
発売日: 1980年11月
ジャンル: パワーポップ、ニューウェーブ、ロックンロール
さらなるエネルギーと洗練を加えたセカンドアルバム
The Romanticsの2ndアルバムNational Breakoutは、デビュー作のシンプルなパワーポップ路線を引き継ぎつつ、より洗練された楽曲構成とアレンジが加わった作品だ。前作The Romanticsの成功を受け、バンドはさらに勢いを増し、エネルギッシュなギターとキャッチーなメロディを武器に、よりダイナミックなサウンドを展開している。
60年代のブリティッシュ・インヴェイジョンやガレージロックの影響を強く受けながらも、80年代初頭のニューウェーブ的な感覚を取り入れることで、シンプルながらも進化を感じさせるアルバムとなっている。
全曲レビュー
- C’mon Girl
- イントロから疾走感のあるギターが鳴り響く、勢いのあるオープニングトラック。シンプルなロックンロールの楽しさを凝縮した楽曲。
- National Breakout
- アルバムタイトル曲。メロディックなギターリフとシンガロングしやすいコーラスが印象的。バンドの勢いを象徴するような楽曲。
- 16 Candles
- 50年代のオールディーズ的な甘いメロディをパワーポップ風にアレンジした楽曲。ノスタルジックな雰囲気を持ちつつも、The Romanticsらしいエネルギーに満ちている。
- Stone Pony
- ニューウェーブの要素が感じられる、軽快なリズムが特徴の楽曲。ギターとベースの絡みが楽曲に深みを与えている。
- New Cover Story
- Night Like This
- パワーポップの王道を行く、ストレートでキャッチーな楽曲。軽快なドラムとシンプルなギターワークが心地よい。
- Bop
- ロックンロールの原点に立ち返ったかのような、シンプルな楽曲。ライブ映えしそうなエネルギッシュなサウンドが特徴。
- Take Me Out of the Rain
- 少し哀愁のあるメロディが印象的な一曲。アルバムの中では比較的落ち着いたトーンを持ち、バンドの幅広い音楽性を感じさせる。
- Friday at the Hideout
- デトロイトのローカルガレージロックシーンへのオマージュとも言える楽曲。荒々しいギターとシンプルなビートが際立つ。
- Poor Little Rich Girl
- アルバムの締めくくりを飾る、軽快なロックンロールナンバー。シニカルな歌詞とキャッチーなメロディが印象的。
総評
National Breakoutは、デビュー作のストレートなパワーポップの魅力を維持しながら、より洗練されたアレンジとバラエティ豊かな楽曲が加わったアルバムだ。シンプルで勢いのあるロックンロールの魅力はそのままに、ニューウェーブ的な洗練されたサウンドも取り入れ、バンドの成長を感じさせる作品となっている。
特に「C’mon Girl」や「National Breakout」などの楽曲は、彼らのキャッチーなメロディセンスを存分に発揮しており、The Romanticsの持ち味である明るくポップなロックンロールが詰まっている。デビュー作The Romanticsを楽しんだリスナーには、より幅広いサウンドが楽しめる本作もぜひ聴いてほしい。
おすすめアルバム
- The Knack – …But the Little Girls Understand (1980)
- パワーポップの王道的なアルバム。The Romanticsのキャッチーなメロディと共通する部分が多い。
- Cheap Trick – Heaven Tonight (1978)
- メロディアスなギターとエネルギッシュなボーカルが特徴の作品。The Romanticsの影響を感じさせるパワーポップの名盤。
- The Cars – Candy-O (1979)
- ニューウェーブとロックンロールを融合させたサウンドが特徴。The Romanticsの進化したスタイルと共鳴する部分がある。
- Blondie – Eat to the Beat (1979)
- ポップでありながらパンキッシュな要素も持つ作品。The Romanticsのシンプルなロックンロールと相性が良い。
- Shoes – Present Tense (1979)
- 洗練されたパワーポップアルバムで、美しいハーモニーとメロディが際立つ。The Romanticsの楽曲構成と共通点が多い。
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- 洗練されたパワーポップアルバムで、美しいハーモニーとメロディが際立つ。The Romanticsの楽曲構成と共通点が多い。
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