発売日: 1999年1月12日
ジャンル: オルタナティブロック / ポップロック / サーフロック
Sugar Rayの3枚目のアルバム14:59は、彼らを一発屋とみなしていた批評家たちの予想を覆し、大ヒットを記録した作品だ。アルバムタイトルは、彼らの成功が「15分間の名声で終わるだろう」と言われたことに対する皮肉を込めており、その自虐的なユーモアがアルバム全体の軽快でリラックスしたトーンにも反映されている。
前作Flooredの大ヒットシングル「Fly」に続き、本作ではポップロックやサーフロックの要素をさらに前面に押し出し、Sugar Rayならではのキャッチーで耳なじみの良い楽曲が揃っている。「Every Morning」や「Someday」のような楽曲は、彼らの代表曲として広く愛され、ラジオやMTVでヘビーローテーションされるほどの人気を博した。プロデュースを手掛けたデヴィッド・カーンの手腕も光り、アルバム全体がポップで明るいムードに満ちている。
トラック解説
1. New Direction
アルバムのオープニングを飾る短いインスト曲で、新しい方向性を示唆するタイトル通り、アルバム全体のリラックスした雰囲気を予感させる。
2. Every Morning
アルバムを代表するヒット曲で、軽快なアコースティックギターのリフとキャッチーなコーラスが特徴的。恋愛の喜びと切なさを描いた歌詞と、Sugar Rayらしい陽気なサウンドが融合している。
3. Falls Apart
ポップなメロディの中に切なさを織り交ぜた楽曲で、壊れゆく関係性を歌っている。軽快なギターとリズミカルなドラムが心地よい。
4. Personal Space Invader
ファンキーなベースラインとユーモラスな歌詞が特徴的な一曲。遊び心が溢れる楽曲で、バンドの多面的な魅力を感じられる。
5. Live & Direct
レゲエの要素を取り入れた楽曲で、バンドのサーフロック的な雰囲気が色濃く反映されている。リラックスしたムードが心地よい。
6. Someday
「Every Morning」に続く代表曲で、ノスタルジックなメロディと感情的な歌詞が特徴的。サーフロックの要素を取り入れた穏やかな楽曲で、多くのリスナーに愛されている。
7. Aim for Me
疾走感のあるロックナンバーで、Sugar Rayのエネルギッシュな一面が発揮された一曲。ヘヴィなギターリフが印象的。
8. Ode to the Lonely Hearted
シンプルな構成ながらも、哀愁漂うメロディが心に響く楽曲。バンドの感情的な深みを感じられる一曲だ。
9. Burning Dog
ハードロック調の楽曲で、アルバム全体の中でも異彩を放つ。荒々しいギターサウンドと力強いボーカルが特徴。
10. Even Though
アコースティックな雰囲気が漂う楽曲で、シンプルなメロディが心に残る。リラックスしたトーンがアルバムのバランスを保っている。
11. Abracadabra
スティーブ・ミラー・バンドの名曲をカバーした楽曲。Sugar Rayらしいポップなアレンジが加わり、原曲とは一味違った仕上がりになっている。
12. Glory
疾走感溢れる楽曲で、バンドのハードロック的な一面を感じられる。ギターリフが際立ち、ライブ映えする一曲だ。
13. New Direction (Reprise)
冒頭曲のリプライズで、アルバム全体を締めくくる短いインスト。アルバムのテーマを静かに回想させる。
アルバム総評
14:59は、Sugar Rayがポップロックバンドとしての地位を確立したアルバムであり、「Every Morning」や「Someday」といった名曲を通じて、彼らの明るくキャッチーなサウンドが広く認知された作品だ。前作Flooredのニューメタル的な要素を脱却し、よりリラックスしたサーフロックやポップロックの方向性へとシフトしたことで、幅広いリスナー層にアピールした。
プロデューサーのデヴィッド・カーンの手腕も光り、アルバム全体に統一感と親しみやすさをもたらしている。バンドの遊び心とリラックスした雰囲気が心地よく、夏の日にぴったりのアルバムだ。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Tragic Kingdom by No Doubt
スカとポップロックが融合した名盤で、明るくキャッチーなサウンドが共通している。
Room for Squares by John Mayer
アコースティックギターを主体とした穏やかなポップロックが、Sugar Rayのリラックスした楽曲と相性が良い。
Songs About Jane by Maroon 5
キャッチーなメロディとポップなサウンドが特徴のアルバム。ラジオフレンドリーなSugar Ray好きにおすすめ。
Is This It by The Strokes
同じ2000年代初期に活躍したバンドで、シンプルなギターロックの魅力を感じられる。
Elephant by The White Stripes
ローファイなギターサウンドとキャッチーなメロディが楽しめるアルバムで、Sugar Rayの初期のエネルギーに共鳴する。
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