発売日: 1986年10月24日
ジャンル: クリスチャンメタル、ヘヴィメタル、グラムメタル
Stryperの3作目となる『To Hell with the Devil』は、彼らの最高傑作とされるアルバムであり、クリスチャンメタルの金字塔として広く認知されている。前作『Soldiers Under Command』で築いた成功をさらに拡大し、バンドの商業的な頂点を象徴する作品となった。1980年代のヘヴィメタルとグラムメタルの要素を取り入れつつ、クリスチャンメッセージを全面に押し出したこのアルバムは、世俗的なメタルバンドとは一線を画す存在感を放っている。
プロデュースはステファン・ガルファスが担当し、力強いギターリフ、キャッチーなメロディ、そして感情豊かなバラードが収録されている。特にシングル「Calling on You」「Free」「Honestly」はMTVで広く放映され、Stryperを世界的な成功へと押し上げた。
1. Abyss (To Hell with the Devil)
アルバムのイントロダクション的なトラックで、暗闇の中に希望の光が差し込むようなドラマチックなサウンドが印象的。タイトル曲への序章としての役割を果たしている。
2. To Hell with the Devil
アルバムタイトル曲で、Stryperの代表曲の一つ。力強いギターリフと挑戦的な歌詞が特徴的で、悪に立ち向かう姿勢を力強く表現している。
3. Calling on You
キャッチーなメロディと希望に満ちた歌詞が融合した楽曲。MTVでの頻繁な放映により広く知られるようになり、Stryperのポップセンスが際立つ一曲。
4. Free
自由と選択のテーマを歌った楽曲で、明確なクリスチャンメッセージを持ちながらもキャッチーなリフとコーラスが印象的。エネルギッシュでライブ映えするトラック。
5. Honestly
感情的なバラードで、アルバムの中でも特に有名な楽曲。スティーヴン・スウィートのピアノとスウィート兄弟のハーモニーが楽曲に深みを与えている。MTVのパワープレイにより大ヒットを記録。
6. The Way
疾走感のあるハードロックトラックで、ニール・ショーンに通じるようなギターソロが圧巻。メタルファンにも響くヘヴィな楽曲。
7. Sing-Along Song
タイトル通りシンガロングしやすい楽曲で、明るく力強いメッセージが込められている。ライブでの盛り上がりが目に浮かぶ一曲。
8. Holding On
ポップでメロディアスな楽曲で、前向きなメッセージとスウィートの情感豊かなボーカルが特徴的。
9. Rockin’ the World
エネルギッシュなロックナンバーで、Stryperが世界中にメッセージを届ける使命感を歌っている。
10. All of Me
感情豊かなバラードで、愛と献身をテーマにした歌詞が美しい。ギターソロが楽曲に感動的な深みを加えている。
11. More Than a Man
アルバムの締めくくりにふさわしい壮大な楽曲で、キリストを賛美するメッセージが全面に込められている。楽曲のスケール感とドラマチックな構成が印象的。
アルバム総評
『To Hell with the Devil』は、Stryperがヘヴィメタルとクリスチャンメッセージを融合させ、音楽的にも商業的にも頂点を極めた作品である。アルバム全体に力強さと優美さが共存しており、メタルファンだけでなく幅広いリスナーにアピールした。特に「Honestly」の成功は、バンドの知名度を飛躍的に高めた要因の一つである。このアルバムは、クリスチャンメタルというジャンルの最高峰として、今なお輝きを放つ名盤だ。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Heaven and Hell by Black Sabbath
重厚なギターリフと宗教的テーマが共通する作品で、ドラマチックなメタルサウンドが楽しめる。
Pyromania by Def Leppard
キャッチーなメロディとヘヴィメタルのエッジが融合した名盤で、Stryperファンにおすすめ。
The Final Countdown by Europe
アンセミックなロックサウンドが特徴で、『To Hell with the Devil』の壮大なスタイルに近い作品。
Hysteria by Def Leppard
洗練されたプロダクションとキャッチーな楽曲が魅力で、Stryperのポップセンスを好むリスナーにぴったり。
Metal Health by Quiet Riot
80年代のメタルシーンを象徴する作品で、Stryperのハードロックな一面と共通するエネルギーが楽しめる。
コメント