Always Forever by Cults(2013)楽曲解説

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1. 歌詞の概要

“Always Forever” は、2013年にリリースされた Cults(カルトズ)のセカンドアルバム Static に収録された楽曲 で、バンドの代表曲のひとつです。
タイトルの「Always Forever(いつも、永遠に)」が示す通り、この曲は愛の執着と別れ、そして決して消えない感情 をテーマにしています。

歌詞の内容は、過去の恋愛に対する未練と、それでも終わりが避けられなかった関係の痛み を描いており、甘美で切ない雰囲気 を持っています。
一見するとラブソングのようですが、言葉の裏には「別れた後の執着」や「変わらない気持ちの苦しさ」 が込められているため、聴き方によってはダークな印象を受けることもあります。

また、軽やかなドリームポップのサウンドと、マディー・ファルコウ(Madeline Follin)の繊細なボーカル が絶妙に組み合わさり、まるで夢の中にいるような幻想的な雰囲気 を作り出しています。

2. 歌詞のバックグラウンド

Cults は、2010年にニューヨークで結成されたインディーポップデュオ で、60年代のガールグループのようなノスタルジックな雰囲気と、ドリームポップやシューゲイズの要素を融合させたスタイルが特徴です。

このアルバム Static は、デビュー作 Cults よりもややダークな雰囲気 を持っており、「関係性の崩壊」や「愛の執着」 といったテーマを多く扱っています。
“Always Forever” もその流れの中にあり、別れの痛みや、忘れられない想いを抱えたまま前に進めない心情 を描いた楽曲となっています。

この曲はリリース後、TikTokやSNSを通じて再び人気が急上昇し、新世代のリスナーにも広く知られるようになった ことでも有名です。

3. 歌詞の抜粋と和訳

以下に、“Always Forever” の印象的な歌詞を一部抜粋し、日本語訳とともに紹介します。

[Verse 1]
“You and me, always, forever”
(あなたと私、いつも、永遠に)

“We could stay alone together”
(二人きりで一緒にいられる)

“You and me, always, forever”
(あなたと私、いつも、永遠に)

“Say you’ll stay, never be severed”
(ここにいて、決して離れないで)

[Chorus]
“You know you’ve got me in your pocket”
(あなたは私を手の中に握っているのよ)

“You don’t just have to wait around”
(ただ待っているだけじゃなくていいの)

“You know I keep you in my locket”
(私はあなたをロケットペンダントの中にしまっているの)

“Just come here and we can settle down”
(だからここに来て、落ち着きましょう)

[Verse 2]
“You and me, always, forever”
(あなたと私、いつも、永遠に)

“We could stay alone together”
(二人きりで一緒にいられる)

“Hard to say, always, forever”
(言葉にするのは難しいけど、いつも、永遠に)

“Let’s make the vow, to never ever”
(誓いを立てましょう、決して離れないと)

※ 歌詞の引用元: Genius.com

4. 歌詞の考察

“Always Forever” の歌詞は、一見すると 恋人同士の永遠の愛を誓うラブソング のように思えます。
しかし、細かく見ていくと、執着やコントロールの要素 が強く含まれていることに気づきます。

特に、「You know you’ve got me in your pocket(あなたは私を手の中に握っているのよ)」 というラインは、
私は完全にあなたのもの」という従属的な意味にも取れますし、逆に「私はあなたのコントロール下にあるけれど、それに抵抗しない」という意味にも解釈できます。

また、「You know I keep you in my locket(私はあなたをロケットペンダントの中にしまっているの)」というフレーズは、愛する人を大切にするという意味にも、過去の記憶に囚われていることの象徴 にもなります。
つまり、この曲は単なるラブソングではなく、「過去の関係に縛られてしまう心情」 を表現している可能性が高いのです。

さらに、「Let’s make the vow, to never ever(誓いを立てましょう、決して離れないと)」というラインには、
恋人同士の甘い約束のようにも聞こえますが、どこか束縛や強迫的なニュアンスも感じられます。

このように、“Always Forever” は**「愛」と「執着」の境界線を曖昧にし、甘美でありながらもどこかダークな側面を持つ楽曲** となっています。

5. この曲が好きな人におすすめの曲

“Always Forever” のような ノスタルジックでドリーミーなインディーポップ が好きな人には、以下の楽曲もおすすめです。

  • Go Outside” by Cults – 軽快なメロディと深いテーマが特徴的なCultsの代表曲。

  • “Cherry” by Lana Del Rey – 甘美でありながらも、どこか病的な愛を描いた楽曲。

  • “Space Song” by Beach House – 幻想的でメランコリックなシンセポップ。

  • Summertime Sadness” by Lana Del Rey – 愛の喪失と執着がテーマの楽曲。

  • “Linger” by The Cranberries – 切なくも美しいメロディと、離れられない愛を描いた名曲。

  • “Ribs” by Lorde – 青春の儚さと愛の記憶をテーマにした楽曲。

6. “Always Forever” の影響と評価

“Always Forever” は、Cultsの楽曲の中でも特にSNSやTikTokでの再流行により、新世代のリスナーにも広く受け入れられた曲 となっています。
その幻想的なサウンドとキャッチーなメロディ、そして**「甘い愛の歌」と「執着と喪失の歌」という二面性** を持つ歌詞が、多くの人々の共感を呼びました。

また、インディー映画やドラマのサウンドトラックとしても使用され、「美しくも切ない、どこか歪んだ愛のテーマを持つ楽曲」 として評価されています。


“Always Forever” は、単なるラブソングではなく、愛の執着と別れの苦しみを描いた、幻想的でダークな楽曲 です。その夢幻的なサウンドと、甘美でありながらもどこか不穏な雰囲気を持つ歌詞 は、多くのリスナーを魅了し続けています。

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