々しい90年代インディー・バンド」という印象になりやすいが、この曲からは彼らがもっと広い音楽を目指していたことが分かる。

「White Trash Heroes」

1998年の同名アルバムを代表する後期の楽曲である。

ここでは初期のようなギター中心の突進から離れ、キーボードや反復するフレーズを使った広がりのある音へ変化している。演奏にもどこか疲れた空気があり、若い頃の苛立ちとは違う重さがある。

同じスタイルを繰り返さず、バンドが別の方法を探していたことがよく分かる曲だ。

アルバムごとの進化

Icky Mettle(1993年)

Archers of Loafの基本形が最も分かりやすく表れたファースト・アルバムである。

「Web in Front」「Wrong」などを収録し、ざらついたギターと勢いのあるリズムがほとんど整理されないまま飛び出してくる。しかし、その騒々しさの中心にはしっかりしたメロディがある。

録音の荒さまで含めて、90年代前半のアメリカン・インディーらしい勢いを強く感じさせる作品だ。

Vee Vee(1995年)

セカンド・アルバムでは、初期の特徴を残しながら演奏がさらに太くなった。

「Harnessed in Slums」のような曲では、ベースとドラムの存在感が強まり、バンド全体が一つの大きなリズムを作っている。一方で、単純にIcky Mettleを再現した作品ではない。

曲の構成にも余裕が生まれ、激しさだけではない部分が見え始める。初期Archers of Loafの完成度という意味では、Icky Mettleと並ぶ重要作である。

All the Nations Airports(1996年)

3作目では録音がより整理され、音の見通しがよくなった。

以前はギター同士がぶつかること自体が魅力だったが、この作品では一つ一つの楽器をよりはっきり聞かせる場面が増える。静かな部分も使うようになり、曲の幅が広がった。

初期の爆発力だけを求めると穏やかに感じるかもしれない。しかし、バンドが同じギター・ロックを繰り返さず、新しい音を探し始めたことが分かる作品である。

White Trash Heroes(1998年)

90年代における最後のスタジオ・アルバムである。

ここではキーボードやサンプルを取り入れ、制作方法そのものが変わっている。4人が一斉に演奏する感覚だけに頼らず、スタジオで音を組み立てる方法も使われた。

その結果、Icky Mettleとはかなり違ったアルバムになった。ギターの衝突だけではなく、反復する音や空間の使い方が目立つ。

バンドはこの作品の後に活動を停止することになるため、結果的には最初の時代の終着点となった。

Reason in Decline(2022年)

再結成後初、そしてWhite Trash Heroes以来24年ぶりとなったスタジオ・アルバムである。

ここで重要なのは、90年代の音を完全に再現しなかったことだ。ギターにはArchers of Loafらしいざらつきが残っているが、演奏には以前より空間があり、Bachmannの歌も若い頃とは違う落ち着きを持っている。

若者の焦りを鳴らしていたバンドが、年齢を重ねた後に何を演奏できるのか。その答えを新曲で示した作品になっている。

影響を受けたアーティストと音楽

Archers of Loafのメンバーは、かなり幅広い音楽を聴いていた。

Matt Gentlingは後年のインタビューで、自身はパンクを好み、Eric JohnsonはBig Countryなどのイギリスの音楽、Eric BachmannはSonic Youthを入口に、さらに実験的な音楽へ興味を広げていたと振り返っている。

特にBachmannとJohnsonの組み合わせが、Archers of Loafのギターを理解するうえで重要だ。BachmannはGlenn Brancaなどのノイズや実験性が強い音楽に関心を持っていた。一方のJohnsonはBig CountryやThe Poguesなどを好んでいた。

つまり、最初から「ノイズ・ロックを作ろう」と全員が同じ方向を向いていたわけではない。異なる好みを持つ4人が、一緒に大きな音を鳴らした結果として、あの少しねじれたギター・ロックが生まれた。

後のインディー・ロックへの影響

Archers of Loafは、Nirvanaのようにオルタナティブ・ロックを大衆市場へ広げたバンドではない。90年代を通じて、基本的にはインディー・ロックの側にいた。

だからこそ、彼らが残したものは「大成功したバンドの方法」とは少し違う。

きれいなギター・サウンドに整えなくても、ノイズの中に強いメロディを置けば曲として成立する。ギター同士がぶつかっても、リズム隊が強ければ前へ進める。こうした作り方は、90年代以降のアメリカン・インディーに広く見られる考え方でもある。

同時代のPavementやSuperchunk、Polvoとは、それぞれ音が違う。しかし彼らとともに、90年代USインディー・ロックが一つの決まったスタイルではなかったことを示したバンドとしてArchers of Loafを捉えると分かりやすい。

Pavementほど力が抜けておらず、Superchunkのような一直線の疾走感とも少し違う。Polvoほどギターの複雑さそのものを前面に出すわけでもない。Archers of Loafは、ノイズ、メロディ、強いリズム、苛立った歌声を独自のバランスで結びつけていた。

まとめ

Archers of Loafは、90年代USインディー・ロックの荒々しさを分かりやすく伝えるバンドである。しかし魅力は、単にギターがうるさいことではない。

2本のギターは互いにぶつかるように動き、ベースはその間を独立して走る。ドラムは演奏全体を前へ押し、Eric Bachmannの荒れた声がその上に乗る。それでも中心には覚えやすいメロディがある。

その特徴が最も凝縮されているのが「Web in Front」であり、Icky MettleとVee Veeでは初期の勢いをまとまった形で聴くことができる。その後はAll the Nations Airports、White Trash Heroesへと音を広げ、2022年のReason in Declineでは過去の再現ではない新しいArchers of Loafを残した。

荒さを消さず、複雑さを難解さだけに向かわせず、ノイズの中に歌として残るメロディを置く。そのバランスこそが、Archers of Loafを90年代USインディーの中でも独特な存在にしている。

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