
発売日: 1991年5月7日
ジャンル: ファンク、ソウル、R&B
James Brownの音楽的軌跡を網羅した究極のアンソロジー
1991年にリリースされたStar Timeは、James Brownのキャリアを総括する4枚組ボックスセットであり、彼の音楽の進化とファンクの歴史を一気に体験できる究極のコンピレーションである。本作は、1956年のデビューシングル「Please, Please, Please」から、1970年代のファンク黄金時代、1980年代のヒップホップとの融合までを網羅しており、James Brownの音楽的影響力の大きさを再確認させる内容となっている。
このボックスセットは、James Brownの単なるヒット曲集にとどまらず、彼のアーティストとしての進化や、音楽界に与えた革新性を時系列で追える構成となっている。ファンクの誕生から確立、そして後の音楽シーンへの影響までをたどることができ、James Brownを深く知るためには欠かせない作品である。
ディスク構成とハイライト
Disc 1: Mr. Dynamite
1956年から1964年のR&B時代を収録。James Brownが「ミスター・ダイナマイト」と呼ばれるようになった初期のヒット曲が中心。
- Please, Please, Please (1956) – James Brownのデビュー曲であり、彼のキャリアの始まりを飾るエモーショナルなバラード。
- Try Me (1958) – 初のナンバーワンR&Bヒット。甘いバラードスタイルで、James Brownのヴォーカルの幅を示す楽曲。
- Think (1960) – R&Bからソウルへと進化する過程を感じさせるリズミカルな楽曲。
- Night Train (1962) – インストゥルメンタル要素が強いダンスナンバーで、後のファンクの礎を築く。
Disc 2: The Hardest Working Man in Show Business
1965年から1969年、ソウルからファンクへと進化する時期。
- Papa’s Got a Brand New Bag (1965) – ファンクの原型を確立した重要曲。シャープなリズムとJames Brownのシャウトが際立つ。
- I Got You (I Feel Good) (1965) – James Brownの代表曲の一つ。エネルギッシュなホーンセクションが特徴。
- It’s a Man’s Man’s Man’s World (1966) – ソウルバラードの名曲。James Brownの情熱的なヴォーカルが光る。
- Cold Sweat (1967) – ファンクの基盤を固めた革命的な楽曲。リズム重視の構成が特徴。
- I Got the Feelin’ (1968) – タイトなリズムとホーンセクションが絡み合うファンククラシック。
Disc 3: Soul Brother No. 1
1969年から1975年のファンク黄金時代。James Brownが「ソウル・ブラザー・ナンバーワン」として君臨した時代の楽曲が集められている。
- Say It Loud – I’m Black and I’m Proud (1968) – 公民権運動を背景にした社会的メッセージ性の強い楽曲。
- Give It Up or Turnit a Loose (1969) – ファンクの真骨頂とも言えるグルーヴィーなトラック。
- Get Up (I Feel Like Being a) Sex Machine (1970) – ファンクを代表する曲の一つ。James BrownとThe J.B.’sの息の合ったプレイが聴ける。
- Super Bad (1970) – James Brownのシャウトとファンクのエッセンスが詰まったナンバー。
- The Payback (1973) – 後のヒップホップにも影響を与えたファンククラシック。
Disc 4: The Godfather of Soul
1976年から1984年のポストファンク時代。ディスコやヒップホップとの融合が進んだ時期の楽曲が中心。
- Hot Pants (1971) – ファンクグルーヴを極限まで追求した楽曲。
- Get on the Good Foot (1972) – リズムの反復が際立つJames Brownらしい一曲。
- My Thang (1974) – ヘビーなグルーヴが特徴の楽曲で、サンプリングソースとしても有名。
- Gravity (1986) – James Brownの後期代表曲で、80年代のファンクスタイルを象徴する楽曲。
総評
Star Timeは、James Brownのキャリアを総括した決定版とも言えるアンソロジーであり、彼の音楽的進化を時系列で追うことができる。初期のR&B時代から、ソウル、ファンク、そしてディスコやヒップホップへの影響まで、James Brownの足跡を網羅しており、まさに「ソウルのゴッドファーザー」の偉大さを証明するボックスセットだ。
本作は、ファンクの発展を理解するための必聴盤であり、James Brownを初めて聴くリスナーにも、すでに彼のファンであるリスナーにも価値のある作品となっている。James Brownの音楽の核心に触れたいなら、まずこのアルバムを手に取るべきだ。
おすすめアルバム
- James Brown – The Payback (1973)
James Brownのファンクスタイルが完成したアルバムで、Star Time収録曲の多くの原点となる作品。 - Sly & The Family Stone – There’s a Riot Goin’ On (1971)
James Brownのファンクを発展させた、ダークなファンクの名作。 - Parliament – Mothership Connection (1975)
ファンクを宇宙的な次元にまで押し上げたGeorge Clintonの傑作。 - The Meters – Look-Ka Py Py (1970)
James Brownと並ぶファンクバンドの最高傑作。 - Prince – Sign o’ the Times (1987)
James Brownの影響を受けたファンクとポップの融合が聴けるアルバム。
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