アルバムレビュー：Waves by Rachel Platten

アルバムレビュー

2025.03.15

発売日: 2017年10月27日
ジャンル: ポップ、アコースティックポップ、シンセポップ

感情の波に揺れる—Rachel Plattenの成熟したポップアルバム
全曲レビュー
総評
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感情の波に揺れる—Rachel Plattenの成熟したポップアルバム

2017年、Rachel PlattenはWavesをリリースし、前作Wildfire（2016年）で確立したポップサウンドをさらに洗練させた。本作は、シンセポップやエレクトロポップの要素を大胆に取り入れつつ、彼女の特徴である温かみのあるヴォーカルとシンガーソングライター的なアプローチを保っている。

「Fight Song」のようなストレートなアンセムは少なくなり、よりパーソナルな感情を掘り下げた楽曲が多いのが特徴だ。愛、喪失、自己発見といったテーマを扱いながら、サウンド面ではモダンなポッププロダクションを取り入れ、リスナーを感情の波（Waves）の中へと引き込む。

シングル「Broken Glass」では、前向きなメッセージとダンサブルなビートが融合し、新たなRachel Platten像を提示。一方で、「Collide」や「Hands」といった楽曲では、より内省的な歌詞と繊細なメロディが際立つ。

全曲レビュー

1. Perfect for You

軽快なビートとキャッチーなメロディで幕を開ける。シンセポップの要素を取り入れたポップチューンで、恋愛の駆け引きを描く。

2. Whole Heart

柔らかいピアノとエモーショナルなヴォーカルが際立つバラード。愛する人に対する誠実な想いを歌っている。

3. Collide

シンセサウンドとダイナミックなビートが特徴の楽曲。恋愛の情熱と衝突をテーマにしている。

4. Keep Up

ミニマルなビートとポップなメロディが融合したダンサブルなトラック。

5. Broken Glass

本作のリードシングルで、エネルギッシュなダンスポップ。女性の強さと独立をテーマにした力強いメッセージが込められている。

6. Shivers

アコースティックギターとシンセを組み合わせた爽やかなポップソング。恋愛のドキドキ感を表現している。

7. Loose Ends

繊細なメロディと内省的なリリックが特徴のミッドテンポバラード。失われた関係について歌われている。

8. Labels

社会のラベリングに対する疑問を投げかけるメッセージソング。ポップながらも深いテーマを持つ。

9. Love Somebody

ポップとR&Bが融合したようなメロディラインが印象的な楽曲。愛の複雑さを歌っている。

10. Hands

シンプルなピアノとストリングスのアレンジが美しいバラード。Rachel Plattenのヴォーカルが際立つ感動的な楽曲。

11. Fooling You

ジャジーなアプローチのトラックで、恋愛の駆け引きを描くユニークな楽曲。

12. Good Life

前向きなメッセージとリズミカルなサウンドが特徴の楽曲。人生の美しさを讃える。

13. Grace

アルバムの最後を飾るバラード。繊細なヴォーカルと感動的なメロディが印象的。

総評

Wavesは、Rachel Plattenが単なる「Fight Songの人」ではなく、より多面的なアーティストであることを証明した作品だ。本作では、シンセポップやエレクトロポップの要素を取り入れながら、彼女の感情的なヴォーカルとシンガーソングライターとしての繊細さが共存している。

前作のようなストレートなポップアンセムは少ないものの、より成熟したテーマとサウンドが詰まっており、聴き手に深く響くアルバムとなっている。特に「Broken Glass」「Collide」「Hands」といった楽曲は、彼女の音楽的進化を象徴している。

このアルバムは、ポップス好きはもちろん、エモーショナルな音楽を求めるリスナーにもおすすめできる。