発売日: 1995年10月2日
ジャンル: ブリットポップ、オルタナティヴ・ロック
オアシスのセカンドアルバムWhat’s the Story Morning Glory?は、1990年代のブリットポップムーブメントを象徴するアルバムであり、彼らのキャリアにおける最大の成功作だ。デビュー作Definitely Maybeの荒々しさとエネルギーを引き継ぎつつも、よりメロディアスで普遍的な楽曲が揃っており、オアシスをワールドクラスのロックスターへと押し上げた作品である。プロデューサーのオーウェン・モリスとノエル・ギャラガーの手腕によって、エモーショナルでリリカルなサウンドが際立ち、特に「Wonderwall」や「Don’t Look Back in Anger」など、今なお愛され続ける名曲が収録されている。リスナーにとって、希望と反抗の両方を感じさせる、時代を超えた魅力を持つアルバムだ。
各曲解説
- Hello
ゲイリー・グリッターの曲をサンプリングしたリフが印象的なオープニング曲。力強いギターサウンドとリアムのボーカルが、リスナーを一瞬でオアシスの世界に引き込む。アルバムの幕開けにふさわしいエネルギッシュな一曲。 - Roll with It
アルバムの中で最も明るい雰囲気の曲で、前向きなメッセージが込められている。軽快なリズムとキャッチーなコーラスが、聴いているだけで高揚感をもたらし、オアシスらしい自信とエネルギーを感じさせる。 - Wonderwall
オアシスの代表曲で、アコースティックギターとリアムの力強いボーカルが絶妙にマッチしたバラード。恋愛の切なさと希望が交差する歌詞が共感を呼び、全世界で愛されるロックバラードの名曲となっている。 - Don’t Look Back in Anger
ノエル・ギャラガーがリードボーカルを務めた曲で、アルバムの中でも特に名高いバラード。「怒りを振り返らない」というメッセージが込められ、ビートルズの影響を感じさせるピアノイントロとサビが印象的。リスナーにとってのアンセム的存在だ。 - Hey Now!
ゆったりとしたテンポで、人生の中での葛藤や不安を表現している。リアムの歌声とエモーショナルなギターが、曲に深みを与え、アルバム全体の流れに落ち着きをもたらしている。 - [Untitled]
インストゥルメンタルのインタールードで、オアシス独特のスペーシーなサウンドが楽しめる。次の楽曲に向けてのブリッジとして、心地よいアクセントとなっている。 - Some Might Say
シングルカットされ、UKチャートで初の1位を獲得した曲で、力強いリフとリアムのボーカルが印象的。歌詞には日常への皮肉とユーモアが込められており、ポジティブでキャッチーなサウンドが聴き手に爽快感を与える。 - Cast No Shadow
ノエルがリチャード・アシュクロフト(ザ・ヴァーヴ)に捧げた楽曲で、孤独と悩みを抱えた人々への共感が込められている。リアムの切ないボーカルと優しいメロディが、哀愁漂う雰囲気を作り出し、静かな感動を与える。 - She’s Electric
ポップで軽快なリズムが特徴のラブソング。ユーモラスな歌詞と明るいメロディが相まって、リスナーに楽しさと親しみを感じさせる一曲で、アルバムの中でも一息つける瞬間を提供している。 - Morning Glory
激しいギターリフとリアムの挑発的なボーカルが絡み合う、アルバムのタイトル曲。朝が訪れる瞬間の高揚感が歌われ、ロックンロールの持つ強烈なエネルギーが炸裂している。ライブでも盛り上がる定番曲だ。 - [Untitled]
短いインストゥルメンタルが、次のラストトラックへとスムーズに誘うブリッジとなっている。シンプルながらも幻想的なサウンドが、アルバムに心地よいリズムを与えている。 - Champagne Supernova
壮大なスケールを感じさせるアルバムの最後を飾る名曲で、人生や夢についての哲学的なテーマが込められている。幻想的なギターとリアムのボーカルが一体となり、徐々に高まっていくクライマックスが感動を呼ぶ。時間を超越した美しさを持つ、オアシスの代表曲のひとつ。
アルバム総評
What’s the Story Morning Glory?は、オアシスが世界的な成功を収め、ブリットポップの象徴となったアルバムである。この作品には、ノエル・ギャラガーの天才的なメロディセンスと、リアムの力強いボーカルが見事に融合し、リスナーにとっての「アンセム」となる名曲が多数収録されている。特に「Wonderwall」や「Don’t Look Back in Anger」は、青春や夢をテーマにした不朽の名作として今もなお愛され続けている。このアルバムは、90年代のロックシーンを変えた金字塔であり、オアシスの持つ普遍的なメッセージとエネルギーが凝縮された一枚だ。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
The Verve – Urban Hymns
ザ・ヴァーヴの代表作で、オアシスと同じくブリットポップの中で感情的で壮大なサウンドが特徴。特に「Bitter Sweet Symphony」は、オアシスのファンにも刺さるだろう。
Blur – The Great Escape
ブラーのブリットポップを代表する一枚で、オアシスと共に90年代のUKロックを牽引。ユーモラスで風刺的な歌詞とキャッチーなメロディが楽しめる。
Richard Ashcroft – Alone with Everybody
ザ・ヴァーヴのフロントマン、リチャード・アシュクロフトによるソロデビュー作。オアシスのファンが共感できる、深い感情と豊かなメロディが印象的。
Pulp – Different Class
ブリットポップムーブメントの中心的なバンド、パルプの代表作。キャッチーなサウンドと、社会風刺の効いた歌詞が特徴で、オアシスのファンにも響くだろう。
Coldplay – Parachutes
コールドプレイのデビューアルバムで、メロディアスでエモーショナルな楽曲が多い。オアシスの持つ叙情的な要素に惹かれるリスナーにおすすめの一枚。
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