発売日: 2020年12月4日
ジャンル: ポップ、ポップロック、ソフトロック
Wonderは、Shawn Mendesの4作目のスタジオアルバムで、彼がさらなる音楽的成長と自己探求を追求した作品である。Wonderでは、これまでのポップやポップロックの要素に加えて、オーケストラを取り入れた壮大なサウンドや、80年代を彷彿とさせるレトロな音響が加わり、これまで以上にドラマチックで深みのある作品に仕上がっている。Mendesのボーカルもより力強く、感情表現が豊かで、自己反省や人生の意味に関する問いかけが随所に表現されている。
このアルバムは、Mendesが自分自身や愛する人との関係性、そして成功と責任との葛藤を探求する内容が詰まっており、アーティストとしての進化を感じさせる。また、プロデューサーにはKid HarpoonやScott Harrisなど、多彩な顔ぶれが集まり、アルバム全体に新しいサウンドとエネルギーが加えられている。
トラックごとの解説
1. Intro
アルバムの導入となるインストゥルメンタルで、神秘的なサウンドが耳に残る短い序章。アルバム全体の壮大さを予感させ、次のトラックへの期待を高める。
2. Wonder
アルバムのタイトル曲であり、リードシングルとしてリリースされたパワフルなアンセム。人生や愛、成功への疑問を抱きつつも「Wonder(不思議に思う)」ことの素晴らしさを歌っている。サビで爆発するMendesのボーカルが圧巻で、力強いドラムと重厚なオーケストラがドラマチックな演出を加えている。
3. Higher
エネルギッシュなポップロックトラックで、恋愛の高揚感を歌っている。アップテンポでリズミカルなサウンドが心地よく、Mendesの開放的な歌声が楽曲の躍動感を引き立てている。
4. 24 Hours
ピアノ主体のバラードで、新しい恋や始まりに対する期待と不安が込められている。Mendesの繊細で柔らかなボーカルが美しく、控えめなアレンジが歌詞に焦点を当てている。
5. Teach Me How to Love
レトロなファンクとソウルの要素が融合したダンサブルなトラックで、恋人への情熱的な気持ちを歌っている。ビートがキャッチーで、Mendesのセクシーな一面が垣間見える楽曲。
6. Call My Friends
疾走感あふれるポップロックで、忙しい生活の中で友人と過ごす時間への憧れや懐かしさがテーマとなっている。ギターリフが楽曲を引き立て、リスナーに青春のノスタルジアを感じさせる。
7. Dream
恋人と離れている時間の寂しさを「夢」で埋め合わせる切ない楽曲。甘くメロディックなサウンドと幻想的なアレンジが、恋に落ちた気持ちを美しく表現している。
8. Song for No One
孤独な時間に思い浮かぶ感情を描いた一曲で、過去の恋愛や自己反省がテーマ。Mendesのナチュラルなボーカルが魅力的で、アルバムの中でも特にエモーショナルなトラック。
9. Monster (with Justin Bieber)
Justin Bieberとのコラボ曲で、成功によるプレッシャーや世間の期待に応えることの難しさをテーマにしている。二人のボーカルが交互に響き、同じ境遇にあるアーティストとしての共感が伝わる、力強く深い内容の楽曲。
10. 305
恋愛の喜びや幸福感を歌ったアップテンポな楽曲で、軽快で明るいギターメロディが心地よい。無邪気な恋愛感情が表現され、楽しくリラックスした雰囲気がアルバムに彩りを添えている。
11. Always Been You
静かなギターのイントロから始まるラブソングで、愛する人への感謝と運命的なつながりを歌っている。シンプルなアレンジとMendesの温かいボーカルが心に響く。
12. Piece of You
ファンキーなリズムとエレクトロニックな要素が融合したトラックで、恋人への独占欲がテーマ。クールでグルーヴ感のあるサウンドが、Mendesの大人の一面を感じさせる一曲。
13. Look Up at the Stars
ポジティブで希望に満ちた楽曲で、夜空を見上げることで感じる感動と夢の大切さを歌っている。サウンドの広がりが印象的で、Mendesの柔らかなボーカルが希望と喜びを感じさせる。
14. Can’t Imagine
アルバムのラストを飾るシンプルなギター弾き語りのバラードで、愛する人と共にいることの大切さを静かに表現している。控えめながらも感動的な終わり方で、リスナーに深い余韻を残す。
アルバム総評
Wonderは、Shawn Mendesがこれまで培ってきた音楽的な才能をさらに進化させたアルバムであり、彼の内面的な成長や自己探求がテーマとなっている。オーケストラの壮大なサウンドや、ファンクやソウルなど新しい要素を取り入れた実験的な楽曲が並び、彼の音楽の多面性が光っている。恋愛、友情、成功とプレッシャー、自己反省といったテーマが重層的に描かれ、リスナーに共感を呼ぶ内容となっている。
特に、Justin Bieberとのコラボ曲「Monster」では、若い世代のトップアーティストとしての葛藤や成功の重圧が率直に表現されており、Mendesが成熟した視点で人生と向き合っていることが感じられる。また、タイトル曲「Wonder」の力強いメッセージや「Dream」の幻想的な描写など、個々の楽曲がそれぞれ独自の魅力を持ち、アルバム全体に統一感がありながらも新しいサウンドが楽しめる作品に仕上がっている。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Fine Line by Harry Styles
ポップロックとソウル、ファンクが融合したスタイルで、Shawn MendesのWonderと同じく多様なサウンドと感情的なテーマが楽しめる。
Positions by Ariana Grande
ポップとR&Bが融合した作品で、Shawn Mendesのセクシーで感情豊かなサウンドが好きなリスナーにおすすめ。
Future Nostalgia by Dua Lipa
ディスコやファンクを現代風にアレンジしたアルバムで、Mendesのレトロな要素とグルーヴ感が共鳴する一枚。
American Teen by Khalid
若者の視点から成長や愛、孤独を描いたアルバムで、Shawn Mendesの青春や自己探求のテーマと共鳴する作品。
Voicenotes by Charlie Puth
ポップとR&Bが融合し、リズムやメロディにこだわった作品で、Shawn Mendesのファンク要素が好きなリスナーにおすすめ。
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