発売日: 1993年9月17日
ジャンル: ハードロック、アリーナロック
Bump Aheadは、Mr. Bigの3作目のスタジオアルバムで、バンドの技巧と音楽的な幅広さがさらに発展した作品である。前作Lean into Itに続いて、Bump Aheadでは卓越した演奏力とキャッチーなメロディが融合し、ハードロックの枠に留まらない多彩な音楽性が表現されている。特に、アコースティック・バラード「Wild World」は、カバー曲ながらもバンドの代表曲のひとつとなり、世界的にヒットした。
このアルバムでは、ポール・ギルバートのテクニカルなギター、ビリー・シーンの超絶技巧ベース、エリック・マーティンの情感豊かなボーカルが一体となり、パット・トーピーの安定したドラミングが全体を支えている。また、プロデューサーには前作に引き続きケヴィン・エルソンを迎え、バンドのエネルギッシュなサウンドがよりクリアかつ力強く表現されている。Bump Aheadは、Mr. Bigの音楽的成長を示す作品であり、技巧派ファンからロックファンまで幅広く楽しめるアルバムである。
トラックごとの解説
1. Colorado Bulldog
アルバムの幕開けを飾るハイテンションなロックナンバーで、ギルバートの高速ギタープレイとシーンのタッピングベースが炸裂する。スピード感と力強さが際立つ一曲で、ライブでも人気の高い曲である。
2. Price You Gotta Pay
ファンキーでリズミカルなベースラインが印象的なトラック。グルーヴィーなサウンドが特徴で、シンプルながらも深みのある演奏が楽しめる。
3. Promise Her the Moon
美しいメロディが際立つバラードで、マーティンの感情豊かなボーカルが引き立つ。切なさと温かみが同居する歌詞とメロディが心に残る一曲。
4. What’s It Gonna Be
エネルギッシュでキャッチーなリフが印象的な楽曲で、バンドのアリーナロックの一面が強調されている。サビのメロディが耳に残り、聴く者を引き込む。
5. Wild World
キャット・スティーヴンスの名曲をカバーしたバラードで、Mr. Bigのアコースティックな一面が光る。エリック・マーティンのソウルフルなボーカルが美しく、バンドの代表的なバラードのひとつとなった。
6. Mr. Gone
ヘビーでダークな雰囲気が漂うトラックで、重厚なギターリフとリズムが際立つ。激しさの中にも繊細さが感じられる構成が魅力的で、バンドのロックな一面が存分に発揮されている。
7. The Whole World’s Gonna Know
力強いリフと、明るくエネルギッシュなメロディが特徴のトラック。サビの盛り上がりが印象的で、ライブでのパフォーマンスでも映える一曲。
8. Nothing but Love
エモーショナルなバラードで、バンドの叙情的な一面が感じられる。美しいギターアレンジとエリック・マーティンのボーカルが絶妙にマッチしており、アルバムの中でも特に感動的な楽曲。
9. Temperamental
ファンキーでグルーヴ感のあるロックナンバーで、ビリー・シーンのベースが際立っている。リズムの変化と、軽快なギターリフが楽曲に独特の味わいを与えている。
10. Ain’t Seen Love Like That
ミッドテンポでメロディアスな曲で、落ち着いた雰囲気が漂う。しっとりとしたボーカルとリリカルなギターが心に響く一曲。
11. Goin’ Where the Wind Blows
繊細でアコースティックなサウンドが際立つバラードで、バンドの柔らかい一面が楽しめる。エモーショナルな歌詞とシンプルなアレンジが、楽曲の美しさを引き立てている。
12. Take Cover
アルバムのボーナストラックで、ダークで重厚なリフとエネルギッシュなドラムが特徴。キャッチーなメロディが魅力的で、バンドのパワフルなサウンドが詰まった一曲。
アルバム総評
Bump Aheadは、Mr. Bigのハードロックとバラードの両面が楽しめる作品であり、テクニカルな演奏とソウルフルなメロディが詰まった充実したアルバムである。特に、「Wild World」や「Promise Her the Moon」といったバラードは、彼らの音楽の幅広さを示しており、エリック・マーティンの情感豊かなボーカルが際立っている。さらに「Colorado Bulldog」や「Mr. Gone」など、エネルギッシュなハードロックも健在で、バンドの多彩な魅力が堪能できる。技巧派ロックとしても、ポップで親しみやすいロックとしても、Bump Aheadは聴く者を惹きつける名作であり、Mr. Bigファンにとってはもちろん、ハードロックファンにも必聴の一枚である。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Dog Eat Dog by Warrant
キャッチーでメロディアスなハードロックが楽しめる一枚で、Mr. Bigのハードで親しみやすいサウンドが好きなリスナーにおすすめ。
Invasion of Your Privacy by Ratt
キャッチーなリフとアリーナロックのエネルギーが満載の作品で、Mr. Bigのエネルギッシュな面と響き合う。
Hysteria by Def Leppard
ポップでありながらもエッジの効いたサウンドが特徴で、バラードとロックがバランスよく融合した名作。Mr. Bigのファンにも響く一枚。
Pull by Winger
技巧とメロディが調和した作品で、ポップでありながらもテクニカルなプレイが楽しめる。Bump Aheadの多面的な魅力に共通する。
Psycho City by Great White
ブルースの影響を受けたハードロックが特徴で、Mr. Bigのブルージーな一面が好きなリスナーにおすすめ。
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