
発売日: 1970年9月**
ジャンル: ファンク、ソウル
- ファンクの頂点—James Brownが見せる圧倒的グルーヴの真髄
- 全曲レビュー
- 1. Get Up I Feel Like Being a Sex Machine, Pt. 1 & 2
- 2. Brother Rapp (Pt. 1 & 2)
- 3. Medley: Bewildered
- 4. I Got the Feelin’
- 5. Give It Up or Turnit a Loose
- 6. I Don’t Want Nobody to Give Me Nothing (Open Up the Door I’ll Get It Myself)
- 7. Licking Stick – Licking Stick
- 8. Lowdown Popcorn
- 9. Spinning Wheel
- 10. If I Ruled the World
- 11. There Was a Time
- 12. It’s a Man’s Man’s Man’s World
- 総評
- おすすめアルバム
ファンクの頂点—James Brownが見せる圧倒的グルーヴの真髄
1970年にリリースされたSex Machineは、James Brownがファンクを完全に支配した時代の象徴とも言えるアルバムであり、彼の音楽キャリアの中でも最もエネルギッシュでダイナミックな作品の一つである。本作は、James BrownのバンドThe J.B.’sとの初期セッションを収録した作品であり、Clyde StubblefieldやJabo Starksといった伝説的なドラマーが生み出すタイトなリズムが際立っている。
本作の最大の魅力は、そのライブ感溢れる構成にある。実際にはスタジオ録音とライブ録音がミックスされているが、James Brownの迫力あるパフォーマンスと観客の熱狂が一体となり、まるで本物のライブを体験しているかのような臨場感を味わえる作品となっている。
全曲レビュー
1. Get Up I Feel Like Being a Sex Machine, Pt. 1 & 2
アルバムのタイトル曲であり、James Brownの代表曲の一つ。シンプルなリフとグルーヴの反復がファンクの本質を体現しており、Clyde Stubblefieldのドラミングが圧巻。
2. Brother Rapp (Pt. 1 & 2)
ブルースとファンクが融合したナンバー。James Brownのシャウトとバンドの演奏が絡み合う。
3. Medley: Bewildered
スローなソウルバラードで、James Brownのエモーショナルなヴォーカルが際立つ。
4. I Got the Feelin’
James Brownの代表曲の一つで、跳ねるようなビートとシンプルなホーンリフが特徴的。
5. Give It Up or Turnit a Loose
James Brownのファンクスタイルを象徴する楽曲。リズムギターとホーンセクションが織りなすグルーヴが心地よい。
6. I Don’t Want Nobody to Give Me Nothing (Open Up the Door I’ll Get It Myself)
政治的メッセージを含む楽曲で、ファンクのビートとJames Brownの力強いヴォーカルが融合。
7. Licking Stick – Licking Stick
ジャズの影響を感じさせるブラスアレンジが光るファンクナンバー。
8. Lowdown Popcorn
ユニークなリズム構成が印象的な楽曲で、Clyde Stubblefieldのドラムワークが際立つ。
9. Spinning Wheel
Blood, Sweat & Tearsのカバーで、James Brown流のアレンジが施されたソウルフルな楽曲。
10. If I Ruled the World
スローバラードで、James Brownのヴォーカルの深みが味わえる一曲。
11. There Was a Time
ライブ感溢れる演奏が特徴的で、観客の反応を巻き込みながら展開するファンクナンバー。
12. It’s a Man’s Man’s Man’s World
James Brownの代表的なバラードで、彼のソウルフルな歌唱が圧巻。
総評
Sex Machineは、James Brownのファンクスタイルが完全に成熟した時期の代表作であり、グルーヴとリズムにフォーカスしたファンクの本質を示している。本作では、バンドの演奏が極めてタイトで、James Brownのパフォーマンスと完全に一体化している。特に、Clyde StubblefieldとJabo Starksによるドラムは、ヒップホップのサンプリングでも頻繁に使用されるほど影響力のあるものとなっている。
James Brownのライブの迫力をそのまま閉じ込めたような構成であり、観客の熱狂やバンドとの掛け合いがダイレクトに伝わる作品。ファンクを理解する上で欠かせないアルバムであり、James Brownの真価を知るには最適な一枚だ。
おすすめアルバム
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James Brown – The Payback (1973)
ファンクミュージックの完成形ともいえるアルバムで、より洗練されたグルーヴが特徴。 -
Sly & The Family Stone – There’s a Riot Goin’ On (1971)
James Brownのファンクスタイルに影響を受けた、ファンクの進化形。 -
Parliament – Mothership Connection (1975)
ファンクを宇宙的な視点で広げたP-Funkの名作。 -
The Meters – Rejuvenation (1974)
ニューオーリンズファンクの名盤で、James Brownのリズム構造と共通点が多い。 -
Prince – 1999 (1982)
James Brownの影響を受けたファンクとポップの融合が聴けるアルバム。
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