イントロダクション
Timeflies(タイムフライズ)は、アメリカのポップ・ラップ/エレクトロポップ・デュオである。メンバーは、ボーカルとラップを担当するCal Shapiro、プロデュースを担当するRob “Rez” Resnick。2010年に結成され、ポップ、ヒップホップ、EDM、R&B、ダンスミュージックを軽やかに横断するサウンドで、2010年代前半のインターネット世代を象徴する存在となった。
彼らの最大の特徴は、キャッチーなメロディと即興的なラップ、そしてクラブ向けのエレクトロサウンドを一体化させたことである。Timefliesの音楽には、大学キャンパスのパーティー感、YouTube時代の親密さ、EDM以後のドロップ、ポップラップの軽快さが詰まっている。難解さよりも楽しさ、重さよりも瞬発力、ジャンルの純度よりも混ざり合う快感を重視するデュオだ。
2011年の自主制作アルバムThe Scotch Tape、2012年のEPOne Night、2014年のメジャーデビュー作After Hours、2015年のJust for Funを通じて、Timefliesはオンライン発のポップデュオからメジャーシーンへ進出した。Apple Musicは、Timefliesについて、エレクトロポップのサウンド、ラップ的なリリック、キャッチーなメロディを融合し、2010年代半ばにメジャーレーベルからアルバムを発表し、2016年の「Once In a While」でバイラルなストリーミングヒットを記録したデュオとして紹介している。(music.apple.com)
アーティストの背景と歴史
Timefliesの物語は、ボストン近郊のTufts Universityから始まる。Cal ShapiroとRob Resnickは、2007年頃に大学で出会った。Apple Musicのプロフィールによると、Calがパーティーでフリースタイルラップを披露し、それを聞いたRezが自身のファンクバンドThe Rideへ誘ったことが、二人の音楽的な接点になった。(music.apple.com)
当初、二人はバンド形式の中で活動していたが、やがてCalのボーカル/ラップとRezのプロダクションを中心にしたデュオとして動き出す。2010年10月にTimefliesとして本格的に始動し、YouTubeや音楽ブログ、SNSを活用してファンベースを拡大していった。
この時期のTimefliesを語るうえで重要なのが、「Timeflies Tuesday」である。彼らは毎週火曜日にカバー、リミックス、フリースタイル、オリジナル曲などを投稿し、ファンとの距離を縮めていった。現代で言えば、TikTokやショート動画を通じた継続的なファン接触に近い感覚だが、TimefliesはそれをYouTube時代にいち早く実践していた。
2011年、彼らは自主制作アルバムThe Scotch Tapeを発表する。この作品はリリース直後にiTunesの総合チャートで上位に入り、ポップチャートでも高い順位を記録したと伝えられている。Wikipediaのバイオグラフィーでも、The Scotch Tapeがリリース後24時間以内にiTunes総合8位、ポップチャート2位に上昇したと紹介されている。(en.wikipedia.org)
2012年のEPOne Nightは、Billboard 200で29位に初登場したとされ、彼らの人気がオンラインだけに留まらないことを示した。続く2014年のAfter HoursではIsland Recordsからメジャーアルバムを発表し、「I Choose U」、「All the Way」などのシングルでより広いポップリスナーへ届くようになる。(en.wikipedia.org)
音楽スタイルと影響
Timefliesの音楽は、ポップ、ヒップホップ、エレクトロポップ、EDM、ダンス、R&B、ポップラップを組み合わせたものだ。Calのフリースタイル感覚とメロディセンス、Rezのビートメイクと電子音楽的なプロダクションが、デュオの核になっている。
Cal Shapiroの魅力は、ラップと歌の中間を自然に行き来できるところにある。彼は本格的なストリートラッパーというより、ポップシンガーとしての明るさと、ラッパーとしての即興性を併せ持つタイプだ。言葉を詰め込みすぎず、リスナーが一緒に歌えるフックを大切にする。
Rob Resnickは、EDM、ダブステップ、トラップ、ポップ、ヒップホップの要素を組み合わせるプロデューサーである。彼のビートは、派手なドロップやシンセのきらめきがありながら、Calの声を邪魔しない。Timefliesの曲がクラブ向けでありつつ、ラジオポップとしても機能するのは、このバランスによる。
彼らのスタイルには、2010年代前半の空気が強く刻まれている。EDMがポップチャートへ流入し、YouTubeカバーがアーティストの登竜門になり、ジャンルの境界が急速に曖昧になっていった時代だ。Timefliesは、その空気を非常に自然に体現していた。
ヒップホップの言葉、ポップのメロディ、EDMの高揚感、大学生的な親しみやすさ。それらを一つにまとめたのが、彼らの音楽である。
代表曲の解説
「Fade」
「Fade」は、Timeflies初期の重要曲である。彼らが音楽ブログやSNSを通じて注目を集めるきっかけの一つになった楽曲として語られる。まだメジャーポップとして磨かれきる前の、手作り感と勢いがある。
この曲には、Timefliesらしい感情の軽やかさがある。切ないテーマを扱いながら、サウンドは重く沈みすぎない。Calの声は親しみやすく、Rezのビートは明るい。初期Timefliesは、内省を深刻にしすぎず、あくまで前向きなエネルギーへ変えるのがうまかった。
「All Night」
「All Night」は、初期Timefliesのパーティー感覚を象徴する曲である。タイトル通り、夜を楽しみ、音楽に身を任せるような楽曲だ。Vanity Fairは2011年の記事で、Timefliesが2010年10月の「All Night」以後、SNSを通じて急速にファンを増やしていたことを紹介している。(vanityfair.com)
この曲は、彼らがなぜ大学生や若いリスナーに支持されたのかをよく示している。複雑なメッセージよりも、今この瞬間を楽しむ感覚。クラブやハウスパーティーで自然に流れるようなビート。Timefliesは、インターネット時代のキャンパス・ポップを作っていたのである。
「Turn It Up」
「Turn It Up」は、Timefliesのライブ映えする側面を示す曲である。音量を上げる、テンションを上げる、夜を加速させる。彼らの音楽には、そうした直感的な高揚が多い。
この曲では、Calのラップと歌が勢いよく切り替わり、Rezのビートが全体を押し上げる。EDM的なビルドアップとポップラップの軽快さが結びつき、Timefliesらしい即効性がある。
「One Night」
「One Night」は、2012年のEPタイトル曲であり、Timefliesの初期キャリアを代表する楽曲である。EPOne Nightは、Billboard 200で29位に初登場したとされ、彼らの人気がデジタルファンベースからチャートへ広がったことを示した。(en.wikipedia.org)
曲のテーマは、タイトル通り一夜の高揚である。Timefliesの音楽には、永遠の愛や重い物語よりも、夜の一瞬のきらめきを切り取る感覚がある。「One Night」は、その魅力を分かりやすく示す曲だ。
ただし、単なる軽いパーティーソングではない。Timefliesの良さは、明るいサウンドの中に少しだけ切なさを残すところにある。一夜の楽しさは、終わるからこそ眩しい。その感覚が、曲に余韻を与えている。
「I Choose U」
「I Choose U」は、2013年にリリースされたメジャー期の重要シングルである。アルバムAfter Hoursへつながる曲であり、Timefliesがより大きなポップ市場へ向かうきっかけになった。
この曲は、Timefliesのポップソングライティングが非常に分かりやすく表れた楽曲である。フックはキャッチーで、ビートはダンサブル。Calのボーカルは明るく、恋愛の高揚をストレートに伝える。
チャート上では、「I Choose U」はDance/Electronic系のチャートでも反応を得たとされる。Timefliesの音楽が、ポップラップでありながらEDMリスナーにも届いていたことを示す楽曲である。(en.wikipedia.org)
「All the Way」
「All the Way」は、Timefliesの代表曲の一つであり、2014年のAfter Hours期を象徴する楽曲である。大きなサビ、明るいシンセ、前向きなメッセージがそろい、彼らのメジャーポップとしての完成度を示した。
この曲の魅力は、迷いなくポジティブなところだ。Timefliesの音楽には、複雑な陰影よりも、瞬間を全力で肯定する力がある。「All the Way」は、その姿勢を最も分かりやすく示す曲である。
「All the Way」は、スウェーデンでゴールド認定を受けたことも記録されており、Timefliesがアメリカ国内だけでなく海外にも届いたことを示している。(en.wikipedia.org)
「Monsters」
Katie Skyを迎えた「Monsters」は、After Hoursの中でもややドラマティックな色合いを持つ楽曲である。タイトルが示すように、内側の不安や影を扱う曲だが、サウンドはあくまでポップに開かれている。
この曲では、Timefliesの「明るさだけではない」側面が見える。EDM的なビートやポップなフックを使いながらも、テーマはやや内面的だ。CalのボーカルとKatie Skyの声が重なることで、曲に広がりが生まれている。
「Worse Things Than Love」
Natalie La Roseをフィーチャーした「Worse Things Than Love」は、2015年のアルバムJust for Funからのリードシングルである。同アルバムは2015年9月18日にIsland Recordsからリリースされ、この曲はアルバムの公式リードシングルとして発表された。(en.wikipedia.org)
この曲は、恋愛の不完全さを軽やかに受け止めるTimefliesらしい楽曲である。恋は面倒で、傷つくこともある。それでも、愛より悪いものはたくさんある。そんな楽観的な視点が、ポップなメロディに乗る。
Natalie La Roseの参加により、曲にはよりR&B/ダンスポップ的な艶が加わっている。Timefliesが外部アーティストとのコラボレーションを通じて、よりラジオフレンドリーな方向へ広がっていたことが分かる。
「Once in a While」
「Once in a While」は、Timefliesの後期を代表する大きなヒット曲である。2016年にリリースされ、ストリーミングを中心に広がった。Apple Musicは、Timefliesが2016年の「Once In a While」でバイラルなストリーミングヒットを記録したと紹介している。(music.apple.com)
この曲は、Timefliesの中でも特に洗練されたポップソングである。肩の力が抜けたビート、心地よいメロディ、Calの柔らかな歌声。初期のパーティー色よりも、より大人びた余裕がある。
「Once in a While」は国際的にも反応を得ており、RIAAプラチナ認定や北欧圏での認定も記録されている。(en.wikipedia.org) Timefliesが単なる2010年代初期のYouTube発デュオに留まらず、ストリーミング時代にも適応したことを示す曲である。
「Little Bit」
「Little Bit」は、2018年頃のTimefliesの軽やかなポップ感覚を示す楽曲である。QobuzやApple Musicなどの配信サービスでは、2018年のシングルやリミックスが確認できる。(qobuz.com)
この曲では、Timefliesの音がさらにコンパクトでストリーミング向けになっている。短いフック、軽いビート、耳に残るメロディ。大きなアルバム展開よりも、単曲ごとの即効性を重視する時代に合った楽曲である。
アルバムごとの進化
The Scotch Tape
2011年のThe Scotch Tapeは、Timefliesの自主制作によるデビューアルバムである。タイトルには、Cal Shapiroのスコッチ好きという遊び心も反映されているとされる。Timefliesの初期精神、つまり友人同士で作る自由さ、ジャンルを気にしないミックス感覚、オンラインでファンと直接つながる姿勢が詰まった作品だ。
このアルバムの魅力は、完成されたメジャーポップではなく、若い二人が自分たちの武器を見つけていく過程にある。Calの歌とラップ、Rezのビート、ポップへの嗅覚。まだ粗さはあるが、勢いがある。
The Scotch Tapeは、Timefliesのファンコミュニティにとって特別な作品である。ここには、後のヒット曲よりも親密で、手作り感のあるTimefliesがいる。
Under the Influence
2012年のUnder the Influenceは、サンプルベースのミックステープ的作品である。AmazonのAfter Hours紹介文でも、Timefliesが2012年7月に6曲入りのサンプルベース・ミックステープUnder the Influenceを発表した後、After Hoursへ進んだと紹介されている。(amazon.com)
この作品は、Timefliesの遊び心とリミックス文化への親和性を示す。彼らはオリジナル曲だけでなく、既存の素材を再構築し、CalのフリースタイルやRezのビートで新しいものへ変えるのが得意だった。YouTube時代のアーティストとして、カバーとリミックスを通じて自分たちの個性を示す方法をよく理解していた。
One Night
2012年のEPOne Nightは、Timefliesがインディペンデントなオンライン人気から、より広いポップシーンへ進む橋渡しになった作品である。リリース後、iTunesで高順位を記録し、Billboard 200にも登場したとされる。(en.wikipedia.org)
このEPでは、彼らのサウンドがより整理されている。クラブ向けのビート、キャッチーなサビ、Calのポップボーカルとラップの切り替え。自主制作の勢いを残しつつ、よりプロフェッショナルなポップ作品へ近づいている。
After Hours
2014年のAfter Hoursは、Timefliesのメジャーデビュー作として重要である。Island Recordsからリリースされ、Billboard 200では8位に到達したとされる。(en.wikipedia.org)
このアルバムには、「I Choose U」、「All the Way」、「Monsters」などが収録されている。タイトルのAfter Hoursには、夜の終わり、パーティーの後、友人たちと過ごす時間の余韻がある。Timefliesの音楽が持つ夜の高揚感と、その後に少しだけ残る切なさが表れている。
サウンド面では、EDM、ポップラップ、R&B、ダブステップ的な要素が混ざり、2010年代前半のメジャーポップの空気が濃い。SoundCloud上の#AFTERHOURS Mixでは、Timeflies自身が「Dubstep, trap, and anything weird」と説明しており、彼らが当時の電子音楽の多様な要素を吸収していたことが分かる。(soundcloud.com)
Just for Fun
2015年のJust for Funは、Timefliesのサードアルバムであり、メジャー2作目である。2015年9月18日にIsland Recordsからリリースされ、「Worse Things Than Love」、「Guilty」、「Crazy」などが収録された。(en.wikipedia.org)
タイトル通り、このアルバムには遊び心がある。「Jump and Shake」、「Prosecco」、「Undress Rehearsal」など、曲名からも軽快でパーティー向きのムードが伝わる。Apple Musicのアルバムページでも、Just For Funは11曲構成の作品として掲載されている。(music.apple.com)
ただし、Just for Funは単なる軽いアルバムではない。Timefliesの長所である親しみやすさ、瞬発力、ポップとヒップホップの橋渡しが、最も自然に表れた作品でもある。タイトルの「Just for Fun」は、彼らの美学そのものだ。複雑に考えすぎず、音楽を楽しむ。だが、その楽しさを成立させるためのプロダクションは、かなり緻密である。
To Dream
2018年のTo Dreamは、Timefliesの後期活動を語るうえで重要なEPである。Qobuzのディスコグラフィーでは、To Dreamが2018年3月23日にリリースされた作品として掲載されている。(qobuz.com)
この時期のTimefliesは、メジャーアルバム中心の展開から、より単曲・EPベースの活動へ移っている。ストリーミング時代に合わせ、短い作品でファンに届けるスタイルだ。サウンドも、初期のEDM感より少し落ち着き、ポップとしての洗練が前に出る。
Timeflies Tuesdayとインターネット世代の成功モデル
Timefliesを語るうえで最も重要なのが、Timeflies Tuesdayである。彼らは毎週火曜日にYouTubeへ動画を投稿し、カバー、リミックス、フリースタイル、時事ネタを取り入れた楽曲を発表した。これにより、ファンは単に曲を待つだけでなく、毎週Timefliesの活動に参加しているような感覚を得た。
この手法は、2010年代前半の音楽マーケティングにおいて非常に先進的だった。Vanity Fairは、TimefliesがTwitterやYouTubeなどのSNSを使ってファンを増やし、Calも「SNSはファン獲得に大きく役立った」と語っていたことを紹介している。(vanityfair.com)
Timeflies Tuesdayは、彼らの音楽性とも合っていた。Calは即興に強く、Rezは素早くビートを作れる。旬の曲、流行、ファンのリクエストを取り込み、自分たちのスタイルへ変換する。そのスピード感が、Timefliesの武器だった。
彼らは、アルバム単位で世界観をじっくり作るタイプのアーティストではない。むしろ、インターネットの流れの中で、その瞬間に合った音を出し続けるタイプだ。これは2010年代のポップにおいて、非常に重要なモデルだった。
ライブパフォーマンスの魅力
Timefliesのライブは、パーティー感とファンとの距離の近さが魅力である。Calは観客と直接コミュニケーションを取り、フリースタイル的なやりとりも得意とする。Rezはビートと音響面でステージを支え、クラブとバンドライブの中間のような空間を作る。
彼らのライブは、ロックバンドのような生演奏中心でも、DJセットのような完全なクラブ体験でもない。ポップライブ、ヒップホップショー、EDMイベントの要素が混ざっている。Timefliesの音楽がジャンル横断的であるように、ライブも複数の文化をまたいでいる。
大学キャンパス、クラブ、フェス、小規模会場から大きな会場まで、彼らはファンの熱量を直接受け取る形で成長してきた。Timefliesの強みは、巨大な距離感よりも、観客と一緒に夜を作る親密さにある。
影響を受けたアーティストと音楽
Timefliesの音楽には、ポップ、ヒップホップ、EDM、R&B、ファンク、ブルースなどの影響が混ざっている。Rob Resnickは、Porter Robinson、Benny Blanco、Pretty Lights、JR Rotemなどを影響源として挙げているとされる。Cal Shapiroは、Robert Johnson、Janis Joplin、Muddy Waters、Big Lなどを好んでいると紹介されている。(en.wikipedia.org)
この組み合わせが面白い。Rezは電子音楽とポッププロダクションの方向に強く、Calはブルース、ロック、ヒップホップのボーカル表現に惹かれている。だからTimefliesの音楽は、EDMポップでありながら、どこかフリースタイル的で、歌心もある。
彼らは、特定の伝統を深く掘り下げるタイプではない。むしろ、さまざまなジャンルを自分たちの世代感覚で軽やかにミックスする。そのミックス感覚こそがTimefliesの本質である。
影響を与えたアーティストと音楽シーン
Timefliesは、巨大な音楽史を変えたタイプのアーティストではないかもしれない。しかし、YouTube時代のポップデュオの成功モデルとして重要である。
彼らは、レーベル主導で売り出される前に、自分たちでファンコミュニティを作った。定期投稿、カバー、リミックス、SNSでの交流、ライブ動員。こうした手法は、後の多くのインディポップ、ポップラップ、YouTube発アーティストに通じる。
また、ポップとヒップホップの境界が現在ほど自然に溶け合う前に、Timefliesはそれを非常にカジュアルに実践していた。ラップして、歌って、EDMビートに乗せて、サビで一緒に歌わせる。この形式は、2010年代以降のストリーミングポップでますます一般化していく。
同時代アーティストとの比較
Timefliesは、Owl City、Gym Class Heroes、Mike Posner、3OH!3、The Chainsmokers、Hoodie Allen、Sammy Adams、B.o.B、LMFAOなどと同時代的に語ることができる。
Owl Cityがドリーミーなエレクトロポップを作ったのに対し、Timefliesはよりヒップホップとパーティー感が強い。Gym Class Heroesがバンド的なポップラップを鳴らしたなら、Timefliesはよりデジタル世代のデュオとして、ビートメイクとボーカルの二人編成でその役割を担った。
The Chainsmokersと比べると、Timefliesはより早い時期からYouTubeやSNSを使い、EDMポップとボーカルの親しみやすさを結びつけていた。Hoodie AllenやSammy Adamsと比べると、大学発のポップラップという文脈は近いが、Timefliesはよりメロディと電子音楽の比重が高い。
Timefliesの独自性は、ラップ、歌、EDM、ポップを「ジャンルの融合」として大げさに掲げるのではなく、自然な日常感覚として混ぜたことにある。
ファンや批評家からの評価
Timefliesは、熱心なファンベースを築いたデュオである。特に初期から彼らを追っていたリスナーにとって、Timeflies Tuesdayや自主制作期の楽曲は大きな意味を持つ。彼らは、ファンと一緒に成長していくタイプのアーティストだった。
商業的には、After HoursがBillboard 200で8位、One Nightが29位、Just for Funが61位を記録したとされる。(en.wikipedia.org) また、「Once in a While」はストリーミングを通じて大きく広がり、Timefliesの後期代表曲となった。
一方で、批評的には、Timefliesは革新的なアルバムアーティストというより、時代の空気を掴んだポップデュオとして評価されることが多い。深いコンセプトアルバムを作るバンドではなく、ファンとリアルタイムでつながりながら、キャッチーな曲を届けることに強みがあった。
2019年のPopdustのCal Shapiroインタビューでは、Timefliesが少なくとも一時的に解散状態にあり、Calがソロ活動へ向かったことも語られている。彼は、Timefliesとしての長いツアーを振り返り、自分自身の物語を語る必要を感じたと述べている。(popdust.com)
Timefliesのユニークさ
Timefliesのユニークさは、ポップとヒップホップとエレクトロニックを、インターネット世代の親密さでつないだことにある。
彼らは、完璧に作り込まれたスターというより、友人の部屋から音楽を届けてくるような存在だった。Calのフリースタイル、Rezのビート、毎週の投稿、ファンとのやりとり。そのすべてが、Timefliesというデュオの魅力を作っていた。
音楽的には、難解ではない。だが、難解ではないことを恐れない。Timefliesは、楽しさ、キャッチーさ、瞬発力、親しみやすさを大切にした。これは軽く見られがちだが、ポップミュージックにおいて非常に重要な才能である。
彼らの曲は、深夜のドライブ、大学のパーティー、友人との思い出、恋愛の高揚、夏の終わりのような場面に似合う。つまり、Timefliesは人生の大きな思想ではなく、若い時間のきらめきを音楽にしたデュオである。
まとめ
Timefliesは、Cal ShapiroとRob “Rez” Resnickによるアメリカのポップ・ラップ/エレクトロポップ・デュオであり、2010年代のインターネット音楽文化を象徴する存在である。Tufts Universityで出会った二人は、YouTube、SNS、音楽ブログを活用し、Timeflies Tuesdayを通じてファンと直接つながりながら成長した。
The Scotch Tapeでは自主制作の勢いを示し、One Nightでチャートへ進出し、After Hoursでメジャーポップとしての完成度を高め、Just for Funで彼ららしい遊び心を全面に出した。「I Choose U」、「All the Way」、「Worse Things Than Love」、「Once in a While」などの楽曲は、Timefliesがポップ、ヒップホップ、EDMを自然に融合できるデュオであることを示している。
Timefliesの魅力は、重厚な芸術性ではなく、軽やかな越境性にある。歌とラップ、ビートとメロディ、インディとメジャー、YouTubeとチャート。その間を自由に行き来した彼らは、2010年代のポップがどのように変化していくかを早い段階で体現していた。
音楽は時間とともに変わり、アーティストの活動形態も変わる。しかし、Timefliesが残したポップな瞬発力、ファンとの近さ、そしてジャンルを気にせず楽しむ姿勢は、今聴いても鮮やかである。まさにその名の通り、時間は飛ぶように過ぎる。だが、その時間の中で鳴っていた彼らの曲は、若い瞬間の記憶として残り続ける。


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