発売日: 2012年9月3日
ジャンル: インディーロック / ガレージロック
「Come of Age」は、The Vaccinesのセカンドアルバムであり、前作「What Did You Expect from The Vaccines?」の勢いを引き継ぎつつ、より成熟したサウンドを追求した作品だ。本作では、青春のエネルギーをそのままに、より深みのある楽曲と多様なアレンジが特徴となっている。
リードシングル「Teenage Icon」や「No Hope」は、若者特有の不安やアイデンティティの模索をテーマにしており、前作に比べて歌詞の内容がより内省的で自己反省的なものとなっている。一方で、キャッチーなメロディとエネルギッシュな演奏は健在で、アルバム全体を通じて聴きやすく仕上がっている。
各トラック解説
1. No Hope
アルバムの幕開けを飾るメランコリックなトラック。アイデンティティの葛藤と自己嫌悪をテーマにした歌詞と、シンプルなギターリフが印象的。
2. I Always Knew
ドリーミーなギターリフとエモーショナルなメロディが光るトラック。恋愛の甘さと切なさを描いた歌詞が、多くのリスナーの心に響く。
3. Teenage Icon
アルバムを代表するエネルギッシュな楽曲。若者としての疎外感や、自分のあり方を模索する姿をユーモラスに描いている。
4. All in Vain
メランコリックなトーンが漂うトラック。内省的な歌詞と静かなギターが、アルバムの中で一息つける瞬間を提供する。
5. Ghost Town
重厚なギターとミステリアスな雰囲気が特徴のトラック。タイトル通り、寂しさや不安が感じられる。
6. Aftershave Ocean
明るいメロディと爽やかなアレンジが特徴のトラック。希望と感傷が交錯する楽曲で、歌詞には若者特有の不安が織り込まれている。
7. Weirdo
ゆったりとしたテンポとユニークな歌詞が魅力の一曲。周囲との違いを感じる孤独や奇妙さがテーマとなっている。
8. Bad Mood
攻撃的なギターとボーカルが印象的なトラック。怒りやフラストレーションをストレートに表現したエネルギッシュな楽曲。
9. Change of Heart Pt. 2
ポップでキャッチーなトラック。軽快なギターとコーラスが印象的で、失恋の複雑な感情を描いている。
10. I Wish I Was a Girl
挑発的な歌詞と、シンプルながらも中毒性のあるメロディが際立つトラック。性別やアイデンティティについて考えさせられる内容。
11. Lonely World
アルバムのラストを飾る感傷的な楽曲。静かでメランコリックなトーンが特徴で、リスナーに深い余韻を残す。
アルバム総評
「Come of Age」は、The Vaccinesがバンドとしての成長を示した作品であり、前作に比べてテーマやサウンドがより多面的で深みのあるものとなっている。特に「No Hope」や「Teenage Icon」のような楽曲は、若者の葛藤や不安をシンプルかつエネルギッシュに描き、彼らの独自性を際立たせている。一方で、アルバム全体を通じてメランコリックなトーンが増しており、バンドの成熟を感じさせる。
キャッチーなメロディとストレートな歌詞は健在で、前作を楽しんだリスナーにとっても満足度の高い一枚だ。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Is This It by The Strokes
キャッチーでエネルギッシュなインディーロックが、「Come of Age」のファンに響く。
Employment by Kaiser Chiefs
ポップでキャッチーなサウンドと若者の感情を描いた歌詞が共通する。
Favourite Worst Nightmare by Arctic Monkeys
疾走感のあるロックサウンドと若者特有の葛藤を描くテーマが似ている。
A Brief Inquiry into Online Relationships by The 1975
内省的な歌詞と多様なサウンドが、「Come of Age」のファンにおすすめ。
Franz Ferdinand by Franz Ferdinand
ダンサブルでキャッチーなインディーロックが、「Teenage Icon」のようなトラックが好きな人にぴったり。
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