Work This Body by WALK THE MOON(2014)楽曲解説

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1. 歌詞の概要

「Work This Body」は、アメリカのポップロックバンドWALK THE MOONが2014年にリリースしたアルバム『Talking Is Hard』に収録された楽曲であり、自己変革、自己肯定、そして恐怖を超えて自分自身の可能性に挑むという前向きなテーマを、ダンサブルでラテン風味のあるリズムに乗せて歌い上げたエンパワメント・アンセムである。

この楽曲の中心にあるのは、「自分の体を動かし、鍛え、恐怖を打ち破りたい」という語り手の強い願望。だがそれは、単なるフィジカルなトレーニングではなく、精神的・感情的な殻を破るための“闘い”として描かれている。歌詞は、過去の弱さ、後悔、トラウマのようなものを背負いながらも、「でも変わってやるんだ」「今度こそ行動に移すんだ」という内なる決意に満ちている。

また、曲中で登場するフランス語のセリフ「Je suis prêt(私は準備ができている)」は、“変化を受け入れる覚悟”の表明として象徴的に使われており、曲全体のエネルギーを一気に高めている。

2. 歌詞のバックグラウンド

「Work This Body」は、バンドの中でも最もエネルギッシュで多文化的なサウンドアプローチがなされた曲であり、ラテンリズム、マリンバ風の音色、アップテンポなビート、掛け声のようなコーラスが混ざり合った、まさに“躍動”そのもののような作品である。

WALK THE MOONのフロントマン、ニコラス・ペトリッカは、この楽曲について「自分を鍛えるというコンセプトは、見た目や筋肉の話ではなく、“自分をもっと信じられるようになること”だ」と語っており、身体を動かすことを通して精神の成長や自己愛を育てる旅としてこの曲が作られたことがわかる。

アルバム『Talking Is Hard』は、内向的な感情と外向的な表現が交錯する作品であり、「Shut Up and Dance」のようなポップアンセムから、「Work This Body」のような**“自分と向き合う闘志の歌”**まで、幅広い感情スペクトラムを扱っている。

3. 歌詞の抜粋と和訳

以下に、「Work This Body」の印象的なフレーズを抜粋し、日本語訳を併記する。

I’ll work this body, I’ll burn this flame
この体を鍛え上げて、この炎を燃やし尽くす

Oh, in the dead of night, in the pouring rain
真夜中でも、土砂降りの中でも

I’m gonna work this body, I swear, I swear to you
この体を使って闘う、誓って、誓うよ

I’m gonna work this body, I swear, I swear to you
この体を鍛えて、自分を変えてやる

I’m not giving up, I’m just starting over
諦めるんじゃない、ただここからやり直すだけだ

Je suis prêt
私は準備ができている(フランス語)

出典:Genius – WALK THE MOON “Work This Body”

4. 歌詞の考察

この楽曲の最大の魅力は、「行動すること」への徹底した肯定にある。語り手は、かつて過去の失敗や弱さに苛まれていたかもしれないが、今でははっきりと「今度こそ、身体を動かして、すべてを変えてやる」と宣言している。

「I swear to you(誓うよ)」の繰り返しは、聴き手だけでなく、“自分自身への誓い”でもある。そして「I’m not giving up, I’m just starting over(諦めるんじゃない、やり直すんだ)」というラインは、失敗を許容しながらも、再出発を力強く肯定する哲学を示している。

また、タイトルにもなっている「Work This Body」は、外面的なフィットネスというよりも、自己改革、自己意識の転換という比喩的な意味で使われており、「身体を使って闘う=自分を信じる準備が整った」という強いメッセージに昇華されている。

「Je suis prêt(私は準備ができている)」という一言のフランス語の挿入も印象的で、音楽的なブレイクポイントとして機能すると同時に、文化的・精神的に“開かれた”自分の姿勢を象徴している。これは、WALK THE MOONというバンドが「ただのパーティーバンドではなく、内省と自己改革を音楽で描ける存在」だと証明した瞬間でもある。

5. この曲が好きな人におすすめの曲

  • Stronger (What Doesn’t Kill You) by Kelly Clarkson
    困難を乗り越えることで強くなる、力強い自己肯定ソング。

  • Titanium by David Guetta feat. Sia
    打たれても砕けない自分を讃える、ポップとエレクトロの融合アンセム。
  • Feel Again by OneRepublic
    感情を取り戻し、もう一度人生に立ち上がることを描いたバラードポップ。

  • Dog Days Are Over by Florence + The Machine
    過去から自由になり、新しい人生に飛び込む解放の瞬間を捉えた名曲。
  • Unstoppable by Sia
    無敵の自分を信じて進む、エンパワメント・ポップの象徴的存在。

6. “体を動かすことで、心が変わる”——WALK THE MOON流・内なる革命のススメ

「Work This Body」は、WALK THE MOONというバンドが持つポジティブなエネルギーと、自分自身を受け入れ乗り越えていくというテーマが見事に融合した一曲である。これはただのダンスチューンではない。変わりたいと願うすべての人のための、音楽による決起宣言だ。

人生の中で、自分が何者なのか分からなくなる瞬間がある。自信が持てない、自分の姿が嫌になる。でも、そんなときにこの曲は言ってくれる——「まずは身体を動かしてごらん」「準備はできてるんだよ」と。思考よりも行動が先、恐れよりも決意が先。この哲学が、WALK THE MOONの音楽の真髄であり、それがもっとも真っ直ぐに表現されたのがこの「Work This Body」だ。

「今度こそ変わるんだ」と決意した朝。あるいは「今日だけは自分を信じてみよう」と思えた夜。そんな瞬間にこの曲を聴けば、鼓動が速くなり、足が自然と前へ出る。それこそが、この曲があなたの人生に残す“確かな一歩”なのだ。

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